書籍カテゴリー:衛生・公衆衛生学

産業保健マニュアル
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産業保健マニュアル

第7版

  • 産業医科大学教授 森 晃爾 総編集

定価:7,344円(本体6,800円+税8%)

  • A4判 431頁
  • 2017年5月 発行
  • ISBN978-4-525-18457-5

概要

従業員の健康は,会社の健康!産業保健業務に欠かせない一冊!

新制度の「ストレスチェック制度」を始め,「労働時間管理」など新項目を追加.化学物質のリスクアセスメントや特殊健康診断など改正された内容も最新の情報にアップデートしている.誌面はコンパクト,内容は網羅的に掲載し,産業医・産業看護師・産業保健師だけでなく,企業の人事部などでも資料としても役立つ一冊.

序文

 私が,故和田攻先生から引き継いで総編集の作業を担当した改訂第6版の出版から4年が経過し,このたび第7版に改訂することになりました.本書は1987年に初版が出版されて以来,「常に新鮮さ,簡捷性,実用性,網羅性を求めて」改訂が繰り返されてきました.第6版の編集にあたっては,その特長を継承するとともに,第5版の10章の構成から,全18章164項目に大幅に拡大し,またこれからの産業保健の発展を担う多くの専門家が執筆者として加っていただきました.その際,年とともに課題が拡大し変化する産業保健分野で,エビデンスにも,法令にも,そして実務にも,すべてにわたって通じることは,ほとんど不可能なことと感じたこともあり,章ごとに当該分野を専門とする方々に編集担当をお願いして,詳細な項目立てと執筆者の人選や依頼を行っていただきました.第6版の記載の多くが現時点でもそのまま適用できることから,第7版の改訂は必要最小限として,編集方針や作業も同じ方式で編集を進めました.とはいえ,2013年に行われた労働安全衛生法の改正で,「化学物質のリスクアセスメント」が見直され,「ストレスチェック制度」が導入されました.そのほか,政府の動きとして「健康経営」や「働き方改革」など,産業保健と関連する施策が幅広く推進されています.そこで,これらの内容を確実に収載して,新鮮さや網羅性を維持する努力をいたしました.
 産業保健は,社会や職場に存在するニーズに対して医学・保健学分野の知識や技術を応用する実践活動です.したがって,その内容は社会の変化,企業やそこで働く労働者の変化,そして科学の進歩によってそのあり方が変化するため,産業保健は常に変化に対応しなければなりません.本書は,そのような産業保健に携わる,産業医,産業看護職,衛生管理者,労務・人事担当者,産業保健分野の教育・研修者など,すべての関係者の皆さんにお役立ていただくことを願っています.
 最後に,第6版から編集の役割を与えていただいた故和田攻先生を偲ぶとともに,本書の趣旨を理解いただき章編集や執筆の労をお取りいただいた多くの先生方,編集いただいた南山堂の皆さんに厚く御礼を申し上げます.

2017年4月
森 晃爾  

目次

第1章 産業保健の目的と活動内容
1.産業保健の目的
2.産業保健の対象となる課題
3.産業保健の重点課題の変遷
4.産業保健の実践
5.産業保健の展開・発展


第2章 労働衛生管理体制, 外部資源
1.労働衛生管理体制,産業保健組織,衛生委員会
2.衛生管理者,産業医,産業保健スタッフ
3.外部資源
4.労働衛生サービスの精度管理,第三者評価制度


第3章 企業の基本
1.企業および企業組織, 企業に必要な機能
2.企業の社会的責任
3.経営管理の基本的要素
4.経営戦略・マーケティング


第4章 産業保健に関連する法令
1.産業保健の主な法令
2.労働安全衛生法
3.有機溶剤中毒予防規則などの特別則
4.作業環境測定法
5.じん肺法
6.労働衛生関連の主要指針・通達
7.労働基準法・労働契約法
8.労働者災害補償保険法
9.業務上疾病の範囲と認定基準
10.障害等級
11.労働者派遣法
12.男女雇用機会均等法


第5章 労働衛生活動の基本情報
1.労働安全衛生マネジメントシステム
2.産業保健の倫理
3.職域において倫理的に配慮すべき健康情報とその対処方法
4.産業保健活動の評価
5.健康経営
6.健康会計
7.産業保健に関する統計資料
8.産業保健に関する裁判事例


第6章 産業保健活動に関連する機関
1.厚生労働省,都道府県労働局,労働基準監督署
2.中央労働災害防止協会
3.労働者健康安全機構
4.作業環境測定機関・日本作業環境測定協会
5.健康診断機関・全国労働衛生団体連合会
6.安全衛生技術試験協会
7.産業医学振興財団
8.日本医師会
9.日本職業・災害医学会
10.日本産業衛生学会
11.産業医科大学


第7章 総括管理的産業保健活動
1.職場巡視
2.リスクアセスメント,変更の管理,健康影響調査
3.参加型・自主対応型,アクションチェックリスト
4.危機管理
5.危機発生時の産業保健ニーズ
6.事故災害の原因分析


第8章 作業環境管理
1.作業環境管理の基本
2.作業環境測定
3.管理濃度,許容濃度,生物学的曝露指標
4.有害化学物質に対する作業環境管理のための工学的対策
5.職場の喫煙対策
6.快適な職場環境の形成


第9章 作業管理
1.作業管理の基本
2.産業疲労
3.夜勤・交代勤務
4.労働時間管理
5.個人用保護具
6.労働災害
7.人間工学的健康障害要因曝露量の評価法
8.作業管理における改善


第10章 健康管理
1.健康管理の基本
2.一般健康診断
3.事後措置
4.特定健康診査と特定保健指導
5.特殊健康診断
6.健康管理手帳
7.健康保持増進
8.有病者の就業配慮


第11章 労働衛生教育
1.労働衛生教育・健康教育
2.管理監督者教育


第12章 化学的健康障害要因とその対策
1.化学物質と生体障害
2.一酸化炭素
3.硫化水素
4.シアン化物
5.二酸化イオウ
6.二酸化窒素
7.フッ化水素
8.酸・アルカリ
9.鉛・アルキル鉛
10.水銀・アルキル水銀
11.マンガン
12.クロム
13.カドミウム
14.ベリリウム
15.ヒ素
16.バナジウム
17.ニッケルおよびニッケル化合物,ニッケルカルボニル
18.金属熱
19.その他の金属
20.有機溶剤
21.ベンゼン
22.インジウム
23.粉じん
24.石綿
25.ナノ粒子,ナノファイバー
26.酸素欠乏
27.塩ビモノマー
28.ニトログリコール
29.アクリルアミド
30.芳香族ニトロアミド化合物
31.PCB(ポリ塩化ビフェニル類)
32.臭化メチル,ヨウ化メチル
33.感作性物質
34.生殖毒性物質
35.発がん性物質
36.化学物質の表示制度(ラベル,SDS)
37.化学物質の自主管理


第13章 物理的健康障害要因とその対策
1.騒音
2.電離放射線
3.非電離放射線
4.レーザー
5.暑熱
6.寒冷
7.異常気圧
8.振動4
9.電磁場


第14章 生物的健康障害要因とその対策
1.生物因子と感染症
2.感染症対策の根拠法令
3.事業場における評価法
4.インフルエンザ
5.結核
6.HIV・エイズ
7.レジオネラ
8.海外勤務者の感染症対策
9.海外勤務者のワクチン


第15章 人間工学的健康障害要因とその対策
1.重量物の取扱い
2.作業動作・姿勢
3.繰り返し動作
4.作業速度・リズム
5.姿勢保持
6.一連続作業時間
7.VDT 作業(メンタルワークロード)


第16章 心理社会的健康障害要因とその対策
1.職場のメンタルヘルス対策—概要・枠組み
2.過重労働対策
3.労働者のストレス・メンタルヘルスの現況
4.労働安全衛生法と「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
5.ストレスチェック制度
6.メンタルヘルス対策の進捗に関するチェックポイント
7.ストレス・メンタルヘルスの評価法
8.職場環境などの改善
9.職場復帰支援
10.精神障害などの労災認定


第17章 業種別・作業別の産業保健
1.鉄鋼業
2.化学工業
3.造船業
4.繊維工業
5.軽電工業
6.重電工業
7.自動車製造業
8.耐火物製造業
9.建設業
10.溶接作業
11.メッキ作業
12.半導体など製造工程
13.坑内作業
14.印刷・同関連業
15.農業
16.鉄道業
17.電力産業
18.小売業
19.分散事業所
20.金融業
21.IT 産業
22.人材派遣会社
23.大学
24.医療機関
25.官公庁・官公署


第18章 労働者の特性・就業形態別の産業保健の進め方
1.高年齢労働者
2.女性労働者
3.非正規労働者