書籍カテゴリー:総合診療医学/プライマリ・ケア医学|医学・医療一般

日本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック
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日本プライマリ・ケア連合学会 基本研修ハンドブック

第2版

  • 日本プライマリ・ケア連合学会 編

定価:5,400円(本体5,000円+税8%)

  • B5判 458頁
  • 2017年5月 発行
  • ISBN978-4-525-20212-5

概要

家庭医・総合診療医を目指す研修医必携の学会公認テキスト!

日本プライマリ・ケア連合学会の編集による家庭医療専門医,総合診療専門医を目指す医師のための研修ハンドブック.資格認定のために避けては通れないポートフォリオの作り方のほか,プライマリ・ケアの基本概念を学ぶための道筋やヒントを示してくれる.学習者にはもちろん,指導医にとっても有用な参考資料となる一冊.

序文

まだ見ぬ航路をみつけよう

 2012年に本書の第1版が刊行されてから,まもなく5年になる.前版が世に出たのは,プライマリ・ケアに関連する3団体が合同し,1つの組織として船出した頃であった.新たな学会に参画したプライマリ・ケアにかかわる人たち,とくに「専門医を目指す若い医師の学習・指導のための書籍を」という声を受け,本書は生まれた.その後,多くの先生方に広くご活用いただき,このたび改訂第2版が刊行されることになった.改訂に当たっては,日本プライマリ・ケア連合学会の関係者の皆さま,執筆の先生方,何よりも第1版の読者の方々に厚く御礼を申し上げる次第である.
 今回,新たに4人の編集委員を加え,前版に寄せられた読者からの声を踏まえた改訂を行った.
 第2版の編集方針は,「基本研修ハンドブック」の枠組みを堅持したうえで,以下の3点とした.
1)初学者,とりわけ専攻医にとって,より実践的で有用なものを目指す.
2)専攻医とともに,指導医にとっても,役に立つものを目指す.
3) 新専門医制度を見据えつつも,当学会が目指すプライマリ・ケアの基本理念の記載を重視する.

 第1版の制作過程では,東日本大震災という大きな出来事を経験した.その後も,人々の悲しみ,苦しみは今なお続いている.加えて,少子高齢化やグローバル化をはじめとした社会構造の変化や価値観の多様化,情報・生命技術のさらなる進化は続き,われわれの暮らす世界の先行きはますます混沌としているようにみえる.
 しかし,このような時だからこそ,人間の心を,人間の力を強く信じたい.けっして独善に陥らず,仲間とともに,新天地を目指し, まだ見ぬ航路をみつけよう.夜の洋上で頭上の星々の瞬きを頼りに進んだ,いにしえの航海者たちのように.
 プライマリ・ケアにかかわるわれわれは,人々とともに働き,ともに悩み,ともに未来をつくってきた.その本質はこれまでも,これからもけっして変わることはない.
 明日の地域を,明日の日本を,そして明日の世界をつくるあなたの今後の活躍を,編集委員一同,心より願っている.

2017年4月
編者を代表して 松村真司

目次

研修を始めるにあたり
 家庭医療専門医・総合診療専門医を目指すとは

Ⅰ.ポートフォリオで学ぶ家庭医療・総合診療
1 なぜ,ポートフォリオなのか?
 2 ポートフォリオと家庭医療・総合診療研修
 3 ポートフォリオ作成のコツ ─学習者の立場から─
 4 ポートフォリオ作成指導のポイント
 5 ポートフォリオ作成指導をスムーズに行うための環境整備
 6 ポートフォリオ検討会運営のポイント

Ⅱ.基本研修リスト
A.人間中心のケア
 1 プライマリ・ケア,家庭医,総合診療医,総合医,病院総合医とは
 2 生物心理社会モデル
 3 患者中心の医療
 4 家族志向のケア
 5 患者-医師関係,医療の文脈性,価値に基づいた医療
 6 患者とのコミュニケーション,診察法,行動変容アプローチ
B.包括的統合アプローチ
 1 未分化で多様かつ複雑な健康問題への対応
 2 マイノリティー,社会的弱者に対するアプローチ
 3 児童虐待,DV,高齢者虐待,障害者虐待
 4 診断推論
 5 Evidence-based Medicine
 6 診療ガイドライン
 7 ヘルスプロモーションと疾病予防
 8 継続的な医療,ケア
C.連携重視のマネジメント
 1 多職種連携
 2 医療機関連携および医療・介護連携
 3 組織運営・マネジメント
 4 疾病分類,健康問題,ICPC
 5 臨床文書作成
D.地域志向アプローチ
 1 日本の保健・医療・福祉制度
 2 地域包括ケアと地域志向性プライマリ・ケア
 3 地域診断と地域との協働
E.公益に資する職業規範
 1 プライマリ・ケアにおける医療倫理
 2 プロフェッショナリズム
 3 自己学習/生涯教育,振り返り
 4 医療教育技法
 5 地域医療教育
 6 研究に関する能力
F.家庭医・総合診療医の扱う健康問題
 1 生活習慣病へのアプローチ
 2 タバコ・アルコール問題へのかかわり
 3 小児の診療
 4 思春期のケア
 5 高齢者のケア
 6 終末期のケア
 7 女性の健康問題
 8 男性の健康問題
 9 リハビリテーション
 10 メンタルヘルス
 11 診療所における救急医療
 12 往診・訪問診療
 13 漢方(鍼灸)
 14 産業医,産業保健
 15 学校保健
 16 リウマチ・筋骨格系
 17 皮膚の問題
 18 耳鼻咽喉科
 19 眼 科
 20 外科(一般外科)

Ⅲ.実例で学ぶポートフォリオ
 ポートフォリオ例①─「人間中心のケア」に関連する例
 ポートフォリオ例②─「包括的統合アプローチ」に関連する例
 ポートフォリオ例③─「連携重視のマネジメント」に関連する例
 ポートフォリオ例④─「地域志向アプローチ」,「公益に資する職業規範」に関連する例
 ポートフォリオ例⑤─「家庭医・総合診療医の扱う健康問題」に関連する例

Ⅳ.ポートフォリオに関連した教育理論
 1 家庭医療・総合診療の教育・学習と学習理論
 2 カリキュラム開発における学習と評価について
 3 アウトカム基盤型教育