書籍カテゴリー:衛生・公衆衛生学

母子保健マニュアル
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母子保健マニュアル

第7版

  • 北陸学院大学教授 高野 陽 編
  • 自治医科大学名誉教授 柳川 洋 編
  • 総合母子保健センター愛育病院院長 中林正雄 編
  • 国立成育医療研究センター部長 加藤忠明 編

定価:5,280円(本体4,800円+税10%)

  • A4判 222頁
  • 2010年11月 発行
  • ISBN978-4-525-18447-6

概要

医学部・看護・保健福祉系の学生の教科書として母子保健に関わる専門職種の実務にも最適な母子保健テキストの決定版!
改訂7版では,進歩著しい産科医療,不妊対策,周産期医療システムなど妊産婦保健の記述の充実を図った.また,学校・思春期保健対策,母子栄養,子どもの精神保健,事故防止と安全対策などの最新情報を盛り込んだ.

序文

 母子保健は,母性と子どもの健康の保持,増進を図ることを目的としている.第二次世界大戦後の約60年間に乳児や妊産婦の死亡率は,30~40分の1ほどに(1947年から2008年にかけて,出生千対乳児死亡率は76.7から2.6に,出産10万対妊産婦死亡率は160.1から3.5に)減少した.昔に比べれば,はるかに安心して出産・育児できる状況となっているが,それを実感できない人たちは多い.産科医や助産師の不足,小児科医不足,ほぼ常に満床となって新たな受け入れが難しい新生児集中治療管理室(NICU),児童相談所の虐待相談件数の激増(1990年度は1,101件,2008年度は42,664件)など課題は山積している.これら新たに発生しているさまざまな課題に対して,適切な施策の実行とともに,一人ひとりがその解決に向けて努力しなければならない.
 昔は,栄養不足に伴う発育不良により免疫力が低下した母子の感染症をいかに予防・治療するかに重点がおかれていた.しかし現在は,子どもを取り巻く環境が変化しつつあるなかで,その環境にあった子育てのあり方はどうあるべきか,また医療の進歩や衛生環境の整備により,長期生存が可能になった慢性疾患児の生活の質をどのように確保するかが,問題となっている.
 今後,子どものより良い発育・発達を促していくためには,環境をどのように整備していったらいいのか,医師,助産師,保健師,看護師,社会福祉士,保育士など健康に関わるいろいろな職種の人たちが協力することが必要である.そして,子どもの保護者は,それらの専門家の助言や助力を得ながら,地域社会や行政組織と一緒になって,子どものより良い方向を目指すことが望まれる.
 以上のようなことを踏まえて,今回,本書も新しい版を重ねることの必要性を認識し,新しい陣容のもとで,その作業を行い,ここに第7版の刊行に至った.母子保健の領域において,次々と行政サービスを含む新しい方向性が提示されている.それに追いつくことも本書の使命であり,母子保健の水準の向上に役立つことを祈念して重版の序にしたい.

2010年9月
編者一同

目次

1章 母子保健概論
 1-1.母子保健の意義
 1-2.母子保健施策の基本的方針
 1-3.「健やか親子21」の概略
 1-4.わが国の母子保健の歴史

2章 母子保健統計
 2-1.出生率に関する統計
 2-2.乳児死亡率,新生児死亡率に関する統計
 2-3.児童の死亡に関する統計
 2-4.死産に関する統計
 2-5.周産期死亡率に関する統計
 2-6.妊産婦死亡率に関する統計
 2-7.人工妊娠中絶に関する統計
 2-8.少子高齢化の傾向
 2-9.疫学調査

3章 母子保健事業・児童福祉事業
 3-1.母子保健事業
  3-1-1.母子保健法の概要
  3-1-2.母子保健対策事業
  3-1-3.母子保健事業
  3-1-4.母子医療対策
  3-1-5.母子の療養援護
  3-1-6.母子保健の施設
  3-1-7.母子保健の人材
 3-2.児童福祉事業
  3-2-1.児童福祉の法制
  3-2-2.児童福祉の実施機関
  3-2-3.要保護児童施策
  3-2-4.保育施策
  3-2-5.健全育成施策
  3-2-6.母子・寡婦福祉施策
  3-2-7.児童福祉と人材

4章 家族計画
 4-1.家族計画の定義と関連概念の意義
 4-2.避妊法の理想条件
 4-3.家族計画指導の進め方
 4-4.おもな避妊法とその特徴
 4-5.低用量経口避妊薬とその指導
 4-6.母体保護法

5章 女性のライフサイクルと保健
 5-1.生涯を通じた女性の健康づくり対策
 5-2.不妊対策
  5-2-1.不妊の現状
  5-2-2.不妊症の原因
  5-2-3.不妊症の検査・診断・治療
  5-2-4.不妊相談と治療支援
  5-2-5.不妊の予防対策
 5-3.妊産婦保健
  5-3-1.妊娠各期の健康診査の意義と要点
  5-3-2.里帰り分娩とその指導
  5-3-3.妊娠各期の健康診査・保健指導
  5-3-4.妊産婦の生活と健康増進
  5-3-5.母乳哺育指導
  5-3-6.妊産婦・産褥期の精神保健
  5-3-7.妊娠中の胎児異常
  5-3-8.異常妊娠
  5-3-9.妊娠糖尿病
  5-3-10.妊娠高血圧症候群
  5-3-11.異常分娩とその管理
  5-3-12.合併症妊婦
  5-3-13.無痛分娩
  5-3-14.周産期医療システム
  5-3-15.母体搬送,新生児搬送
  5-3-16.オープン・セミオープンシステム
  5-3-17.院内助産システム
 5-4.更年期の女性と健康
  5-4-1.更年期の定義と更年期保健の意義
  5-4-2.更年期によく起こる症状とその特徴
  5-4-3.更年期医療の実際と更年期ヘルスケア
 5-5.女性の心の健康づくり
  5-5-1.ライフサイクルとセクシュアリティ
  5-5-2.女性のライフサイクル

6章 胎児・新生児期の保健
 6-1.在胎期間別出生時身体発育標準値と成育限界
 6-2.おもな胎児異常とその診断・対策
 6-3.新生児の保健
 6-4.新生児のチェックポイント
 6-5.おもな新生児の異常とその管理
 6-6.低出生体重児の管理
 6-7.新生児に関する地域保健活動
 6-8.わが国の周産期医療対策

7章 乳幼児期の保健
 7-1.乳幼児の特性と保健
 7-2.乳幼児の発育・発達と評価
 7-3.おもな発達などの検査
 7-4.乳幼児のおもな健康診査
  7-4-1.乳幼児の健康診査の概要
  7-4-2.乳幼児の健康診査のねらいと要点
  7-4-3.健康診査の事後の対応
 7-5.乳幼児の月齢別チェックポイント
  7-5-1.乳児の月齢別チェックポイント
  7-5-2.幼児の年齢別チェックポイント
  7-5-3.乳幼児の月齢別保健指導の要点
 7-6.乳幼児に多くみられる症状・状態とその予防・生活指導
 7-7.集団生活と保健活動
  7-7-1.保育所
  7-7-2.幼稚園
  7-7-3.認定こども園

8章 学校保健
 8-1.学校保健の意義と制度
 8-2.学校保健管理
  8-2-1.健康診断
  8-2-2.学校において予防すべき感染症および出席停止の期間
 8-3.学校における保健管理の学校環境衛生
  8-3-1.学校環境衛生の法的根拠
  8-3-2.学校環境衛生基準
 8-4.学校における保健教育(健康教育)
  8-4-1.健康教育の目標・構造・特質
  8-4-2.学習指導要領と保健学習
 8-5.学校保健と組織活動
  8-5-1.学校保健委員会
  8-5-2.学校保健計画
  8-5-3.学校保健関係職員

9章 思春期の保健
 9-1.思春期の定義
 9-2.思春期の体の変化
 9-3.思春期発来の異常
 9-4.思春期の心の変化
 9-5.思春期の子どもたちへの対応
 9-6.思春期の性の問題
 9-7.思春期の問題

10章 性教育
 10-1.性教育の意義とその基本
 10-2.各養育期における性教育の実際
 10-3.外国(イギリス)における性教育の内容
 10-4.性の問題とその対応
  10-4-1.青少年の性情報と性行動
  10-4-2.性感染症対策

11章 子どもの精神保健
 11-1.乳幼児期の精神保健
  11-1-1.親は心配しやすいが,普通は異常でない乳幼児のくせや行動
  11-1-2.幼児の気になるくせ
  11-1-3.夜泣き防止の注意点
  11-1-4.夜尿の注意点
  11-1-5.幼児の普段の動き
  11-1-6.年齢ごとのしつけ・教育の方針例
 11-2.学童期・思春期の精神保健
  11-2-1.不登校
  11-2-2.いじめ
  11-2-3.児童生徒の自殺
  11-2-4.学校教育におけるメンタルヘルス
 11-3.家族関係と子どもの精神保健
  11-3-1.家庭環境と育児の状況
  11-3-2.育児不安
  11-3-3.育児をめぐる問題への対応ポイント
 11-4.虐待対策
  11-4-1.児童虐待防止法の目的等
  11-4-2.子ども(児童)虐待の定義
  11-4-3.虐待を疑わせる徴候
  11-4-4.虐待への対応

12章 母子栄養
 12-1.日本人の食事摂取基準2010年版
 12-2.妊娠による母体の変化と胎児の成長に伴う食生活の留意点
 12-3.妊娠期の栄養・食生活指導
  12-3-1.妊娠期・授乳期に気をつけて摂取したい栄養素
 12-4.妊娠期にみられるおもなトラブルと食生活の留意点
 12-5.母乳分泌と授乳期の食事,母乳育児支援
 12-6.妊娠期・授乳期における嗜好品の影響
 12-7.乳汁栄養
  12-7-1.母乳栄養
  12-7-2.人工栄養
 12-8.離乳の意義とその実践
 12-9.幼児期の栄養・食生活
 12-10.幼児期の間食
 12-11.小児期の施設での食生活
  12-11-1.おもな児童福祉施設の給食
  12-11-2.保育所の給食
 12-12.学童期・思春期の栄養・食生活
  12-12-1.学童期・思春期の食生活の特徴
  12-12-2.学童期・思春期の栄養障害
 12-13.学校給食
 12-14.食物アレルギー
  12-14-1.アレルゲン別の具体的解説と表示義務
 12-15.食生活に注意が必要なおもな小児期の症状
 12-16.食生活に注意が必要なおもな小児期の疾病
 12-17.食生活に注意が必要なおもな障がい児
 12-18.食育

13章 母子歯科保健
 13-1.妊婦・胎児の口腔疾患と口腔管理
 13-2.口腔機能の発達
 13-3.歯の発育・萌出とその異常
  13-3-1.歯の発育と発育段階の異常
  13-3-2.歯の萌出と異常
 13-4.小児期のう蝕-疫学と原因
 13-5.小児期のう蝕-健康診査と予防
  13-5-1.乳幼児のう蝕健康診査
  13-5-2.乳幼児のう蝕健康診査
  13-5-3.乳幼児のう蝕健康診査
  13-5-4.う蝕予防法
 13-6.小児期の歯周疾患
 13-7.口腔軟組織の疾患と異常
 13-8.小児期の歯の外傷
 13-9.歯列・咬合の異常
 13-10.学校歯科保健
 13-11.障がい児の口腔保健
  13-11-1.口腔保健上の問題点
  13-11-2.障害の種類と口腔保健上の特徴

14章 予防接種
 14-1.予防接種法
 14-2.ワクチンの種類
 14-3.日本の定期/任意予防接種スケジュール
 14-4.現行の予防接種
 14-5.予防接種の副反応および接種前後の注意
 14-6.予防接種予診票
  14-6-1.予防接種予診票(乳幼児・小学生対象)
  14-6-2.インフルエンザ予防接種予診票
 14-7.予防接種を行ってはならない者
 14-8.海外渡航時の予防接種

15章 事故防止と安全教育
 15-1.事故の概念と定義
 15-2.事故の原因分析
  15-2-1.潜在危険の例
  15-2-2.子どもの身体発育上の問題
  15-2-3.子どもが危険を認知する能力は,発達段階によって異なる問題
 15-3.安全と安心
 15-4.日本の事故の現状
  15-4-1.事故による死亡の状況
  15-4-2.けがや事故で医者にかかった経験の有無
  15-4-3.乳幼児の事故と傷病
 15-5.安全管理と安全教育
 15-6.乳幼児の月齢・年齢別にみる起こりやすい事故とその予防のポイント
 15-7.保育所保育指針における安全と事故防止対策
 15-8.幼稚園教育要領における安全と事故防止対策
 15-9.小・中学校の学習指導要領における安全と事故防止対策
 15-10.溺水事故防止に関する提言
 15-11.交通安全に関する提言
  15-11-1.小児期の交通事故の特徴
  15-11-2.車による事故防止対策
 15-12.やけど防止に関する提言
 15-13.チャイルドシートの正しい着用率アップのために
 15-14.トリアージ,自動体外式除細動器を含む医療安全

16章 障害のある子ども
 16-1.発達障害の概念
  16-1-1.法律上での定義
  16-1-2.医療分野で使われてきた概念
 16-2.自閉症,アスペルガー症候群
 16-3.注意欠陥多動性障害,学習障害
 16-4.言語発達遅滞
 16-5.障害児への支援・施策
 16-6.障害児の福祉施設
 16-7.日本の障害児の教育

17章 小児期の疾病異常と対策
 17-1.日常しばしばみられる急性の病気
 17-2.先天異常の成因
  17-2-1.おもな外表奇形
  17-2-2.奇形症候群の検索に有用なコンピュータを用いた奇形症候群診断支援システム
  17-2-3.おもな染色体異常
  17-2-4.おもな染色体異常の発生頻度・症状
  17-2-5.おもな先天代謝異常症
  17-2-6.先天代謝異常症の特殊検査
  17-2-7.おもな先天代謝異常症の治療
  17-2-8.遺伝カウンセリング
 17-3.新生児マススクリーニング
  17-3-1.一般的な新生児マススクリーニング
  17-3-2.新しい新生児マススクリーニング
  17-3-3.新生児聴覚スクリーニング
 17-4.おもな悪性新生物
 17-5.おもな腎疾患
 17-6.おもなアレルギー疾患
 17-7.おもな心疾患
 17-8.おもな内分泌疾患
 17-9.糖尿病
 17-10.若年性関節リウマチ
 17-11.おもな血液疾患
 17-12.おもな神経疾患
 17-13.慢性消化器疾患
 17-14.小児期の生活習慣病
 17-15.学校生活管理指導表
  17-15-1.学校生活管理指導表(小学生用)
  17-15-2.学校生活管理指導表(中学・高校生用)
 17-6.小児慢性特定疾患治療研究事業
 17-7.キャリーオーバーの現状と望まれる対策
 17-18.特別支援教育