書籍カテゴリー:神経学/脳神経外科学|検査・診断学

ここに目をつける! 脳波判読ナビ
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ここに目をつける! 脳波判読ナビ

1版

  • 九州大学大学院医学研究院脳神経病研究施設 臨床神経生理教授 飛松省三 著

定価:3,456円(本体3,200円+税8%)

  • A5判 180頁
  • 2016年5月 発行
  • ISBN978-4-525-22541-4

概要

デジタル時代の脳波判読入門書!

脳波の正常所見と異常所見の違いがわかりにくい,脳波特有の表現って難しい,と思っていませんか?本書はそんなお悩みをお持ちの方にこたえます.この一冊で脳波の判読から所見のレポートまでできるようになります.通読することが苦にならないので初学者の方にも最適の一冊となっています.

序文

 脳の検査についてはCTやMRIなどの画像検査の進歩により,形態的な検査が重要視されています.しかし,機能的な面を検査する脳波の重要性は失われていません.逆に形態検査で異常所見が検出されないときに,脳波はその威力を発揮します.したがって脳波は,画像では捉えにくいてんかんや意識障害時の診断に必須の検査です.
 私が脳波に初めて接したのは,九州大学医学部脳研神経内科に入局して病棟医になった1980年6月のことです.その当時,加藤元博 九州大学名誉教授,柴崎浩 京都大学名誉教授がおられ,脳波学の手ほどきをしてもらいました.時がたち,神経内科の研修医に脳波を教える立場になりました.頭を常に悩ませているのが,波形から脳機能をどう解釈してもらうかです.CTやMRIは,さほど経験がなくても,異常所見を見つけるのは難しくはありませんし,臨床との対応も簡単につけられます.ところが脳波は,心電図とは異なり正常所見が分かりづらく,異常所見との区別が判断しにくいことがあります.また,脳波は,異常波形が分かっても,脳機能と関連づけをしようとすると知識や経験が必要となります.初学者にとって,脳波特有の用語や表現方法は難解で,敬遠されがちです.
 脳波の最近のトピックスは,デジタル脳波計の活用です.アナログ脳波計ではできなかったリモンタージュ機能やリフィルタリング機能を活用した新しい脳波判読が可能となりました.つまり,疑わしい所見を見つけたときに,モンタージュや感度を適宜変えながら,多面的に所見を検討できるようになりました.こうすることによりアナログ脳波計では見逃していた所見も見つけられるようになりました.
 このような現状を踏まえ,初学者が手に取りやすいようなボリュームで,通読することが苦にならない脳波判読書を企画しました.本書では,基本的な判読方法から所見の書き方までを一冊で「早わかり」できるよう,平易でポイントをおさえた表現を心がけています.また,脳波は典型的な波形サンプルを知ることが重要なので,そういった波形をできるだけ多く載せました.
 本書が,脳波は苦手だなと思いつつも,どうしたら判読できるようになるのか悩んでいる神経内科医,脳外科医,精神科医,臨床検査技師などの脳波に関心をもつ方にお役に立てば幸いです.
 なお,本書の企画・編集でお世話になった南山堂編集部 古賀倫太郎氏のご協力により,この本は完成しました.この場を借りて感謝申し上げます.

2016年4月
九州大学大学院医学研究院脳神経病研究施設 臨床神経生理学分野
飛松省三

目次

1 脳波を楽しもう!
 Ⅰ 脳波の歴史
 Ⅱ 脳波を楽しむには

2 脳波の発生機序
 Ⅰ 脳電位の発生機序
 Ⅱ 正常脳波リズムの発生機序
 Ⅲ 脳波の構成成分

3 脳波計の基礎
 Ⅰ アナログ脳波計
 Ⅱ デジタル脳波計

4 脳波の導出法
 Ⅰ 電極の配置法
 Ⅱ 差動増幅と極性
 Ⅲ 導出法と電位分布

5 脳波でよく使われる表現
 Ⅰ 脳波特有の用語
 Ⅱ 脳波所見記載時に必要な用語

6 アーチファクト
 
7 覚醒時脳波
 Ⅰ 健常成人
 Ⅱ 高齢者
 Ⅲ 小 児
 Ⅳ 健常成人の脳波の特徴
 Ⅴ 異常と間違いやすい生理的リズム

8 睡眠脳波
 Ⅰ 健常成人
 Ⅱ 高齢者
 Ⅲ 小 児

9 賦活法
 Ⅰ 賦活法の意義
 Ⅱ 過呼吸
 Ⅲ 光刺激
 Ⅳ 睡 眠
 Ⅴ 外的刺激

10 てんかん
 Ⅰ てんかんとは
 Ⅱ てんかんの分類
 Ⅲ てんかんと脳波
 Ⅳ てんかん原性
 Ⅴ 偽性てんかん発作波
 Ⅵ てんかんの発作型と脳波
 Ⅶ てんかん焦点の決定
 Ⅷ 小児期・思春期のてんかん
 Ⅸ てんかん重積状態

11 徐波の見方
 Ⅰ 徐波の解釈
 Ⅱ 代表的な徐波パターン
 Ⅲ 徐波の分布と局在

12 局所性脳病変
 Ⅰ 脳波の感度
 Ⅱ 局所性脳病変と脳波異常パターン
 Ⅲ 疾患からみた局所性脳病変による脳波異常

13 びまん性脳症・意識障害
 Ⅰ 脳症と脳波異常
 Ⅱ 脳症と脳波所見
 Ⅲ 脳波による重症度評価
 Ⅳ びまん性脳症
 Ⅴ 周期性脳波パターン
 Ⅵ 昏睡時における特殊な脳波パターン

14 変性疾患
 Ⅰ 変性疾患の病理と脳波
 Ⅱ 代表的な変性疾患の脳波

15 睡眠障害と脳波
 Ⅰ 睡眠ポリグラフィー
 Ⅱ ナルコレプシー
 Ⅲ レム睡眠行動異常症
 Ⅳ 周期性四肢運動
 Ⅴ 睡眠関連てんかん

16 薬物と脳波
 Ⅰ 薬物障害の原則
 Ⅱ 薬物による特殊な脳波パターン

17 脳波と画像との相関
 Ⅰ 画像と脳波の特徴
 Ⅱ 脳波の局在診断
 Ⅲ 脳波の病態情報
 Ⅳ 症例から見た脳波と画像の相関
  [症例1]
  [症例2]
  [症例3]
  [症例4]
  [症例5]
  [症例6]
 Ⅴ 脳波と画像は相補関係

18 検査技師と脳波判読医の双方向通信
 Ⅰ デジタル脳波計の進歩
 Ⅱ デジタル脳波計の基礎知識
 Ⅲ 脳波とアーチファクト
 Ⅳ 双方向通信のための脳波記録

19 脳波の判読手順と所見の記載
 Ⅰ 脳波判読時の注意事項
 Ⅱ ステップ1
 Ⅲ ステップ2
 Ⅳ ステップ3
 Ⅴ ステップ4
 Ⅵ 脳波所見の記載例

文献
索引