書籍カテゴリー:総合診療医学/プライマリ・ケア医学|神経学/脳神経外科学

事例で解決! もう迷わない認知症診断
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事例で解決! もう迷わない認知症診断

1版

  • 八千代病院 神経内科部長/愛知県認知症疾患医療センター長 川畑信也 著

定価:4,104円(本体3,800円+税8%)

  • B5判 202頁
  • 2013年7月 発行
  • ISBN978-4-525-20251-4

概要

非専門医でも積極的に認知症にかかわるべきとされているが,認知症を敬遠する医師は多い.そんななか著者は,自分のスキルで無理なく診られる患者さん「だけ」診ればいいと提言する.その視点から,どこまで非専門医で対応可能かを見極める目安・コツを伝授する.事例を通して具体的に解説することで,実践的に理解できるようになっている.

序文

 認知症患者さんの急増に伴い,「認知症診療にかかりつけ医・非専門医の先生方も積極的に関わるべき」といわれていますが,実際にはそのようになっていない現状があるかと思います.なぜ,かかりつけ医・非専門医の先生方が認知症診療に踏み込むことに躊躇するのでしょうか.
 認知症を専門としない,あるいは関心がない先生方が「自分には認知症を診断する自信がない」,「本当に認知症と診断してよいのかどうか不安を感じる」,「診療に時間がかかるのであまり診たくない」,「診断後に困った症状が出てきたときの対応法がわからない」などの思いをもつことから,診療に参加できない,参加したくないと考えている場合も多いのではないかと推測しています.しかし著者は,かかりつけ医・非専門医の先生方がすべての認知症患者さんを診療する必要はない,ご自分の診療スキルで診ることができる患者さんだけを診療すればよいのではないか,と感じています.その視点から, “かかりつけ医・非専門医の先生方がご自分の外来でご自分のスキルの範囲で診断や治療ができる患者さん”と“認知症専門医療機関や認知症専門医に紹介する,あるいは診療を任せる患者さん”を区分けする目安があるならば,より認知症診療に参加しやすいのではないかと考えています.
 本書は,先生方ご自身の外来診療の段階で診断ができる事例と,認知症専門医療機関に紹介したほうがよい事例をどう見分けるかの目安・コツについて,事例を通じて解説したものです.かかりつけ医・非専門医の先生方にとって,系統的な記述よりも事例を介した具体的な解説のほうがより理解していただきやすいのではないかと考え,このような構成といたしました.
 本書を通じて先生方の認知症診療スキルが少しでもアップし,現場の認知症診療に携わっていただけるようになれば,それは著者の望外の喜びであります.2010年に上梓いたしました『かかりつけ医・非専門医のための認知症診療メソッド』(南山堂)とともに,本書が先生方の日常臨床でお役に立てることを切に希望しております.

2013 年4 月20 日(誕生日を迎えて)
川畑信也

目次

目 次

かかりつけ医・非専門医の段階で診断が可能な事例
 事例 1 年齢に伴う心配いらない物忘れ
 事例 2 軽度認知障害(MCI)①
 事例 3 認知症か年齢に伴う心配いらない物忘れかの鑑別困難事例①
 事例 4 認知症か年齢に伴う心配いらない物忘れかの鑑別困難事例②
 事例 5 病歴のみで診断が容易なアルツハイマー型認知症
 事例 6 高度進展後に受診してきたアルツハイマー型認知症
 事例 7 独居のアルツハイマー型認知症
 事例 8 アルツハイマー型認知症の可能性が高いが独居ゆえに確定診断ができない事例
 事例 9 行動障害(放尿)の目立つアルツハイマー型認知症
 事例 10 行動障害(無断外出,徘徊)の目立つアルツハイマー型認知症
 事例 11 精神症状(物盗られ妄想)が目立つアルツハイマー型認知症
 事例 12 性格か認知症かの判断ができない事例
 事例 13 病歴とHDS-R の成績に乖離のあるアルツハイマー型認知症
 事例 14 血管性認知症と診断される事例
 事例 15 レビー小体型認知症と診断される事例
 事例 16 治療可能な認知症① ビタミンB12 欠乏症
 事例 17 治療可能な認知症② 一過性全健忘
 事例 18 治療可能な認知症③ 薬剤性せん妄
 事例 19 治療可能な認知症④ 特発性正常圧水頭症
 事例 20 治療可能な認知症⑤ 慢性硬膜下血腫

認知症専門医療機関に紹介・診断された事例
 事例 21 軽度認知障害(MCI)②
 事例 22 診断に自信をもてず認知症専門医療機関に紹介しアルツハイマー型認知症と診断された事例
 事例 23 アルツハイマー型認知症か年齢に伴う心配いらない物忘れかの判断に苦慮し紹介された事例
 事例 24 病歴・問診とHDS-R の成績に乖離がみられるアルツハイマー型認知症
 事例 25 認知症専門医療機関で診断されたレビー小体型認知症
 事例 26 アルツハイマー型認知症かレビー小体型認知症かの判断困難事例
 事例 27 認知症専門医療機関で認知症を伴うパーキンソン病と診断された事例
 事例 28 認知症専門医療機関に紹介し診断が確定したアルツハイマー型認知症
 事例 29 うつからアルツハイマー型認知症に進展した事例
 事例 30 他院でアルツハイマー型認知症と診断されていたがうつであった事例
 事例 31 アルツハイマー型認知症とうつの鑑別が困難であった事例(軽度抑うつ)
 事例 32 認知症専門医療機関に紹介するが診断確定ができない事例①
 事例 33 認知症専門医療機関に紹介するが診断確定ができない事例②

附 録
 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
 時計描画テスト
 Mini-Mental State Examination(MMSE)
 Syndrom Kurztest(SKT)
 ADAS-J cog.