学会発表,プレゼンに自信がもてる
スライド作成テクニック100
1版
国立がん研究センター中央病院 緩和医療科 石木寛人 著
定価
2,640円(本体 2,400円 +税10%)
- B5変型判 93頁
- 2021年5月 発行
- ISBN 978-4-525-03041-4
センスじゃない,理論だ ―わかりやすさをひも解く―
学会発表やプレゼンを聴いているとき,内容が頭に入ってこなかったり,理解が追い付かなかったりという経験はありませんか? もしかすると自分が発表をしているときも聴いている人からそのように思われているかもしれません.
本書ではノイズの少ない美しい発表スライドの作り方のポイントを100個にまとめて解説しています.引くだけで綺麗に作れるガイドラインって? MSPゴシックのPってなに? 色を揃えるってどういうこと? 視線誘導ってどうするの? 気になったポイントを自分のスライドに活かせば,センスに頼らないカッコいいスライドを作ることができます.
発表者の顔ともいえるスライドを、本書の100のテクニックで磨きあげましょう!
- 序文
- 目次
序文
医療者は日常的にプレゼンテーションを行う機会がとても多い職種です。プレゼンテーションというと学会発表のような場面を想像します。しかしながらカンファレンスでのケースプレゼンテーション、院内での勉強会や研修会、患者さんやご家族への説明など、誰かに何かを伝える場面は非常に多く、広い意味ではこれら全てがプレゼンテーションに含まれます。一方、医学教育の中でプレゼンテーションを上手に行う方法の指導を受けることはほとんどありません。
優れたプレゼンテーションを行うために必要な要素は、
1) ビジュアル
2) ストーリー
の2つです。ストーリーは物語を語ることではなく、科学性、論理性、必要な情報を過不足なく盛り込むことも含まれます。話術や人前であがらない方法も含まれるでしょう。ストーリーの語り方は奥が深いものですが、本書では 1)ビジュアルに絞って解説をします。
ビジュアルに関して、私たちはプレゼンテーションの際にスライドを使用することがほとんどなので本書では便宜的にスライドを想定しますが、場合によっては動画を用いたり、話者そのものがビジュアルになることもあります。
多くの場合、プレゼンテーションを行う際にはスライドを使用します。スライドは読み原稿ではなく、伝えたいことを理解してもらうのをサポートするツールです。これは話者本位で作るものではなく、聴衆からの視点を意識して作る必要があります。そして、スライドは汚いよりは美しい方がよいに決まっています。
美しいスライドを作るのに必要なことは「センス」であると当然のように言われますが、これは間違いです。スライドを作るのに必要なのはセンスではなく、理論を知り、経験を積んで、自分の「型」に落とし込むことです。本書では私がスライドを作成するにあたり気を付けていることを100個の項目に分けて紹介します。誰でも知っているような当たり前のことから細かいことまで様々なことが書かれていますので、これは真似してみたい、と思う項目を意識してスライドを作ってみてください。技が1つずつ増えていけば、スライドの見た目が次第に洗練されていくはずです。
美しいスライドを作る際にまず心掛けるべきことで、最も大切なキーワードは「そろえる」ことです。スライドの構成要素の基本である「構図」、「色」、「フォント」をそろえるように気を付けてみてください。いずれもデザインするうえで基本的な原則があります。これらを知り、実際にスライドを作成する際に意識すること。そしてあまりフォーマルさが求められない場面(仲間との勉強会や抄読会など)で原則を少し逸脱するような遊びを取り入れてみてください。このような経験の蓄積により、次第に自分のスライドの「型」が確立し、他人から見て「見やすい」、「わかりやすい」スライドができるようになっていきます。
「構図」、「色」、「フォント」の基本を理解したら、次のステップは実践編です。テキストの使い方、図表や画像の見せ方など「コンテンツの原則」を理解し、学会発表のプレゼンテーションの形式として一般的なスライド、ポスター、eポスターの特徴を知って、それぞれに合わせた「ワークフロー」を身に付けましょう。本書を読んで理解を深め、もっとよく知りたい、うまくなりたい、スライドを美しくしたいと思っていただければ嬉しいです。
2021年3月
石木寛人
優れたプレゼンテーションを行うために必要な要素は、
1) ビジュアル
2) ストーリー
の2つです。ストーリーは物語を語ることではなく、科学性、論理性、必要な情報を過不足なく盛り込むことも含まれます。話術や人前であがらない方法も含まれるでしょう。ストーリーの語り方は奥が深いものですが、本書では 1)ビジュアルに絞って解説をします。
ビジュアルに関して、私たちはプレゼンテーションの際にスライドを使用することがほとんどなので本書では便宜的にスライドを想定しますが、場合によっては動画を用いたり、話者そのものがビジュアルになることもあります。
多くの場合、プレゼンテーションを行う際にはスライドを使用します。スライドは読み原稿ではなく、伝えたいことを理解してもらうのをサポートするツールです。これは話者本位で作るものではなく、聴衆からの視点を意識して作る必要があります。そして、スライドは汚いよりは美しい方がよいに決まっています。
美しいスライドを作るのに必要なことは「センス」であると当然のように言われますが、これは間違いです。スライドを作るのに必要なのはセンスではなく、理論を知り、経験を積んで、自分の「型」に落とし込むことです。本書では私がスライドを作成するにあたり気を付けていることを100個の項目に分けて紹介します。誰でも知っているような当たり前のことから細かいことまで様々なことが書かれていますので、これは真似してみたい、と思う項目を意識してスライドを作ってみてください。技が1つずつ増えていけば、スライドの見た目が次第に洗練されていくはずです。
美しいスライドを作る際にまず心掛けるべきことで、最も大切なキーワードは「そろえる」ことです。スライドの構成要素の基本である「構図」、「色」、「フォント」をそろえるように気を付けてみてください。いずれもデザインするうえで基本的な原則があります。これらを知り、実際にスライドを作成する際に意識すること。そしてあまりフォーマルさが求められない場面(仲間との勉強会や抄読会など)で原則を少し逸脱するような遊びを取り入れてみてください。このような経験の蓄積により、次第に自分のスライドの「型」が確立し、他人から見て「見やすい」、「わかりやすい」スライドができるようになっていきます。
「構図」、「色」、「フォント」の基本を理解したら、次のステップは実践編です。テキストの使い方、図表や画像の見せ方など「コンテンツの原則」を理解し、学会発表のプレゼンテーションの形式として一般的なスライド、ポスター、eポスターの特徴を知って、それぞれに合わせた「ワークフロー」を身に付けましょう。本書を読んで理解を深め、もっとよく知りたい、うまくなりたい、スライドを美しくしたいと思っていただければ嬉しいです。
2021年3月
石木寛人
目次
chapter 01 PowerPointを使う準備
chapter 02 スライド作成の基礎知識① 構図を学ぼう
chapter 03 スライド作成の基礎知識② カラーパレット
chapter 04 スライド作成の基礎知識③ フォント
chapter 05 スライド作成の準備④ スライドマスター
chapter 06 コンテンツの基本原則
chapter 07 画像,アニメーション
chapter 08 表の作り方
chapter 09 グラフの作り方
chapter 10 ポスターの作り方
chapter 11 その他
もっと勉強するための参考文献
chapter 02 スライド作成の基礎知識① 構図を学ぼう
chapter 03 スライド作成の基礎知識② カラーパレット
chapter 04 スライド作成の基礎知識③ フォント
chapter 05 スライド作成の準備④ スライドマスター
chapter 06 コンテンツの基本原則
chapter 07 画像,アニメーション
chapter 08 表の作り方
chapter 09 グラフの作り方
chapter 10 ポスターの作り方
chapter 11 その他
もっと勉強するための参考文献