書籍カテゴリー:循環器学|内科学一般

エキスパートはここを見る 心電図読み方の極意
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エキスパートはここを見る 心電図読み方の極意

1版

  • 国家公務員共済組合連合会 立川病院 院長 三田村秀雄 編著

定価:3,888円(本体3,600円+税8%)

  • B5判 178頁
  • 2016年7月 発行
  • ISBN978-4-525-22201-7

概要

エキスパート直伝!
理解して 考えて 応用もきく「心電図の読み方」!

循環器疾患の診療現場で活躍する,心電図の判読眼に定評ある執筆陣が,心電図の読み方を解説.心電図をパターンにあてはめて読み解くだけの鑑別法からもう一歩踏み込んで,「考える心電図」,応用の効く「とっておきの心電図の読み方」を,出し惜しみせずに公開! 心電図を通して患者さんを診る方法や着眼点を学ぶ実践書.

序文

 「心電図でどこまでわかるのか」….そんな質問に対する私の答えは,「それは心電図をどこまで読むかしだい」というものです.
 読む人の知識と経験と感性と意欲しだいで「1」わかる人もいれば「10」わかる人もいる,場合によっては「100」わかる人もいるかもしれません.残念ながら,従来のパターン重視の心電図の教科書では,そのテンプレートと同じかどうかで限られた病態の有無を言い当てることしかできませんでした.それではコンピュータにかないません.いや,そのコンピュータ診断でさえも,実際のところかなり雑で,見落としが多く,誤診も少なくありません.コンピュータ診断に頼って楽をしてしまうと,若手医師にとって心電図診断という診断学のなかで最も基本的な能力を育成する機会と,最も面白い部分を賞味する機会が,それによって奪われてしまいます.本当に可哀想なことです.
 心電図はクイズではありません.生身のものです.今,心臓のどの部分から電気が発生して,どっちに向かったのか,そんなことを自分の頭の中で描きます.簡単な検査ですが,そこには心エコーやCT検査ではわからない,もっと重要な情報が見え隠れしています.単純な波形から背後にあるビッグデータを読み,ポイントを抽出し,心臓が何を言いたがっているのかを探り当てなければなりません.
 心電図は唯一無二のものです.患者が一生のあいだにその瞬間だけ見せる顔でもあります.胸痛,呼吸困難,動悸,失神の手がかりはほとんどの場合,心電図のなかにあります.脳卒中や突然死の危険性をも警告してくれます.たとえ患者が無言でも,心電図を通して異変を訴えているのに,それを見逃していいはずがありません.
 ここではコンピュータの遥か上を目指します.極意を学びます.そのために,本書では心電図のエキスパートの先生がたから,ひと味違う,考える心電図,応用の効く「とっておきの心電図の読み方」を,出し惜しみせずに伝授していただきます.本書が,波形パターンをおぼえるのみの学習からさらに一歩踏み込み,心電図の意味するところをくみとる力を養うための一助となることを願っています.

2016年7月
国家公務員共済組合連合会 立川病院 院長
三田村 秀雄

目次

総 論

 私流の心電図読み方スキルアップ法  (三田村秀雄)


I. 心電図波形のメッセージ

 1. 心電図波形から心臓以外の情報をキャッチする  (栗田康生)
 2. 心電図波形の成因
   ―P,PQ,QRSはそれぞれ心臓のどこの興奮を反映しているのか―  (近藤秀和  高橋尚彦)
 3. 活動電位から心電図波形を理解する  (古川哲史)
 4. あいまいなBrugada波形を浮き立たせる  (相澤義泰)


II. 病気や病態を鑑別する

 5. 病態から考えるたこつぼ型心筋症と急性前壁梗塞の心電図学的鑑別  (小菅雅美)
 6. 冠動脈病変をどこまで読めるか?  (影山智己)
 7. 心不全の原因・機序をどこまで読めるか?  (樅山幸彦)
 8. 失神回復後の心電図で原因・機序をどこまで読めるか?
   突然死を予測できるか?  (中須賀公亮  草野研吾)


III. 不整脈の起源や機序を推測する

 9. narrow QRS頻拍の機序は何か?  (里見和浩)
 10. 副伝導路の関与を読めるか?  (西崎光弘)
 11. 上室期外収縮から起源を推定する  (山崎 浩  野上昭彦)
 12. 心室期外収縮の起源を読めるか?  (夛田 浩)
 13. wide QRS頻拍の機序を見きわめる  (加藤武史)
 14. 心室頻拍の起源を読めるか?  (三輪陽介  副島京子)


IV. 不整脈治療に活かす

 15. 心室頻拍波形から薬剤選択は可能か?  (丹野 郁)
 16. 心房細動には抗不整脈薬が効きそうか? アブレーションは適しているか?  (岩崎雄樹)
 17. 抗不整脈薬中毒ではないのか? 催不整脈作用出現の心配はないか?
   ―心拍依存性のQRS幅とQT間隔にも目を向けよう―  (定永恒明)
 18. 心臓再同期療法(CRT)に適した心電図とは?  (金城太貴  大塚崇之)
 19. ペースメーカ不全を起こしていないか?
   ―ペースメーカ症例でみられるさまざまな心電図所見―  (中井俊子)


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