書籍カテゴリー:免疫・アレルギー学

わかりやすい免疫疾患

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日本医師会生涯教育シリーズ
わかりやすい免疫疾患

1版

  • 東医歯大院膠原病・リウマチ内科学教授 宮坂 信之 監修・編集

定価:5,940円(本体5,500円+税8%)

  • B5判 367頁
  • 2005年7月 発行
  • ISBN978-4-525-16761-5
  • ISBN4-525-16761-0

概要

「免疫学は難しい」と感じている実地医家のために,免疫疾患が起こるメカニズムや病態,診断法と治療法をわかりやすいことばで解説.
I免疫の基礎,II免疫学的検査法,III免疫学的治療法,IV免疫と病態の4つの章からなり,どこの項目から読んでも理解でき,この一冊で免疫学全般を網羅できるように構成されている.
(日本医師会生涯教育シリーズとして刊行された同名の雑誌を単行本化したものである)

序文

「免疫系」とは病気(疫)からからだを守る防御システムである.ヒトはこの免疫系というシステムをもっているがために,これまで感染症との戦いを勝ち抜いてきた.しかし,その防御システムに変調をきたすと病気が起こりやすくなる.すなわち,免疫機能が低下すれば,日和見感染症や悪性腫瘍が発生する.逆に免疫機能が亢進すると,アレルギーや自己免疫疾患が起こりやすくなる.ちなみに,外来抗原に対する過剰な免疫応答の結果,生体にとって不利な反応が起こることをアレルギーと呼び,自己抗原に対する過剰な免疫応答が病態を起こす場合を自己免疫疾患と呼ぶ.
免疫というシステムにはマクロファージ,好中球,リンパ球など多様な「音楽奏者」が参加している.それらはお互いに連動し合ってオーケストラを構成することで壮大な交響曲を奏でることができる.オーケストラの指揮者役を果たすのはT細胞である.しかし,この免疫というシステムを理解するのは容易ではない.免疫学は日進月歩の進歩を遂げており,このシステムに参加する「音楽奏者」(担当細胞)の数は年々増加している.δTリンパ球しかり,NKT細胞しかりである.そして彼らが用いる「楽器」(分子)の数も新しいものが次々と発見され,レパートリーに加えられていく.それはCD分類をみても分かるし,次々とクローニングされるサイトカインやケモカインをみても分かるであろう.その昔に免疫学を習っただけの臨床医にはもはや最新の免疫学に追いついていくことができない.免疫学の本を読もうと努力しても,意味不明の言葉の洪水の中で溺れてしまい,読了できなかった経験を有する読者も少なくないであろう.
しかし,この本は違う.この本はまず第I章で「免疫の基礎」を分かりやすく解説している.「免疫系のしくみとその制御」,「アレルギーと免疫」,「感染と免疫」,「腫瘍と免疫」・・・と順を追って話が展開されていく.そして第II章では「免疫学的検査法」,第III章では「免疫学的治療法」について臨床実地に即した知見が書かれている.そして最後の第IV章は「免疫と病態」と題して,各臓器別に免疫が関与する疾患が概説されている.この本は最初から読むこともできるし,また必要な部分だけを抜き出して読むことも可能である.実地臨床に追われる読者はまず第IV章の必要な部分だけを読み,その上で分からないところが出てきたら第I章以下の必要な部分に戻ってもよい.
しかも,筆者はいずれも当代一流の基礎免疫学者と臨床医である.彼らが分かりやすい言葉で難解な免疫学と免疫疾患を解説している.この本を読むことで,難しいとされてきた免疫と免疫疾患の理解が少しでも進み,実地臨床の役に立つことがあれば望外の幸せである.

平成17年6月 監修・編集者を代表して 宮坂信之


目次

■カラー口絵
―眼でみる免疫疾患のしくみ―
  監修:住田孝之
免疫系のしくみ
  鍔田武志
感染と免疫
  松井孝介・審良静男
アレルギーのしくみ
  羅 智靖
気管支喘息発症のしくみ
  川口未央・足立 満
関節リウマチにおける関節組織破壊のしくみ
  竹内 勤

■序
  植松治雄
■刊行のことば
  橋本信也
■監修・編集のことば
  宮坂信之
■監修・編集・執筆者紹介
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■I 免疫の基礎
1. 免疫系のしくみとその制御
 1)免疫系の細胞とその分化,免疫系の組織
  烏山 一
 2)自然免疫
  三宅健介
 3)獲得免疫と抗原認識
  鍔田武志
 4)自己に対する免疫寛容
  野村尚史・坂口志文
 5)腸管粘膜免疫の特殊性
  野地智法・清野 宏
 6)サイトカインとケモカイン
  遠田悦子・松島綱治
 7)細胞間相互作用とCD分類
  宮坂昌之
2. アレルギーと免疫
 1)アレルギーとは
  羅 智靖
 2)マスト細胞とT細胞
  羅 智靖
3. 感染と免疫
 1)感染に対する生体防御機構
  植松 智・審良静男
 2)感染防御におけるサイトカインの役割
  吉開泰信
 3)感染からの回避機構
  佐藤 卓・樗木俊聡
 4)感染とワクチン
  松田重輝・本田武司
4. 腫瘍と免疫
 1)癌抗原;最近の知見
  和田 尚・中山睿一
 2)癌に対する免疫応答と免疫療法
  河上 裕
 3)悪性腫瘍に対するモノクローナル抗体療法
  細川 歩・佐々木 茂・石田禎夫・今井浩三
5. 移植と免疫
 1)臓器移植と主要組織適合抗原
  松吉秀武・千住 覚・門司幹男・西村泰治
 2)移植医療の実際と免疫抑制療法
  原田実根
6. 生殖と免疫
 1)生殖と免疫
  斎藤 滋
 2)マイクロキメリズムと疾患
  高桑好一
 3)不妊・流産と免疫
  山本樹生
7. 発達と免疫
  横田俊平
8. 加齢と免疫
  清水 淳
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■II 免疫学的検査法
1. 外来診療における自己抗体検査法とその意義
  三森経世
2. サイトカイン・サイトカインレセプター測定の臨床的意義
  茆原順一・小林良樹
3. 臨床医に必要な移植・輸血検査法
  尾形 隆・大戸 斉
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■III 免疫学的治療法
1. 副腎皮質ステロイド薬
  田中廣壽
2. 免疫抑制薬
  田中良哉
3. 抗リウマチ薬
  折口智樹・江口勝美
4. 生物学的製剤
  竹内 勤
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■IV 免疫と病態
1. アレルギー性疾患
 1)気管支喘息
  川口未央・足立 満
 2)アトピー性皮膚炎
  片山一朗
 3)アレルギー性結膜炎
  大野重昭・合田千穂
 4)アレルギー性鼻炎・花粉症
  岡本美孝
 5)薬物アレルギー
  山口正雄
2. 膠原病
 1)関節リウマチ
  宮坂信之
 2)全身性エリテマトーデス
  三森経世
 3)抗リン脂質抗体症候群
  渥美達也
 4)全身性強皮症
  竹原和彦
 5)多発性筋炎・皮膚筋炎
  平形道人
 6)血管炎症候群
  尾崎承一
 7)シェーグレン症候群
  住田孝之
 8)ベーチェット病
  金子史男
 9)RA以外の関節炎
  川口鎮司・鎌谷直之
3. 免疫不全症
 1)先天性免疫不全症候群
  野々山恵章
 2)後天性免疫不全症候群
  前田賢次・満屋裕明
4. 呼吸器疾患
 1)過敏性肺炎
  菅 守隆
 2)好酸球性肺炎
  大田 健
 3)アレルギー性気管支肺真菌症
  福島康次・福田 健
 4)サルコイドーシス
  毛利 孝・井上洋西
 5)Goodpasture症候群
  鈴木榮一
5. 循環器疾患
 1)心筋炎
  磯部光章
 2)川崎病
  百々秀心
 3)動脈硬化
  小出信澄・白井厚治
6. 消化器疾患
 1)潰瘍性大腸炎
  久保田大輔・金井隆典・渡辺 守
 2)クローン病
  久保田大輔・金井隆典・渡辺 守
 3)原発性胆汁性肝硬変
  恩地森一
 4)自己免疫性肝炎
  恩地森一
 5)原発性硬化性胆管炎
  恩地森一
 6)自己免疫性膵炎
  岡崎和一・高御堂祥一郎・池浦 司・松下光伸
 7)H.pylori感染と粘膜免疫
  杉山敏郎・浅香正博
 8)ウイルス性肝炎と免疫
  考藤達哉・林 紀夫
7. 神経疾患
 1)多発性硬化症
  糸山泰人
 2)重症筋無力症
  岩佐和夫・山田正仁
 3)ギラン・バレー症候群
  小鷹昌明・結城伸
 4)Paraneoplastic syndrome, HAM(HTLV-1関連脊髄症)
  菊池仁志・吉良潤一
8. 腎疾患
 1)糸球体腎炎
  伊藤 聡
 2)ANCA関連腎炎
  吉田雅治
 3)アミロイドーシス
  黒田 毅・中野正明・下条文武
 4)IgA腎症
  清水芳男・小山哲夫
 5)ネフローゼ症候群
  杉山 斉・槇野博史
 6)TINU症候群(間質性腎炎ぶどう膜炎症候群)
  富野康日己
9. 血液疾患
 1)自己免疫性溶血性貧血
  別所正美
 2)特発性血小板減少性紫斑病
  桑名正隆
 3)血栓性血小板減少性紫斑病
  鈴木美佐子・村田 満
10. 内分泌疾患
 1)1型糖尿病
  花房俊昭
 2)バセドウ病
  高須信行
 3)橋本病
  佐藤幹二
11. 皮膚・感覚器疾患
 1)天疱瘡
  高江雄二郎・西川武二
 2)結節性紅斑
  横関博雄
 3)ぶどう膜炎
  望月 學
 4)アレルギー性鼻副鼻腔炎
  増山敬祐
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■セルフ・アセスメント
■略語
■索引