書籍カテゴリー:生理学|教養課程の医学教科書

なるほどなっとく!解剖生理学

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なるほどなっとく!解剖生理学

第2版

  • 石川県立看護大学看護学部 教授 多久和 典子 著
  • 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 教授 多久和 陽 著

定価:3,456円(本体3,200円+税8%)

  • B5判 303頁
  • 2019年8月 発行
  • ISBN978-4-525-12162-4

概要

解剖学は暗記科目?そんなの大変.読んで楽しい!もっと知りたくなる解剖生理学!

病態,疾患をイメージしながら正常な構造(解剖学)と機能(生理学)を学べる教科書.本文中の重要な語句は太字,サイドにはより知識を深められる豆知識的な解説.また,200図を超える多彩なイラストを掲載している.治療や患者ケアを想像しながら楽しくサラサラ読める教科書!改訂2版では,図とサイド解説がさらに充実!

序文

 宇宙が生まれてから138億年,太陽系と地球が生まれてから46億年,そして地球に生命が生まれて40 億年と言われています.40億年前の地球の太古の海で最初の生命体が生まれ,そこから現在の地球に棲息するすべての生きものが進化したと考えられています.なぜなら,最も単純な生物といえる大腸菌から,植物やキノコ,もちろん私たちヒト(ホモ サピエンス)も含めたさまざまな動物といった複雑な生物まで,あらゆる生物の遺伝子が同一の化学構造(DNA)でできていて,しかも,遺伝暗号まで共通なのです.
 このような地球の生きものたちを誰がどのようにデザインしたのか?・・・ それは自然(nature)がデザインして創りだしたというほかありません.実に驚くべき所業です.私たちヒトの祖先である猿人がアフリカに誕生したのは,わずか数百万年前と考えられていることから,人体の基本構造のグランドデザインは,ほぼ40億年かけて練り上げられたといえましょう.それだけで「自分の体」に対して尊敬の念が湧いてきませんか?
 人間は皆,例外なく,たった1 個の受精卵としてこの地球に誕生し,細胞分裂による増殖とさまざまな種類の細胞への分化によって,約8週間で内臓の基本構造を作り上げます.そして,受精から38週(母体の最終月経初日から40週)かけて成熟した赤ちゃんとなって生まれてきます.この間に40億年の進化の歴史が凝縮されているといえるくらい,人体はその内部に,宇宙にも匹敵する広がりと奥深さ,面白さを秘めています.
 そんな人体の構造と機能はムズカシイ! ? そうあきらめる前に,まずは1ページ目から読んでみてください.どんなこともはじめの一歩から,正しい筋道で順を追って学んでいけば,必ず理解できるようになるものです.将来のヘルスプロフェッショナルを志す皆さんがこの本を読むことで「へえ?,そうなんだぁ!」と,人体の構造と機能の面白さや奥深さを味わっていただけたら,そして,こんなにうまくできている自分の体は自分が護る,というセルフケアの気持ちや,さらにその先を学ぶ向学心をもっていただけたら,これ以上の喜びはありません.なぜなら,そんな方々が解剖生理学の知識をフィジカルアセスメントや病態の理解,そして患者さんへの指導に生かし,これからの日本に健康長寿を実現する主役になるはずだからです.
 今夏,改訂第2 版の刊行に際しましても,たゆまぬ激励と的確なナビゲーションでゴールへと導いていただいた南山堂編集部の齋藤代助氏,また多大なご尽力をいただいた制作スタッフ一同の皆様,そして初版について激励のお言葉やコメントをお寄せいただいた恩師,畏友,学生・大学院生の皆さん,教科書としてご採用の先生方,多くの読者の皆様に心より厚く感謝申し上げます.

2019年8月 
筆者を代表して 多久和典子

目次

第1章 人体の基本構造
A.ヒトの体とは
 1. ヒトの体はどのようにしてできたか
 2. 人体の概要
 3. 身体の各部位
 4. 身体の基準面基準線
 5. 姿勢体位肢位
 6. 人体の階層的構造
B.細 胞
 1. 細胞の基本構造
 2. 転写と翻訳(タンパク合成)
 3. エネルギー代謝
 4. 細胞の増殖(DNA 複製と細胞分裂)
 5. 細胞の分化
 6. 細胞間の情報伝達
C.組 織
 1. 上皮組織
 2. 神経組織
 3. 筋組織
 4. 支持組織
D.体液とホメオスタシス
 1. 細胞内液と細胞外液
 2. ホメオスタシス
C
第2章 循環器系
A.循環器系の構成
 1. 心血管系(循環器)
 2. リンパ管系
B.肺循環と体循環
 1. 酸素の取り込み運搬
 2. 全身の血液分配
C.心 臓
 1. 心臓の概観
 2. 心臓のポンプとしての特性
 3. 心臓の壁を構成するもの
 4. 冠状動脈
 5. 心臓の内部構造
 6. 刺激伝導系
 7. 心電図
 8. 心臓のポンプ機能と大動脈の補助ポンプ機能
 9. 自律神経による心機能の調節
D.血 管
 1. 動脈静脈毛細血管の構造
 2. 血管の吻合と側副血行路
 3. 体循環の主要な動脈
 4. 体循環の主要な静脈
 5. 静脈還流を増やすしくみ
 6. 肺循環の動脈と静脈
E.血圧とその調節機構
 1. 血 圧
 2. 血圧を決める要因
 3. 脈波の伝播と脈拍
 4. 血圧測定のしくみ
 5. 血圧を調節する3つのしくみ
 6. 血管の調節にかかわるその他のしくみ
F.リンパ管系
G.微小循環

第3章 呼吸器系
A.呼吸とは何か?
 1. 外呼吸と内呼吸
 2. 呼吸における血液循環の役割
 3. 呼吸運動
B.呼吸器系の構成と呼吸のしくみ
C.呼吸器系の構造
 1. 気 道
 2. 肺
D.胸郭胸腔縦隔と胸膜胸膜腔
 1. 胸郭胸腔縦隔
 2. 胸膜胸膜腔
E.呼吸運動(換気運動)のしくみ
 1. 呼吸筋補助呼吸筋と呼吸運動
 2. 呼吸中枢
 3. 呼吸運動の化学調節
F.酸-塩基平衡
 1. 酸- 塩基平衡のしくみ
 2. 酸血症(アシデミア)とアシドーシス
 3. アルカリ血症(アルカレミア)とアルカローシス
G.呼吸機能の検査
 1. 換気機能の検査(スパイロメトリー)
 2. ガス交換能の検査(拡散能)
 3. 血液(動脈血)ガス分析
 4. 経皮的動脈血酸素飽和度の測定

第4章 消化器系
A.消化器系とは
B.消化管
 1. 消化管の概観
 2. 口 腔
 3. 咽 頭
 4. 嚥下運動
 5. 食 道
 6. 胃
 7. 小腸(十二指腸空腸回腸)
 8. 大 腸
 9. 直腸肛門と排便のしくみ
 10. 免疫器官としての消化管
 11. 消化管の血管支配と門脈
C.肝臓胆道膵臓
 1. 肝 臓
 2. 胆 道
 3. 膵 臓
D.腹腔後腹膜と腹膜腸間膜
 1. 腹腔と後腹膜
 2. 腹膜と腸間膜

第5章 腎尿路系(泌尿器系)
A.腎臓と尿路の構成と役割
 1. 腎尿路系の概観
 2. 腎臓の役割
B.腎臓の構造と機能
 1. 腎臓の肉眼的構造
 2. 腎臓の組織構造
 3. 腎臓での尿生成の概略
 4. 糸球体濾過
 5. 尿細管集合管における再吸収と分泌
 6. 腎尿細管による酸- 塩基平衡
 7. 傍糸球体装置
 8. 腎臓から分泌される生理活性物質
C.尿 路
 1. 尿路の構造と排尿のしくみ
 2. 尿 管
 3. 膀 胱
 4. 尿 道
 5. 蓄尿と排尿

第6章 血液免疫系
A.血液の概要
B.血 漿
 1. 無機イオン(電解質)
 2. 血漿タンパク
 3. その他の有機物
C.血液細胞
 1. 赤血球
 2. 白血球
 3. 血小板
D.止血と線溶
 1. 止血のしくみ
 2. 線維素溶解
E.造血のしくみ
F.免疫のしくみ
 1. 自然免疫
 2. 獲得免疫
 3. 免疫器官
G.血液型とヒト白血球抗原
 1. 血液型
 2. ヒト白血球抗原

第7章 自律神経と内分泌系
A.動物機能と植物機能
 1. 動物機能
 2. 植物機能
B.自律神経系
 1. 自律神経の作用
 2. 自律神経の構造
C.内分泌系 総論
 1. ホルモンとは?
 2. ホルモンの化学構造と受容体
 3. 内分泌腺内分泌細胞
 4. ホルモン分泌の調節
D.内分泌系 各論
 1. 視床下部と下垂体前葉後葉
 2. 甲状腺
 3. 副甲状腺
 4. 副 腎
 5. ランゲルハンス島
 6. 性 腺
 7. その他のホルモン産生細胞

第8章 神経系
A.神経系の概観
 1. 中枢神経
 2. 末梢神経
 3. 神経細胞と神経支持細胞
B.中枢神経
 1. 灰白質と白質
 2. 大 脳
 3. 間脳下垂体
 4. 脳 幹
 5. 小 脳
C.脳を養う血管
 1. 脳の動脈
 2. 脳の静脈
 3. 脳の血液循環の特徴
D.髄膜髄液と脳室系
 1. 髄膜とクモ膜下腔
 2. 脳室系と髄液
E.脳神経
F.脊髄と脊髄神経
 1. 脊 髄
 2. 脊髄神経
 3. 脊髄反射
 4. 髄膜と脊髄を養う血管
G.伝導路

第9章 感覚器系
A.感覚器 総論
 1. 感覚はどうやって感じられるのか?
 2. 感覚の分類
 3. 感覚の適刺激
 4. 感覚器の性質
 5. 感覚刺激が引き起こす反射反応
B.視覚器
 1. 視覚器の構成と役割
 2. 眼 球
 3. 網膜から視覚中枢までの脳内伝導路
 4. 眼球付属器
C.聴覚器と平衡感覚器
 1. 耳の構造
 2. 外 耳
 3. 中耳(鼓室)
 4. 内 耳
D.嗅覚器
 1. 嗅覚の役割と特徴
 2. 嗅覚器と嗅覚
E.味覚器
 1. 味覚の役割と特徴
 2. 味覚器のしくみ
 3. 味覚と舌の一般感覚の伝達
F.皮 膚
 1. 皮膚の役割
 2. 皮膚の基本構造
 3. 皮膚の付属器
 4. 感覚器としての皮膚

第10章 運動器系
A.運動器系の概要
B.骨 格
 1. 骨の特徴
 2. 軟骨の構造
 3. 骨の発生と成長
 4. 全身の骨格の概要
 5. 関節の構造と動き
C.骨格筋
 1. 骨格筋の概要
 2. 筋膜と腱腱鞘
 3. 骨格筋の特徴
D.体幹の骨格と筋
 1. 脊 柱
 2. 胸 郭
 3. 胸部の筋
 4. 横隔膜
 5. 腹壁の筋
 6. 背部の筋
E.上肢の骨格と筋
 1. 上肢帯の骨格
 2. 自由上肢の骨格と関節
 3. 上肢の筋
F.下肢の骨格と筋
 1. 下肢帯の骨格
 2. 自由下肢の骨格と関節
 3. 下肢の筋
G.頭部の骨格と頭頚部の筋
 1. 頭 蓋
 2. 頭頚部の筋

第11章 生殖器系
A.生殖とは
B.男性生殖器
 1. 精巣(睾丸)と陰嚢
 2. 精子と精液
 3. 精巣上体
 4. 精管射精管尿道
 5. 付属腺(精嚢前立腺尿道球腺)
 6. 陰 茎
 7. 勃起と射精
C.女性生殖器
 1. 卵 巣
 2. 卵管子宮腟
 3. 外陰部と会陰
 4. 卵巣周期と子宮周期
 5. 妊娠に伴う子宮の変化
D.乳 腺
E.受精と発生
 1. 染色体と減数分裂
 2. 受精と着床
 3. 初期発生
 4. 胎 盤
 5. 妊娠母体の特徴と変化
 6. 分 娩
 7. 授 乳
 8. 胎児の血液循環と出生後の変化