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カテゴリー: 衛生・公衆衛生学  |  感染症学

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新型インフルエンザパンデミックに日本はいかに立ち向かってきたか

1918スペインインフルエンザから現在までの歩み

1版

川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦 編
国際医療福祉大学 教授 和田耕治 編

定価

2,640(本体 2,400円 +税10%)


  • A5判  178頁
  • 2020年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-18551-0

目に見えない脅威と対峙する備えができていますか?

パンデミックが生じたその時,医療者は,行政は,社会は,それぞれどのような行動をとったのか.本書では,過去100年に生じた新型インフルエンザパンデミックをレビューした.さらに,現在も監視が続く鳥インフルエンザの状況や2009年以降の政策についても,最新事情が専門家により解説されている.パンデミックに備える上で必須の一冊.

  • 序文
  • 目次
序文
 2009年新型インフルエンザA(H1N1)発生から10年が経過したことを機に、内閣官房新型インフルエンザ等対策室が過去のパンデミックについてのふりかえりを15回にわたり内閣官房のホームページ上で連載してきました。そして、この度それを書籍化することになったのは、大変意義深いことと考えています。
 私は2006年4月から厚生労働省結核感染症課感染症対策企画調整官として新型インフルエンザ対策を担当し、「行動計画」や「ガイドライン」の策定、オセルタミビルやプレパンデミックワクチンの備蓄、訓練等発生前の準備に取り組んでまいりました。その後、2009年4月に新型インフルエンザA(H1N1)が発生し、検疫等の水際対策やサーベイランス、学校の休業等の公衆衛生対策、医療体制の確立、ワクチンの確保や接種体制の確立等さまざまな対策の立案・実施に中心になって関わりました。やりすぎ批判は数多く受けましたが、期間中の死亡者が米国は万の単位であったところ、日本は200人弱であったことからWHOからは高く日本の取り組みを評価していただきました。
 2015年7月にがん対策健康増進課長に異動になるまで結核感染症課に配属されていましたので長期間にわたり新型インフルエンザを担当することになりましたが、今ふりかえって深く感じるのは過去の経験やそれに関することを学習することがいかに重要かということです。担当していた期間はスペインインフルエンザ、アジアインフルエンザ、香港インフルエンザ等過去のパンデミックに関する書物や鳥インフルエンザに関する文献、論文を読み漁っており、得た知識に基づき、行動計画やガイドラインの策定・改定を行いましたし、パンデミックの最中もそうした知識や情報をベースに対策を考えていました。また、自分で得た知識を可能な限り国民の皆さんに共有すべく、厚生労働省の記者クラブの方々に伝達し、広く報道していただきました。
 この度の書籍化は,多くの方がスペインインフルエンザ以降のパンデミックについて情報を入手するいい機会となり、将来起こりうるパンデミックに対して備えを万全にするという意味でも画期的だと思います。多くの方にお読みいただき、新型インフルエンザに対する知識を深めていただければ幸いです。

正林督章
目次
第1章 2009年の新型インフルエンザ
 1.2009年新型インフルエンザ ―パンデミックの概要・国の対応―
 2.新型インフルエンザ(A/H1N1)に対する成田空港検疫所での対応
 3.2009年新型インフルエンザ ―「国内初!」の経緯と課題・教訓―
 4.2009年新型インフルエンザ流行の経験から学ぶこと
 5.インターネット社会における「情報開示」と「個人情報の保護」
   ―2009年関東圏初の新型インフルエンザ患者発生の体験を通して―
 6.2009年新型インフルエンザ ―「未知の感染症」をどのように報じたのか?―

第2章 過去の(そのほかの)新型インフルエンザ
 1.スペインインフルエンザ
 2.アジアインフルエンザ
 3.香港インフルエンザ

第3章 鳥インフルエンザのリスク
 1.鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス
 2.鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス

第4章 これからに備えて
 1.2009年のパンデミックから10年の歩み
 2.新型インフルエンザ等対策特別措置法のもとでの対策の進展
 3.新型インフルエンザ対策の現状
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