書籍カテゴリー:神経学/脳神経外科学|総合診療医学/プライマリ・ケア医学

かかりつけ医・非専門医のためのレビー小体型認知症診療
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かかりつけ医・非専門医のための
レビー小体型認知症診療

1版

  • 八千代病院/認知症疾患医療センター長 川畑信也 著

定価:3,024円(本体2,800円+税8%)

  • A5判 123頁
  • 2015年7月 発行
  • ISBN978-4-525-20371-9

概要

先生が治療で困っているその患者さん,ひょっとしたらレビー小体型認知症かもしれません.決して少なくないレビー小体型.アルツハイマー型とは,臨床症状も対応も異なります.本書では,教科書的な記述は一切なく,著者の経験に基づき,非専門医の先生方の現場に即した実践的な対処法を示しています.認知症を診るすべての医師必読の1冊です.

序文

 2014 年秋にアリセプトがレビー小体型認知症に対して適用拡大を認可されて以降,レビー小体型認知症が注目されてきています.レビー小体型認知症は,アルツハイマー型認知症ならびに血管性認知症とともに,認知症を生じる3大原因疾患といわれています.しかし,かかりつけ医・非専門医の先生方にとって,アルツハイマー型認知症ですら,なかなか診断や治療をする際に難渋する現況のなかで,幻覚や妄想がより活発であり,さらにパーキンソン症状の治療も必要となるレビー小体型認知症の診療はたやすいものではないでしょう.
 本書は,この視点から,かかりつけ医・非専門医の先生方が,日常臨床でレビー小体型認知症が疑われる患者さんに遭遇したとき,どのように診断を進めていけばよいか,抗認知症薬や向精神薬を使用する際にどのような点に気をつけたらよいか,対応のしかたをどう説明するかなどについて,実地臨床に即した解説を行っています.教科書的な記載は一切せず,私の実臨床の経験をもとに,読者の先生方の疑問や困っていると推測される課題を,ほとんど全領域にわたって網羅できているものと自負しております.さらに20 の事例を呈示しながら,実臨床での診断や治療の手順にも触れています.
 認知症を専門とされないかかりつけ医・非専門医の先生方が,すべての認知症患者さんを診療する必要はないというのが私の持論です.ご自分の診療スキルで診療できる患者さんを診ていくだけで十分ではないかと考えているのです.かかりつけ医・非専門医の先生方と認知症専門医療機関の間で,診療できる患者さんの棲み分けをすることが重要なのだと思っています.
 本書が先生方のレビー小体型認知症に対する診療スキルの向上に,少しでもお役に立つことができれば,それは私の望外の喜びとなります.今春上梓いたしました『認知症診療に役立つ77 のQ&A』(南山堂)とともに,本書が先生方の診療の一助になることを希望しております.

2015年5月
川畑信也

目次

●臨床診断
Q1 レビー小体型認知症の概念を知りたい
Q2 レビー小体型認知症疑いの患者さんが受診したときの方針は?
Q3 レビー小体型認知症の主要な症状とは?
Q4 レビー小体型認知症でみられる幻視の特徴とは?
Q5 レム睡眠行動障害(RBD)について知りたい
Q6 レビー小体型認知症診断の手順とは?〈その1〉
Q7 レビー小体型認知症診断の手順とは?〈その2〉
Q8 レビー小体型認知症診断の手順とは?〈その3〉
Q9 日常臨床でレビー小体型認知症を疑うポイントを知りたい
Q10 アルツハイマー型認知症からレビー小体型認知症を鑑別する目安とは?
Q11 アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症を鑑別する意義はあるのか?
Q12 血管性認知症とレビー小体型認知症を鑑別する目安とは?

●検 査
Q13 CT/MRIでレビー小体型認知症を診断できるのか?
Q14 脳SPECT検査の臨床的な意義は?
Q15 123I-MIBG心筋シンチグラフィを施行する目的は?
Q16 ダットスキャンは臨床診断に役立つのか?

●治 療
Q17 レビー小体型認知症の薬物療法をどう進めるか?
Q18 第一選択薬を考える際の原則は?
Q19 アリセプト処方の実際を知りたい
Q20 リバスチグミン処方の実際を知りたい
Q21 幻視に対する薬物療法について知りたい
Q22 妄想に対する薬物療法について知りたい
Q23 睡眠障害に対する薬物療法について知りたい
Q24 パーキンソン症状に対する薬物療法について知りたい
Q25 レム睡眠行動障害(RBD)に対する薬物療法について知りたい

●対応・介護指導
Q26 レビー小体型認知症を家族にわかりやすく説明するコツを知りたい
Q27 症状の動揺性の説明のコツと対策を知りたい
Q28 薬剤過敏性をわかりやすく説明するコツを知りたい
Q29 幻視に対する介護指導のコツを知りたい
Q30 転倒を予防する指導のコツを知りたい

●事 例
事例1 典型的な病像を示すレビー小体型認知症の83歳,男性
事例2 典型的な病像を示すレビー小体型認知症の72歳,男性
事例3 高度に進展しているレビー小体型認知症の71歳,男性
事例4 幻視,誤認はみられるがパーキンソン症状を認めないレビー小体型認知症の83歳,女性
事例5 もの忘れとレム睡眠行動障害(RBD)はみられるがパーキンソン症状を認めない81歳,女性
事例6 レム睡眠行動障害(RBD)はみられるが認知症が存在しない75歳,男性
事例7 パーキンソン症状が先行し,その後幻視がみられる79歳,女性
事例8 アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別に脳SPECT検査が役立った82歳,男性
事例9 ダットスキャンがアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別に役立たなかった82歳,女性
事例10 脳SPECT検査で典型的な血流異常を示すレビー小体型認知症の73歳,男性
事例11 臨床像は典型的なレビー小体型認知症であるがダットスキャンが健常型を示す90歳,女性
事例12 パーキンソン症状が存在しないレビー小体型認知症の81歳,男性
事例13 アリセプトの長期的な臨床効果が得られているレビー小体型認知症の79歳,男性
事例14 アリセプトが幻視に著効している83歳,女性
事例15 抗パーキンソン病薬から治療を開始した80歳,男性
事例16 アリセプト10mg で運動障害と活動性に改善がみられた80歳,男性
事例17 アリセプト10mg を維持量としている85歳,男性
事例18 アリセプト5mg で幻視が軽減している73歳,女性
事例19 アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別に123I-MIBG心筋シンチグラフィが役立った78歳,女性
事例20 行動障害・精神症状の軽減に苦慮した90歳,男性