書籍カテゴリー:総合診療医学/プライマリ・ケア医学|神経学/脳神経外科学

事例で解決!もう迷わない抗認知症薬・向精神薬のつかいかた
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事例で解決!もう迷わない抗認知症薬・向精神薬のつかいかた

1版

  • 八千代病院 神経内科部長/愛知県認知症疾患医療センター長 川畑信也 著

定価:3,456円(本体3,200円+税8%)

  • B5判 151頁
  • 2014年4月 発行
  • ISBN978-4-525-20271-2

概要

抗認知症薬の使い分けで悩んでいませんか?向精神薬ってコワイと避けていませんか?
コツさえつかめば難しいことなんてありません.認知症のエキスパートである著者が,非専門医でも「無理なく」できるつかいかたを徹底的にわかりやすく伝授します.事例を通じて解説しているので,すんなり頭に入ります.本書で賢く薬を使いこなしましょう!

序文

 新規抗認知症薬3剤が実臨床で使用できるようになって3年が経過しました.この間,ドネペジル塩酸塩を含めて,「抗認知症薬をどう使用するか」,あるいは「どのように使い分けるか」について,多くの議論がなされてきました.読者の先生方も,抗認知症薬の使用について迷われることが多いかと思います.著者は,「コリンエステラーゼ阻害薬3剤間での薬効からみた使い分けはないこと」,「コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチン塩酸塩間では対象とする患者さんが異なる可能性のあること」をこの3年間主張してきています.
 また,認知症診療では,ある程度向精神薬が使えないと患者さんが示す行動障害・精神症状(周辺症状)への対応は困難であろうと考えています.しかし,かかりつけ医・非専門医の先生方が向精神薬を使いこなすには,それなりに使用スキルを身につけないとならないこともまた事実だと思います.
 本書は,認知症を専門とされないかかりつけ医・非専門医の先生方が抗認知症薬ならびに向精神薬を使用する際,「薬剤選択の目安は何か」,「処方の手順や注意点」,「効果をどう判定するか」などについて,事例を通じて解説したものです.著者がもの忘れ外来で5,000名以上の患者さんを診療してきたなかで,かかりつけ医・非専門医の先生方が実臨床で遭遇する機会が多い事例を選択し,わかりやすく,かつ実践的な記載を心がけながら「抗認知症薬・向精神薬のつかいかた」をまとめています.先生方がある患者さんを診療し薬物療法を考えるとき,該当する事例を読んで参考にしていただければ,きっと助けになると思います.
 本書は,認知症診療に従事してきた著者の経験から解説したものであり,明確なエビデンスに基づいて記述したものではありません.しかし,臨床医にとって最も重要なことは,患者さんを診療したときにどのように適切に治療していくかだと思います.本書に記載された内容を納得できるなら援用していただければよいですし,納得いかないときには別の薬剤使用を考えていただければよいと思います.
 前著『事例で解決! もう迷わない認知症診断』同様,本書が,認知症診療にかかわる先生方のお役に立つことができれば著者の望外の喜びであります.

2014年3月
川畑信也

目次

第Ⅰ章 抗認知症薬

 A 使い分けの基本を考える
 B コリンエステラーゼ阻害薬①─ドネペジル塩酸塩
 C コリンエステラーゼ阻害薬②─ガランタミン臭化水素酸塩
 D コリンエステラーゼ阻害薬③─リバスチグミン
 E コリンエステラーゼ阻害薬で易怒性や不穏が出現した場合の対応
 F メマンチン塩酸塩
 G コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチン塩酸塩の併用療法

 事例1 ドネペジル塩酸塩5 mg 服薬で4 年間認知症の悪化がみられない
    (83 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例2 ドネペジル塩酸塩10 mg 服薬で5 年間認知症の悪化がみられない
    (78 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例3 ドネペジル塩酸塩服薬開始時に易怒性が認められた
    (72 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例4 ドネペジル塩酸塩10 mg 服薬中に易怒性が出現,メマンチン塩酸塩で症状の安定化がみられた
    (74 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例5 ガランタミン臭化水素酸塩の臨床効果が1 年継続している
    (76 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例6 ガランタミン臭化水素酸塩による易怒性がメマンチン塩酸塩の追加併用で軽減した
    (78 歳, 男性,アルツハイマー型認知症)
 事例7 リバスチグミンの臨床効果が2 年以上継続している
    (86 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例8 皮膚症状のためリバスチグミンを18 mg まで増量できず, 13.5 mg で長期継続している
    (88 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例9 消化器系副作用のためリバスチグミン9 mg で長期継続している
    (87 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例10 リバスチグミンにより皮膚症状が出現するも休薬期間の設定で貼付を再開できた
    (84 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例11 ガランタミン臭化水素酸塩からリバスチグミンに変更し著明な改善をみた
    (72 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例12 ドネペジル塩酸塩10 mg 服薬中に易怒性が出現,メマンチン塩酸塩の併用が有効であった
    (84 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例13 ガランタミン臭化水素酸塩24 mg 服薬中に精神症状や行動障害が出現,メマンチン塩酸塩の併用が有効であった
    (68 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例14 易怒性にメマンチン塩酸塩が著効した
    (84 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例15 夜間に大声を出す,徘徊がみられる
    (85 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例16 易怒性がみられ介護に抵抗する
    (78 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例17 腎障害のためメマンチン塩酸塩10 mg で継続している
    (80 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例18 過鎮静のためメマンチン塩酸塩の服薬が困難である
    (82 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例19 ドネペジル塩酸塩10 mg 服薬中にみられる易怒性と攻撃性にメマンチン塩酸塩が有効であった
    (69 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例20 メマンチン塩酸塩から開始し,その後にリバスチグミンを追加・併用したところ易怒性が目立つ
    (81 歳,女性,アルツハイマー型認知症)


第Ⅱ章 抗精神病薬

 抗精神病薬処方の原則

 事例21 被害妄想,物盗られ妄想が活発で独居生活に支障をきたしている
    (70 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例22 物盗られ妄想,嫉妬妄想が前景となる
    (79 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例23 幻聴と妄想が活発である
    (90 歳,女性,病型判断困難)
 事例24 リスペリドンの少量使用で興奮や暴言,暴力行為が消失した
    (83 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例25 自宅や介護施設で興奮,暴力行為がみられる
    (80 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例26 介護施設で暴力行為がみられ利用を断られた
    (73 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例27 夜間の不眠とそれに伴う行動障害で家族が辟易している
    (86 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例28 夜間の不眠で家族が困っている
    (67 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例29 夜間の不眠と行動障害を示す
    (94 歳,男性,アルツハイマー型認知症)
 事例30 介護施設で迷惑行動を呈している
    (81 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例31 異食行動が頻繁で介護施設が困っている
    (81 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例32 周辺症状の緩和を行いたいが拒薬がみられる
    (88 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例33 介護スタッフの体を触る,抱きつくなどの行動障害がみられる
    (83 歳,男性,アルツハイマー型認知症)


第Ⅲ章 抗てんかん薬

 抗てんかん薬はどのような事例に使用したらよいか?

 事例34 易怒性が目立ち家族が辟易している
    (81 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例35 妻への暴力行為がみられる
    (75 歳,男性,アルツハイマー型認知症)


第Ⅳ章 抗うつ薬

 抗うつ薬はどのような事例に使用したらよいか?

 事例36 アルツハイマー型認知症の経過中に抑うつ状態を呈した
    (73 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例37 自宅で何もしない
    (60 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例38 不眠と夜間不穏を示す
    (84 歳,女性,アルツハイマー型認知症)
 事例39 夫の入院を契機に不安症状が出現した
    (80 歳,女性,アルツハイマー型認知症)


第Ⅴ章 レビー小体型認知症に対する薬物療法

 A ドネペジル塩酸塩使用のコツ
 B リバスチグミン使用のコツ
 C 抗パーキンソン病薬・向精神薬使用のコツ

 事例40 ドネペジル塩酸塩の臨床効果が3 年以上継続している
    (79 歳,男性,レビー小体型認知症)
 事例41 ドネペジル塩酸塩とクエチアピンフマル酸塩にて在宅生活の継続がなんとか可能となっている
    (81 歳,女性,レビー小体型認知症)
 事例42 リバスチグミンが長期にわたって著効している
    (75 歳,女性,認知症を伴うパーキンソン病)
 事例43 リバスチグミンで認知症症状や精神症状の悪化がみられた
    (79 歳,女性,レビー小体型認知症)