書籍カテゴリー:基礎薬学|解剖学

図解 機能形態学
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みてわかる薬学シリーズ
図解 機能形態学

1版

  • 杏林大学医学部 解剖学教室 教授 松村讓兒 著

定価:4,104円(本体3,800円+税8%)

  • B5判 253頁
  • 2015年2月 発行
  • ISBN978-4-525-10351-4

概要

人体のしくみが手にとるようにわかる「解剖生理学」の教科書.薬学教育モデル・コアカリキュラムの「到達目標」をカバーし,本書目次との対応表も付いているので自学自習にも役立つ.本文は,わかりやすい表現で楽しく読め,薬の作用や疾病との関係性もイメージできる.イラストはすべてカラーで示し,理解しやすさを追求している.

序文

 本書は,おもに薬学生を対象として書かれた「人体の構造と機能」についての手引き書です.内容はできるだけシンプルにしてあります.将来「プロフェッショナル」となる薬学生には,学生時代に学ばねばならないことが山のようにあり,ここで扱われる「人体の構造と機能」だけに時間を割くことはできないからです.
 ただ,薬学は単に薬剤の性状や作用を扱っている領域ではありません.患者さんの全身状態を理解し,状態に応じて適切に対応することで医療の一翼を担う領域です.これは薬剤師であろうと研究者であろうと製薬会社の医薬情報担当者(MR)であろうと変わりません.薬に携わるすべての人が,それぞれの分野における医療従事者,つまり「プロフェッショナル」なのです.
 医療従事者にとって「人体の機能」の理解は必須です.そして,人体の機能を理解するためには「人体の構造」についての知識が必要となります.ですが「人体の構造についてどこまで知っていれば良いのか」となると,その答えは簡単ではありません.言葉で言えば「必要となった時に使える知識」ということになりますが,実際の医療現場では「何が必要になるかわからない」からです.
 ここに出てくるのが,よく叫ばれている「生涯学習」です.医療従事者という「プロフェッショナル」には「10分後,1時間後,明日,そしていつか必要になるかもしれない知識」を学びつづける姿勢(生涯学習)が求められます.そして,この「生涯学習」は卒業後に始まるのではなく,今この時点で始まっています.
 本書を手にとられた方は,今から「生涯学習」を始めてください.本書には,皆さんが知識や知恵をさらに積み重ねて行けるよう,ベースとなるイメージを盛り込んだつもりです.皆さんが得た知識や知恵を本書の余白に書き込み,皆さん自身がオリジナルの教科書を作成されることを願っております.
 最後になりましたが本書の執筆にあたって,多大なご協力を頂いた 株式会社 南山堂 編集部の齋藤代助氏に深く感謝申し上げます.

2015年 新春
松村讓兒

目次

第1章 人体の構造と機能

1 身体のしくみ
 A 身体の構成成分と大きさ
 B 人体を構成する化学物質
  1. 水
  2. 糖質(炭水化物)
  3. 脂質 
  4. タンパク質 
 C 植物機能と動物機能
  1. 植物機能:生命維持に関わる機能 
  2. 動物機能:身体運動と調節に関わる機能
  3. ホメオスタシス:体内環境調節機能 

2 人体の区分と表記
 A 人体区分と各部の名称
 B 位置・方向の表記

3 細胞について
 A 体細胞と生殖細胞
 B 細胞分裂:体細胞分裂と減数分裂
 C 細胞の構造
  1. 細胞膜について
  2. 細胞核 
  3. 細胞小器官と細胞骨格

4. 組織と器官
A 器官の分類:臓性部と体性部
B 器官をつくる組織
  1. 上皮組織
  2. 結合組織
  3. 筋組織
  4. 神経組織


第2章 脳・神経系

1 脳・神経系の構造と機能
 Ⅰ 細胞間の情報伝達:伝達物質
 Ⅱ 神経系の構成:神経組織
  A 神経細胞について
   1. 神経細胞(ニューロン)
   2. シナプス(神経の連絡部)
   3. 中枢神経系
   4. 中枢神経系の構造と機能
   5. 脳の区分
  B 脊髄について
   1. 脊髄灰白質と白質
   2. 中枢としての脊髄
   3. 髄膜:中枢神経を包む膜
  C 脳の血管系
   1. 脳に分布する動脈
   2. 皮質枝と穿通枝
   3. 血液脳関門
  D 伝導路について
   1. 上行性伝導路(求心路;感覚路)
   2. 下行性伝導路(遠心路;運動路)
   3. 伝導路と脳血管障害
  E 末梢神経系について
   1. 脳神経
   2. 脊髄神経
   3. 自律神経系


第3章 循環器系

1 循環器系の概略
  A 心血管系について
  B 体循環と肺循環

2 心臓の構造と機能
  A 心臓の外観と構造
   1. 心臓の位置と外観
   2. 心臓を栄養する血管
   3. 心臓の構造
  B 心臓の生理と機能
   1. 刺激(興奮)伝導系
   2. 心臓の神経支配
   3. 心臓の感覚
   4. 心臓のポンプ作用
   5. 心臓のホルモン

3 血管系の構造と機能
  A 血管の構造と機能
   1. 動脈の構造と機能
   2. 静脈の構造と機能
  B 血液循環の生理
   1. 肝門脈循環について
   2. 胎児循環
  C 薬の吸収・循環経路
   1. 経口投与
   2. 静脈注射
   3. 坐薬
   4. 舌下錠
  D 血圧について
   1. 血圧の変動要因
   2. 血圧の調節機構


第4章 呼吸器系

1 呼吸器系の概略
 A 呼吸とエネルギー産生
 B 外呼吸と内呼吸
 C 呼吸器系の役割

2 呼吸器系の区分と構造
 A 上気道の構造と機能
  1. 鼻腔
  2. 咽頭
  3. 喉頭
 B 下気道の構造と機能
  1. 気管と気管支
 C 肺の構造と機能
  1. 肺胞の構造
  2. 肺小葉と肺細葉
  3. 肺実質と肺間質

3 呼吸器系の機能
 A 呼吸運動の機序
  1. 外呼吸と呼吸運動
  2. 吸息と呼息
 B 肺機能の測定
  1. 肺気量:スパイログラム
 C 肺胞内ガス組成
  1. ガス交換のしくみ
  2. ガス分圧と拡散
  3. 血液ガス組成
 D 呼吸運動の調節
  1. 化学受容器反射
 E 呼吸器系の感染防御システム
  1. 反射による防御システム
  2. 異物排除システム
  3. 下気道の防御システム
  4. 肺胞の防御システム


第5章 消化器系

1 消化管の構造と機能
 A 消化管の基本構造
  1. 消化管の区分
  2. 消化管壁の構造
 B 消化管各部のしくみ
  1. 口腔 食道
  2. 胃
  3. 小腸
  4. 大腸
  5. 肛門管
 C 消化管の血管分布
  1. 動脈分布
  2. 静脈分布
 D 消化管の機能:消化管運動
  1. 咀嚼
  2. 嚥下
  3. 消化管運動と神経支配
 E 消化管の機能:栄養素の消化と吸収
  1. 糖質(炭水化物)の消化と吸収
  2. 脂質の消化と吸収
  3. タンパク質の消化と吸収
  4. 水,電解質,ビタミンの吸収
 F 消化管各部の生理機能
  1. 胃の機能
  2. 小腸の機能
  3. 大腸の機能と腸内細菌叢
  4. 排便のメカニズム

2 肝臓・胆嚢の構造と機能
 A 肝臓と胆嚢の構造
  1. 肝臓の形態
  2. 肝臓の血管
  3. 肝臓の内部構造
  4. 胆嚢
 B 肝臓と胆嚢の機能
  1. 肝臓と代謝
  2. 肝臓の解毒と排泄機能
  3. 肝臓がもつその他の機能
 C 胆汁の成分

3 膵臓の構造と機能
 A 膵臓の構造
 B 膵臓の機能
  1. 膵臓の外分泌機能
  2. 膵臓の内分泌機能


第6章 骨格・筋系

1 骨・関節・筋の概略
 A 骨の基本構造と機能
  1. 組織としての骨
  2. 骨格系を構成する骨
  3. 体幹の骨格(軸骨格)
  4. 体肢の骨格
  5. 骨の成分と成長のしくみ
  6. 骨とカルシウム代謝
  7. 骨形成と骨吸収
 B 関節の構造と機能
  1. 骨の連結様式
  2. 関節の構造
  3. 関節の機能と負荷
 C 筋系の構造と機能
  1. 筋の種類と特徴
  2. 骨格筋とは
 D 骨格筋の構造と機能
  1. 骨格筋の収縮を伝えるしくみ
  2. 骨格筋の収縮機構
  3. 筋収縮のエネルギー


第7章 泌尿器系

1 泌尿器系の構造
 A 組織液の調節
 B 泌尿器系の全体像
  1. 腎臓の位置と形
  2. 腎臓の内部構造
  3. 尿路(尿管・膀胱・尿道)

2 泌尿器系の機能
 A 腎臓の機能
  1. 尿生成機能
  2. 糸球体濾過
  3. 尿細管の機能:再吸収と分泌
  4. 尿量の調節


第8章 生殖器系
1 生殖器と生殖細胞
 A 男性生殖器の構造
  1. 精巣(睾丸)
  2. 精路:精子の通路
  3. 精嚢・前立腺・尿道球腺(カウパー腺)
 B 男性生殖器の機能
  1. 精液
  2. 精子
  3. 精巣の生理機能
 C 女性生殖器の構造
  1. 卵巣
  2. 卵管
  3. 子宮
  4. 腟
  5. 外陰部
  6. 乳房
 D 生殖器系の生理機能:性周期
  1. 卵胞の成熟と卵巣周期
  2. 子宮内膜の周期的変化(月経周期)
  3. 受精と妊娠
  4. 分娩(出産)と産褥


第9章 代謝・内分泌系

1 代謝:異化と同化
Ⅰ 三大栄養素
 A 糖質(炭水化物)
  1. 糖質の代謝
  2. 解糖系とTCA回路
 B 脂質(脂肪)
  1. 脂質の代謝
 C タンパク質
  1. タンパク質の代謝
 D 核酸の代謝

2 内分泌系
Ⅰ 内分泌とホルモン
 A 内分泌腺
 B ホルモンによる情報伝達のしくみ
  1. 標的細胞の受容体
  2. 全身ホルモンと局所ホルモン
 C 内分泌系のフィードバック機構
Ⅱ 内分泌腺の構造と機能
 A 視床下部
  1. 視床下部の構造
  2. 視床下部ホルモン
 B 下垂体
  1. 下垂体の構造
  2. 下垂体前葉ホルモン
  3. 下垂体後葉ホルモン
 C 甲状腺と副甲状腺
  1. 甲状腺・副甲状腺の構造
  2. 甲状腺・副甲状腺のホルモン
 D 副 腎
  1. 副腎皮質
  2. 副腎髄質
  3. 副腎皮質ホルモン
  4. 副腎髄質ホルモン
 E 膵島(ランゲルハンス島)
  1. 膵島ホルモン
Ⅲ 性腺の構造と性ホルモン
 A 精巣と男性ホルモン
  1. 精巣の構造
  2. 男性ホルモン(アンドロゲン)
 B 卵巣と女性ホルモン
  1. 卵巣の構造
  2. 女性ホルモン(エストロゲン,プロゲステロン)
Ⅳ その他の内分泌腺とホルモン
 A 消化管ホルモン
 B 腎臓ホルモン


第10章 血 液

1 体液
 A 体液とは
  1. 体液の区分:細胞内液と細胞外液
 B 体液環境の調節
  1. 体液量の調節
  2. 浸透圧の調節
  3. pH(水素イオン濃度)の調節

2 血液
 A 血液の構成成分
  1. 血液の液体成分 
  2. 血液の細胞成分 
  3. 血小板
 B 造血とそのしくみ
  1. 造血幹細胞
  2. 造血因子
 C 血液の働き
  1. 物質輸送
  2. 生体防御(免疫)
  3. 血液凝固と線溶
  4. 体温調節
 D 血液型
  1. ABO式血液型
  2. Rh式血液型
  3. ヒト白血球型抗原(主要組織適合抗原)


第11章 感覚器系

1 感 覚
Ⅰ 感覚とは
 A 感覚の分類
 B 感覚受容器の種類

2 皮膚の構造と機能
 A 皮膚の構造
  1. 表皮
  2. 真皮
  3. 皮下組織
 B 皮膚の感覚受容器
  1. 温度覚(温覚・冷覚)
  2. 触圧覚
  3. 痛覚
 C 皮膚の機能
  1. 身体保護作用
  2. 体温調節機能
  3. 感覚受容機能
  4. ビタミンD生成

3 眼の構造と機能
 A 眼球の構造
 B 眼球壁
  1. 線維膜(強膜・角膜)
  2. ブドウ膜(脈絡膜・毛様体・虹彩)
  3. 網膜
 C 眼球の付属器
  1. 眼瞼
  2. 涙腺と涙液
  3. 外眼筋と眼球運動
  4. 眼房と眼房水
 D 眼の機能
  1. 視野と視力
  2. 遠近調節
  3. 明暗順応

4 耳の構造と機能
 A 外耳と中耳
  1. 外耳
  2. 中耳
 B 内耳
  1. 蝸牛
  2. 半規管
  3. 前庭

5 鼻の構造と機能
 A 嗅覚器の構造
  1. 嗅覚の特性
  2. 鼻腔の生体防御機構

6 感覚器としての舌
 A 味覚器の構造


第12章 リンパ系と免疫

1 リンパ系の構造と機能
Ⅰ リンパの循環
  1. 組織液(間質液)とリンパ
  2. 生体防御機構としてのリンパ系
  3. リンパ管系
Ⅱ 末梢リンパ組織の構造
 A リンパ節
 B 粘膜付属リンパ組織
Ⅲ 胸腺と脾臓
 A 胸腺
 B 脾臓
  1. 赤脾髄
  2. 白脾髄

2 免疫
 A 非特異的防御機構(自然免疫)
  1. 生体表面のバリア
  2. 貪食細胞と細胞傷害性物質
 B 特異的防御機構(獲得免疫)
  1. 免疫担当細胞とその役割
  2. 液性免疫とそのしくみ
  3. 細胞性免疫とそのしくみ
  4. 能動免疫と受動免疫
  5. 自己免疫疾患

3 アレルギー
 A アレルギーの分類
  1. Ⅰ型アレルギー
  2. Ⅱ型アレルギー
  3. Ⅲ型アレルギー
  4. Ⅳ型アレルギー
  5. Ⅴ型アレルギー