カテゴリー: 分子生物学
ZEROからの生命科学
改訂4版
立教大学 教授 木下 勉 著
慶應義塾女子高等学校 教諭 小林秀明 著
明治大学 教授 浅賀宏昭 著
定価
2,640円(本体 2,400円 +税10%)
- B5判 180頁
- 2015年3月 発行
- ISBN 978-4-525-13414-3
本書は大学教養レベルの生命科学をコンパクトにまとめ,わかりやすく解説している.高校生物と生化学の橋渡し的テキストとしても最適である.生命科学は近年,目覚ましい進歩を果たしているが,本書では重要なトピックスも取り上げている.「生命科学」の授業用の教科書・参考書としてもお勧めする.
- 序文
- 目次
序文
2004 年の初版発行から 10 年余り経ちましたが,幸いにも,これまで多くの大学・専門学校などで教科書や参考書として継続して使っていただきました.これは本書の基本的なコンセプトが受け容れられたエビデンスの一つと考えております.そこで,この度,時代の移り変わりに合わせて内容を改め,改訂 4 版を出すことになりました.
ところで,前の改訂からこの約 5 年の間にも,生命科学に関連した多くの出来事がありました.例えば,京都大学の山中伸弥教授が人工多能性幹(iPS)細胞を作製した業績でノーベル医学生理学賞を 2012 年に受賞(体細胞クローンカエルを作製したジョン・ガードン博士と共同受賞)したことは記憶に新しいはずです.そして,そのわずか 2 年後の 2014 年には,理化学研究所のグループが中心となって,iPS 細胞を分化させて作製した網膜細胞をシート状に加工し,加齢黄斑変性の患者に移植する治療に応用し,成功させました.山中教授がヒト iPS 細胞の作製を発表したのは 2007 年ですから,わずか 7 年で再生医療にまで応用されたことになります.再生医療関連法の整備も進みましたので,生命科学の研究成果の医療などへの応用は,これからより速く進むでしょう.
この改訂 4 版も,時代の速い変化に対応すべく,最新の研究成果も取り込んだ上で,これまでの編集コンセプトである「よりわかりやすく」「より新しく」「より正確に」を継承して仕上げました.類書の中では,最も充実した一冊であると自負しております.
なお,これまで本書には多くの先生方に,多数の有益かつ貴重なご意見を賜って参りました.何度も改訂して発行できますのも,そのおかげと申し上げても過言ではありません.この場を借りまして,先生方には,深謝の意を表しますと同時に,改訂 4 版につきましてもこれまで同様にご活用いただけますよう,著者一同,改めてお願い申し上げます.
2015 年 2 月 6 日
木下 勉・小林秀明・浅賀宏昭
ところで,前の改訂からこの約 5 年の間にも,生命科学に関連した多くの出来事がありました.例えば,京都大学の山中伸弥教授が人工多能性幹(iPS)細胞を作製した業績でノーベル医学生理学賞を 2012 年に受賞(体細胞クローンカエルを作製したジョン・ガードン博士と共同受賞)したことは記憶に新しいはずです.そして,そのわずか 2 年後の 2014 年には,理化学研究所のグループが中心となって,iPS 細胞を分化させて作製した網膜細胞をシート状に加工し,加齢黄斑変性の患者に移植する治療に応用し,成功させました.山中教授がヒト iPS 細胞の作製を発表したのは 2007 年ですから,わずか 7 年で再生医療にまで応用されたことになります.再生医療関連法の整備も進みましたので,生命科学の研究成果の医療などへの応用は,これからより速く進むでしょう.
この改訂 4 版も,時代の速い変化に対応すべく,最新の研究成果も取り込んだ上で,これまでの編集コンセプトである「よりわかりやすく」「より新しく」「より正確に」を継承して仕上げました.類書の中では,最も充実した一冊であると自負しております.
なお,これまで本書には多くの先生方に,多数の有益かつ貴重なご意見を賜って参りました.何度も改訂して発行できますのも,そのおかげと申し上げても過言ではありません.この場を借りまして,先生方には,深謝の意を表しますと同時に,改訂 4 版につきましてもこれまで同様にご活用いただけますよう,著者一同,改めてお願い申し上げます.
2015 年 2 月 6 日
木下 勉・小林秀明・浅賀宏昭
目次
Chapter1 生命とは
1.生命とは
2.他の生物や無生物環境との関わり合い
Chapter2 生命の最小機能単位・細胞
1.細胞の多様性
2.細胞の基本構造とその機能
3.細胞骨格と細胞運動
4.細胞周期とその調節
5.細胞死
Chapter3 多細胞動物の体
1.組織,器官,器官系
2.器官の働き
3.配偶子形成
4.受精と初期発生
5.細胞接着と細胞外マトリックス
6.器官形成の機構
7.幹細胞と器官の再生
8.細胞の老化と個体の老化
Chapter4 生命体を構成している物質
1.生体を作る元素
2.水と無機質
3.タンパク質
4.糖 質
5.脂 質
6.核 酸
Chapter5 体内における物質代謝
1.酵素反応とその阻害
2.酵素の分類
3.ビタミンと補酵素
4.栄養素の消化と吸収
5.糖質代謝
6.タンパク質の代謝
7.脂質代謝
8.核酸(ヌクレオチド)代謝
Chapter6 生命の設計図・遺伝子の複製と発現
1.メンデルによる遺伝の考え方
2.ヒトに関する遺伝現象
3.遺伝子の本体・DNA の構造
4.遺伝子の存在様式
5.DNA の複製
6.転 写
7.翻 訳
8.遺伝子発現の調節
9.DNA 損傷と修復機構
10.DNA の変異と発がんおよび進化
11.遺伝子工学
Chapter7 ホメオスタシス(恒常性)
1.ホメオスタシスの概念
2.内分泌系とホルモン
3.ホルモンによる調節
4.神経系による調節
5.内分泌系と神経系によるクロストーク
Chapter8 生体の防御・免疫系と疾患
1.非特異的な生体防御機構
2.免疫の概念とは
3.体液性免疫
4.細胞性免疫
5.免疫と疾患
6.臓器移植と免疫抑制剤
生命科学の泉「ヒトに関する数値」
Column
・生物の多様性
・C4 植物とCAM 植物
・プリオン病
・寿命がない不老不死の多細胞動物になりたいか?
・丸い種子としわの種子
・検定交雑
・肺炎レンサ球菌(旧 肺炎双球菌)
・RNA ワールド
Step Up
・iPS 細胞
・抗がん剤となり得るタンパク質キナーゼの阻害剤
・ラインウィーバー― バークの二重逆数プロット
・RNAi
・ゲノム編集
・エピジェネティクス
1.生命とは
2.他の生物や無生物環境との関わり合い
Chapter2 生命の最小機能単位・細胞
1.細胞の多様性
2.細胞の基本構造とその機能
3.細胞骨格と細胞運動
4.細胞周期とその調節
5.細胞死
Chapter3 多細胞動物の体
1.組織,器官,器官系
2.器官の働き
3.配偶子形成
4.受精と初期発生
5.細胞接着と細胞外マトリックス
6.器官形成の機構
7.幹細胞と器官の再生
8.細胞の老化と個体の老化
Chapter4 生命体を構成している物質
1.生体を作る元素
2.水と無機質
3.タンパク質
4.糖 質
5.脂 質
6.核 酸
Chapter5 体内における物質代謝
1.酵素反応とその阻害
2.酵素の分類
3.ビタミンと補酵素
4.栄養素の消化と吸収
5.糖質代謝
6.タンパク質の代謝
7.脂質代謝
8.核酸(ヌクレオチド)代謝
Chapter6 生命の設計図・遺伝子の複製と発現
1.メンデルによる遺伝の考え方
2.ヒトに関する遺伝現象
3.遺伝子の本体・DNA の構造
4.遺伝子の存在様式
5.DNA の複製
6.転 写
7.翻 訳
8.遺伝子発現の調節
9.DNA 損傷と修復機構
10.DNA の変異と発がんおよび進化
11.遺伝子工学
Chapter7 ホメオスタシス(恒常性)
1.ホメオスタシスの概念
2.内分泌系とホルモン
3.ホルモンによる調節
4.神経系による調節
5.内分泌系と神経系によるクロストーク
Chapter8 生体の防御・免疫系と疾患
1.非特異的な生体防御機構
2.免疫の概念とは
3.体液性免疫
4.細胞性免疫
5.免疫と疾患
6.臓器移植と免疫抑制剤
生命科学の泉「ヒトに関する数値」
Column
・生物の多様性
・C4 植物とCAM 植物
・プリオン病
・寿命がない不老不死の多細胞動物になりたいか?
・丸い種子としわの種子
・検定交雑
・肺炎レンサ球菌(旧 肺炎双球菌)
・RNA ワールド
Step Up
・iPS 細胞
・抗がん剤となり得るタンパク質キナーゼの阻害剤
・ラインウィーバー― バークの二重逆数プロット
・RNAi
・ゲノム編集
・エピジェネティクス