書籍カテゴリー:病原微生物学|基礎看護学

イラストでわかる微生物学超入門
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イラストでわかる微生物学超入門
病原微生物の感染のしくみ

1版

  • 産業医科大学 教授 齋藤光正 著

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

  • B5判 173頁
  • 2018年1月 発行
  • ISBN978-4-525-16341-9

概要

1テーマ2ページで完結!
フルカラーでとってもわかりやすい感染症の本

感染症から身を守るためには原因となる微生物を知ることが近道である.ヒトは感染症を恐れて抗菌薬や免疫力で対策する.しかし微生物も種をかけて生き残るのに必死なのである.微生物の生存策とヒトの防衛策のせめぎ合いが感染症を理解する鍵である.本書では2頁で1テーマを完結し,カラーのイラストを多用した微生物・感染症の入門書である.

序文

 O157感染症,SFTS,はしか,デング熱,エボラ出血熱,……感染症の話題がニュースで取り上げられない日はないくらい,私たちはさまざまな病原微生物たちの脅威にさらされています.
 「微生物や感染症のことを,わかりやすく,もっと知りたい!」
本書がそのような皆様方のご要望にお応えできるよう願いを込めて執筆しました.
 執筆にあたっては,次のような工夫をこらしました.
1)肉眼では見ることのできない微生物たちを「見える化」するために,見開きの右半分すべてを使ってイラストで解説しました.左ページの解説と右ページのイラストを交互にご覧頂くと,スラスラと読み進めていただけるものと思います.
2)微生物たちのことを親しみをもって学んでいただけるよう,第1章から第6章はできるだけ「微生物目線」で解説しました.また,「超」入門書であることにこだわり,それぞれの微生物に対する診断法や治療法は思い切って割愛し,唯一「ヒト目線」の第7章で少しふれるにとどめました.
3)無数にある微生物のなかでも,「有名」な微生物たち,近ごろ話題の「お騒がせ」な微生物たちを選りすぐって紹介しました.
 将来医療職を目指している医歯薬学生,看護学生,医療技術系学生の皆さんからも,「微生物学にどうしても興味がわかない」「種類が多すぎて何から勉強したらよいのかわからない」という声がよく聞かれます.そのような「微生物ぎらい」の皆さんが本書を通して,「微生物学っておもしろい」「好きになったかも」と感じるようになり,さらに教科書などでもっと勉強する意欲がわいてくるようでしたら,筆者としてこれほどの喜びはありません.幸運にもわが国には,「戸田新細菌学」(南山堂)をはじめ,母国語で書かれた優れた微生物学専門書が多数出版されています.本書でアウトラインをつかんだあとなら,難しいと感じていた文章も以前よりイメージとして頭に浮かびやすくなっているものと思います.ぜひ専門書を開いて,臨床に必要な専門知識(各微生物の病原因子,感染症診断法,治療,予防など)を習得されますよう切望致します.
 何分浅学の筆者が執筆したものであるため,不適切な箇所が多数あるのではと寒心に堪えません.読者,専門家の皆様方の忌憚なきご批判,ご叱正を賜り,今後改善させて頂くことができれば大変有り難く存じます.
 最後に,本書の企画をご提案下さり出版に至るまでの貴重な御助言と多大なるご尽力を賜りました南山堂編集部の庄司豊隆氏,ならびに稚拙な原図を美しく仕上げて下さったイラストレーターの方々に深謝申し上げます.

2017年12月
齋藤光正

目次

第1章 隣人,相利共生,しかしときには敵対関係
 1-1 微生物とはこのような生き物たち ─微生物の種類と生物界における位置づけ
 1-2 微生物はこうして人間に見つけられた ─微生物学のあゆみ
 1-3 微生物は今の地球環境をつくり出した功労者 ─微生物の地球上における歴史
 1-4 数百兆個の細菌たちと人間は一緒に仲よく暮らしている ─ヒトの常在細菌叢とその役割
 1-5 微生物だってこの地球上で生き延びたい! ─微生物がヒトに「感染」するとき
 1-6 人体侵入後に待ち構えている防衛軍 ─生体防御システムの概略

第2章 細菌の性質と生きるための戦略
 2-1 細菌にはいろいろな形がある ─細菌の形態と構造
 2-2 染色液で染め分けられる ─グラム染色,抗酸性染色,芽胞染色
 2-3 子孫の増やしかた ─細菌の分裂と増殖
 2-4 住む場所へのこだわりは強い ─細菌の増殖に適した環境
 2-5 欲しいものがあれば走って行って手に入れる ─細菌の走化性,物質の取り込み
 2-6 生きていくためのエネルギーは自らつくり出す ─細菌の代謝
 2-7 防衛軍からの護身術 ─生体防御システムからの細菌の回避手段
 2-8 住みづらいなかでの細菌流ストレス克服術 ─環境に対するストレス応答
 2-9 大勢で身を寄せ合って生き延びろ! ─バイオフィルムの形成
 2-10 まわりをみながら身の振り方を考える ─二成分制御系
 2-11 仲間とのコミュニケーションは大切 ─クオラムセンシング
 2-12 細菌が使用する秘密兵器 ─細菌毒素
 2-13 人間が手に入れた強力な武器 ─抗菌薬,ワクチン
 2-14 人間の抗菌薬攻撃に対する細菌の応戦 ─薬剤耐性のメカニズム
 2-15 守備が手薄になったところを攻め込む ─日和見感染症
 2-16 近ごろ話題の細菌たち(1) ─腸管出血性大腸菌O157
 2-17 近ごろ話題の細菌たち(2) ─「ピロリ菌」
 2-18 近ごろ話題の細菌たち(3) ─レジオネラ
 2-19 近ごろ話題の細菌たち(4) ─人食いバクテリア
 2-20 美味しそうな食事に潜む細菌たち(1) ─細菌性食中毒
 2-21 美味しそうな食事に潜む細菌たち(2) ─細菌性食中毒
 2-22 歴史の影に性病あり ─細菌による性感染症
 2-23 海外で出会うかもしれない細菌たち ─海外では今も流行している細菌感染症
 2-24 近ごろ出会わないけど,またいつだって… ─患者数が激減した細菌感染症
 2-25 結核は「昔の病気」ではありません ─わが国の結核事情
 2-26 細胞壁のない異端児 ─マイコプラズマ
 2-27 ツツガなく過ごさせるわけにはいきません ─リケッチア
 2-28 形を変えながら細胞のなかで子孫を増やす ─クラミジア

第3章 ウイルスの性質と生きるための戦略
 3-1 ウイルスとは何者か? ─ウイルスの発見,ウイルスの特徴
 3-2 形や大きさは千差万別 ─ウイルスの構造と大きさ
 3-3 どこからやってくるのか,どこから入るのか,どこへ行くのか
    ─ウイルスの感染経路と体内での広がり
 3-4 人間の細胞をちゃっかりと乗っ取る ─ウイルスの増殖過程
 3-5 人間にとってはなかなか手ごわい相手 ─ウイルス感染に対する生体防御
 3-6 隠れておいて登場の機会をうかがう ─潜伏感染,慢性感染,遅発性感染
 3-7 かぜはほとんどがウイルスたちの仕業だった ─かぜ症候群の原因ウイルス
 3-8 冬に嘔吐下痢症を起こすウイルスたち ─ロタウイルスとノロウイルス
 3-9 「ぶつぶつ」を起こすウイルスたち(1) ─はしか,風疹,水ぼうそうの原因ウイルス
 3-10 「ぶつぶつ」を起こすウイルスたち(2) ─ヘルペス,突発性発疹,りんご病の原因ウイルス
 3-11 毎年冬になると大暴れ ─インフルエンザウイルス
 3-12 エイズを引き起こすウイルス ─ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
 3-13 赤ちゃんに乗り移るウイルスたち ─母子感染の原因ウイルス
 3-14 蚊はウイルスの運び屋 ─蚊媒介性ウイルス感染症
 3-15 野山でダニとともにあなたを狙っている ─マダニ媒介性ウイルス感染症
 3-16 がんの原因の一部はウイルスだった ─がんウイルス
 3-17 世界を震撼させたウイルスたち(1) ─エボラウイルス
 3-18 世界を震撼させたウイルスたち(2) ─SARS, MARSコロナウイルス

第4章 真菌の性質と生きるための戦略
 4-1 病気を起こすけれどカビやキノコの仲間です ─真菌の形と構造
 4-2 真菌の増え方 ─有性胞子と無性胞子
 4-3 人間にもカビが生えることがあるのです ─真菌感染症の分類,侵入経路
 4-4 健康な人にもお邪魔します ─表在性真菌症,深部皮膚真菌症を起こす真菌たち
 4-5 カビが人間の抵抗力に勝つとき ─深在性真菌症を起こす真菌たち

第5章 原虫の性質と生きるための戦略
 5-1 原虫とは何者か? ─原虫の構造と種類
 5-2 TPOに応じて姿・形を変えていく ─原虫の生殖,増殖,生活環
 5-3 虫に刺されて侵入してくる原虫たち ─節足動物媒介性原虫感染
 5-4 口から飲み込まれて入ってくる原虫たち ─食物・水媒介性原虫感染
 5-5 油断ならない原虫たち ─経胎盤感染,水系感染,性感染

第6章 プリオンのなぞ
 6-1 プリオンは生き物ではないが感染する ─異常型プリオンの構造と性質
 6-2 プリオン病とはこんな病気 ─いわゆる狂牛病問題

第7章 感染症からヒトを守る戦略と微生物の利用
 7-1 微生物を避ける ─実情を知って備える
 7-2 微生物と戦う ─ヒトと微生物との飽くなき戦い
 7-3 微生物を操る ─微生物の活用と悪用
 7-4 未来に向かって ─ヒトと病原微生物との正しいおつきあい


 column 1 抗体(免疫グロブリン)の5つの種類
 column 2 母親からもらうプレゼント ―移行抗体と初乳
 column 3 細菌の遺伝学
 column 4 グラム染色は「迅速診断」の優れたツール
 column 5 鳥インフルエンザ
 column 6 肝炎ウイルス


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