書籍カテゴリー:腎・泌尿器科学|皮膚科学

性感染症 STD
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性感染症 STD

第2版

  • 福岡大学教授 田中 正利 編

定価:5,292円(本体4,900円+税8%)

  • B5判 298頁
  • 2008年4月 発行
  • ISBN978-4-525-23092-0

概要

日本性感染症学会から2006年末に「性感染症 診断・治療ガイドライン2006」が刊行されたのを機会に改訂.わが国における性感染症の現状を正確に把握し,適確な診断法と治療法を専門知識豊富な執筆者が執筆した.性感染症(STD)に携わるすべての医師が,診療の場で即役立つよう記載した.

序文

2004年3月に「性感染症 STD」の第1版が発行され,4年が経過した.この間,性感染症に関連した新しい遺伝子診断技術や治療薬は大いに進歩,発展をとげている.また,性感染症 診断・治療 ガイドラインも2006年度版が日本性感染症学会から発行されている.その一方で,エイズウイルス感染や無症候性クラミジア感染の増加,薬剤耐性淋菌の蔓延,感染者の若年化,および性風俗産業の多様化など,性感染症をめぐる医学的および社会的問題は依然として多い.
このような最近の性感染症学の急速な発展や性感染症に影響を及ぼす社会環境の変化に対応すべく,改訂2版の編集をさせていただくことになった.初版では九州大学名誉教授 熊澤淨一先生との共同編集であったが,この改訂版では熊澤先生のご意向により,小生が一人で編集を担当させていただくことになった.
改訂2版では,初版で執筆していただいた性感染症の専門家の先生方に原則として初版と同じ項目を担当していただくことにした.しかし,一部の項目に関しては専門家の先生に新たに執筆者に加わっていただいた.本書の内容は性感染症に関する基本的なものに加え,up to dateなものも可能な限り取り入れた.また,読者がより理解しやすいように図表やカラー写真を多く採用した.なお,項目により2名で記載する場合(例えば,淋菌感染症[男性,女性]など),記述内容が若干重複したところ,および表現に異なるところがあるが,最新情報の収載を主眼としたため,あえて調整は行っていない.
本書は性感染症の専門家から専門以外の医療関係者まで幅広く役立つものと確信している.臨床の現場でご活用いただければ幸甚である.
最後に,お忙しい中執筆していただいた諸先生に深甚の謝意を表する.また,本書の企画,出版にご協力いただいた南山堂関係各位に心から感謝する.


2008年2月
福岡大学医学部泌尿器科
田中 正利





目次

総 論

I.泌尿器科
    A.泌尿器科領域のSTDの現状
    1.性感染症の動向
    2.感染症診療ガイドライン
  B.泌尿器科領域でみられるSTDの特徴
    1.淋菌感染症
    2.非淋菌性尿道炎
      a.クラミジア性尿道炎
    3.精巣上体炎・前立腺炎
    4.性器ヘルペス
    5.尖圭コンジローマ
  C.STDを見逃さないためのポイント
    1.尿道炎症候群
    2.精巣上体炎・前立腺炎
  D.STDの鑑別診断のポイント
    1.尿道炎症候群
    2.精巣上体炎・前立腺炎
  E.検査の仕かたと結果のみかた

II.皮 膚 科
  A.皮膚科領域のSTDの現状
  B.皮膚科領域でみられるSTDの特徴
    1.感染部位に出現する疾患
      a.局所性病変
      b.全身性病変としての発疹
  C.STDを見逃さないためのポイント
    1.問 診
    2.視 診
  D.STDの鑑別診断のポイント
  E.検査の仕かたと結果のみかた
    1.顕微鏡検査
    2.病原体の抗原の検出
    3.抗体価の測定
    4.病原体核酸診断
    5.培 養
    6.生 検

III.産婦人科
  A.産婦人科領域のSTDの現状
  B.産婦人科領域におけるSTDの特徴
    1.疫 学
    2.若年感染者が多い
  C.STDを見逃さないポイント
    1.性器クラミジア感染症を見逃さないポイント
      a.性器クラミジア感染症の病態
      b.性器クラミジア感染症の症状
    2.淋菌感染症を見逃さないポイント
      a.淋菌感染症の疫学
      b.淋菌感染症の病態
      c.淋菌感染症の症状
    3.性器ヘルペスウイルス感染症を見逃さないポイント
      a.性器ヘルペスウイルス感染症の病態
      b.性器ヘルペスウイルス感染症の症状
    4.尖圭コンジローマを見逃さないポイント
      a.尖圭コンジローマの病態
      b.尖圭コンジローマの症状
    5.梅毒を見逃さないポイント
      a.梅毒の病態
      b.梅毒の症状
  D.STD鑑別診断のポイント
    1.性器クラミジア感染症の鑑別のポイント
      a.無症状の感染の診断
      b.有症状の感染の診断
    2.淋菌感染症の鑑別のポイント
      a.無症状の感染の診断
      b.有症状の感染の診断
    3.性器ヘルペス感染症の鑑別のポイント,外陰部所見の鑑別
    4.尖圭コンジローマの鑑別のポイント
    5.梅毒の鑑別のポイント
  E.検査の仕かたと結果のみかた
    1.性器クラミジア感染症
      a.抗原検出法
      b.核酸増幅法
      c.抗体検出法
    2.淋菌感染症
      a.淋菌鏡検検査法
      b.淋菌培養法
      c.核酸増幅法
    3.性器ヘルペスウイルス感染症
      a.細胞診
      b.培養法
    4.尖圭コンジローマ
      a.組織診
    5.梅 毒
      a.トレポネ−マ・パリダムの検出

      b.血清反応

IV.小児科
  A.小児科領域のSTDの現状
  B.小児科領域でみられるSTDの特徴
  C.STDを見逃さないためのポイント
  D.STDの鑑別診断のポイント
  E.検査の仕かたと結果のみかた
  F.STDの垂直感染
    1.垂直感染の概要
    2.感染経路
    3.個々のSTDの垂直感染の特徴,治療,および予防
      a.淋菌感染症
      b.梅 毒
      c.クラミジア
      d.マイコプラズマ
      e.性器ヘルペス
      f.尖圭コンジローマ
      g.ケジラミ症
      h.トリコモナス症
      i.HIV感染症
      j.肝 炎
      k.サイトメガロウイルス(CMV)感染症
      l.成人型T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)
      m.カンジダ

V.若者にみられるSTD
  A.STDの最近の動向
    1.定点調査からみたわが国における性感染症の動向
      a.男性における性感染症の動向
      b.女性における性感染症の動向
      c.年次別性感染症の比率
      d.各性感染症の年次別・年齢別患者報告数
      e.性感染症の年齢階級別・性別報告数
      f.性器クラミジア感染症の罹患率(10万人・年対)
    2.わが国における無症候の性感染症患者の実態
  B.若者にみられる性行動とSTD(木原雅子・木原正博)
    1.東京都性教育協会の性意識・性行動 調査(1987年〜2005年)
    2.全国性行動調査(1999年)
    3.全国国立大学生調査(1999年)
    4.ネットワーク調査(2000年)
    5.高校生の調査(2004年)
    6.中学生の性意識状況(2006年)
    7.米国の若者との比較(2005年)
    8.若者の性的ネットワーク

VI.風俗女性にみられるSTD
  A.STDに関するわが国の性産業の特徴
    1.性産業の多様化
    2.性産業の多くは日本人向け
    3.CSWはSTD検診・コンドームの使用義務がない
    4.オーラルサービス専門の性産業の存在
    5.本番行為を行う性風俗店の存在とコンドーム使用の黙認0
  B.コマーシャルセックワスワーカー(CSW)について
    1.CSWの種類
    2.CSWの背景
      a.経済的困窮
      b.精神的貧困
      c.睡眠不足・免疫力の低下
      d.STD知識のばらつき
      e.ピル(経口避妊薬・低用量ピル)の使用
      f.健康保険証を使用できない
      g.CSWの低年齢化
    3.CSWと覚醒剤
    4.職場での衛生行動(STD予防行動)
      a.腟内の洗浄
      b.口腔のうがい
      c.コンドームの使用
      d.B型肝炎ワクチンの接種
    5.避妊行動
      a.コンドームとピル
      b.性交後緊急避妊法(アフターピル)
  C.CSWのSTD検診の現状
    1.性風俗店組織でのSTD管理
      a.入店時HIV抗体検査
      b.定期的STD検査
    2.CSW個人でのSTD管理
      a.医療機関にての検査
      b.保健所でHIV検査・STD検査専門クリニックを利用
      c.STD郵送検診(検体自己採取検診)
  D.CSWの検査成績・診断について
  E.治療・現場復帰
  F.CSWの仕事をやめた後のSTD検診啓蒙指導
  G.覚醒剤検査
  H.CSWのSTDの特徴
    1.性器クラミジア感染症
    2.性器淋菌感染症
    3.性器ヘルペス
    4.尖圭コンジローマ
    5.梅 毒
    6.外陰・腟カンジダ症,細菌性腟症
    7.ケジラミ症
    8.HIV感染症
    9.B型肝炎,C型肝炎
  I.CSWの咽頭感染
    1.クラミジア性,淋菌性咽頭炎について
    2.スワブによるクラミジア・淋菌咽頭検査
    3.うがい液によるクラミジア・淋菌咽頭検査
    4.咽頭うがい液の検体採取法
    5.咽頭炎の治療
  J.STD予防・STD対策


各 論

I.淋菌感染症
男 性
  A.病 態
  B.統 計
    1.厚生労働省感染症発生動向調査
    2.STDセンチネルサーベイランス
  C.男性尿道炎の感染源と性交形態
    1.感染源
    2.性交形態
  D.臨床症状
  E.診 断
    1.尿道分泌物鏡検法
    2.検尿(2杯分尿法)
    3.分離培養同定法
    4.遺伝子診断法
  F.治 療
    1.わが国における各種薬剤耐性淋菌の分離状況
    2.福岡市におけるキノロン耐性淋菌の推移
    3.耐性淋菌を考慮した抗菌化学療法
女 性
  A.特 徴
  B.診 断
    1.淋菌検出法
      a.遺伝子診断法
      b.鏡検法
      c.培養法
    2.その他
  C.治 療
  D.予 防
  E.コメント

II.梅 毒
  A.疫 学
  B.病原体
  C.感染経路
  D.症 状
    1.1期梅毒
    2.2期梅毒
    3.先天梅毒
  E.検査・診断
    1.Tp検出
    2.梅毒血清反応検査
  F.診 断
  G.治 療
  H.治癒判定

III.クラミジア
男 性
  A.特 徴
    1.微生物学的特徴
      a.特異的な増殖環
      b.クラミジアの分類
    2.臨床的特徴
      a.疫 学
      b.臨床像
  B.診断・調査
    1.問診・症状
    2.必要な検査
      a.核酸増幅法
      b.抗原検査法
      c.分離培養法
      d.抗体検査
    3.見逃さないポイント
  C.治 療
    1.治療のコツ
    2.治療薬
    3.治癒判定
  D.予 防
  E.コメント
    1.どの時点で専門医に紹介するかのタイミング
    2.患者にSTDを理解させるための「病気の説明」とインフォームドコンセント
女 性
  A.特 徴
    1.形 態
    2.性感染症におけるC. trachomatis
      a.子宮頸管炎
      b.子宮付属器炎
      c.骨盤腹膜炎
      d.肝周囲炎(perihepatitis,かつてのFitz-Hugh Curtis syndrome)
      e.咽頭感染
      f.尿道症候群
    3.性器クラミジア感染症の病期分類
  B.診 断
    1.問診のコツ
    2.必要な検査
    3.見逃さないポイント
  C.治 療
    1.治療のコツ
    2.治療薬
    3.治癒判定
  D.予 防
  E.コメント
    1.どの時点で専門医に紹介するかのタイミング
    2.患者にSTDを理解させるための「病気の説明」とインフォームドコンセント

IV.マイコプラズマ
  A.特 徴
    1.非淋菌性尿道炎におけるマイコプラズマの研究の背景
    2.M. genitalium
    3.U. urealyticum
    4.その他のマイコプラズマ
  B.診 断
    1.症 状
    2.検出方法
    3.男子尿道からのM. genitaliumの検出
    4.女子尿路性器からのM. genitaliumの検出
  C.治 療
    1.M. genitaliumの薬剤感受性
    2.M. genitalium性 NGUの治療
  D.予 防
  E.コメント
    1.難治性尿道炎
    2.淋菌性尿道炎治療後の非淋菌性尿道炎

V.性器ヘルペス
男 性
  A.特 徴
    1.臨床症状
      a.初感染
      b.再発病変
      c.殿部ヘルペス
      d.無症候性ウイルス排泄
  B.診 断
    1.問診のコツ
    2.必要な検査
    3.見逃さないポイント
  C.治 療
    1.治療のコツ
    2.治療薬
    3.抑制療法
    4.治癒判定
  D.予 防
    1.一般的な伝播予防策
    2.抑制療法による伝播予防
  E.コメント
    1.どの時点で専門医に紹介するかのタイミング
    2.患者に性器ヘルペスを理解させるための「病気の説明」とインフォームドコンセント
女 性
  A.特 徴
  B.診 断
    1.臨床症状
      a.初感染初発
      b.非初感染初発
      c.再 発
      d.臨床的診断のポイント
    2.実験室診断
    3.HSVの型と臨床型20
  C.治 療
    1.抗HSV剤
    2.治療の実際
      a.初発性器ヘルペス
      b.再発性器ヘルペス
      c.妊娠中の性器ヘルペスの治療
      d.性器ヘルペス合併妊婦の分娩管理
  D.予 防
    1.再発予防
    2.感染予防
  E.患者への説明のポイント

VI.尖圭コンジローマ
男 性
  A.特 徴
  B.診 断
    1.臨床所見
    2.病理組織学的所見
    3.HPVの検出
  C.治 療
    1.外科的切除
    2.電気焼灼
    3.凍結療法
    4.イミキモド
    5.レーザー
    6.ポドフィリン
    7.5-フルオロウラシル(5-FU)軟膏
    8.インターフェロン
  D.予 防
  E.再発率
  F.悪性化
女 性
  A.特 徴
    1.尖圭コンジローマ研究の歴史
    2.HPV
    3.女性の尖圭コンジローマの臨床病理像
  B.診 断
    1.臨床診断法
    2.鑑別診断
      a.ボーエン様丘疹
      b.腟前庭乳頭腫症
      c.扁平コンジローマ
      d.老人性疣贅・外陰癌
  C.治 療
    1.外科療法
    2.薬物療法
    3.治療上の注意点
  D.予 防

VII.疥癬・ケジラミ
疥 癬
  A.特 徴
    1.疥癬とは
    2.症 状
      a.疥 癬
      b.角化型疥癬23
  B.診 断
  C.治 療
    1.治療のコツ
    2.治療薬
    3.治癒判定
    4.予 防
ケジラミ
  A.特 徴
    1.ケジラミとは
    2.症 状
  B.診 断
  C.治 療
    1.治療方法
    2.治療薬
    3.治癒判定
  D.予 防

VIII.トリコモナス感染症
  A.特 徴
    1.男 性
    2.女 性
    3.トリコモナス感染とHIV感染
  B.診 断
    1.鏡 検
    2.培 養
    3.核酸増幅法
  C.トリコモナス症の治療
  D.予 防
  E.コメント

IX.HIV感染症
総 論(HIVの疫学―流行のダイナミクス)
  A.HIV流行学の基礎
    1.性的ネットワーク
    2.HIV/STD相互作用
    3.流行のパターン
    4.理論予測
    5.流行期分類
  B.世界のHIV流行の現状と展望
    1.アフリカ地域
    2.アジア太平洋地域
      a.中 国
      b.インド
      c.インドネシア
      d.タ イ
      e.カンボジア
      f.台 湾
      g.パプアニューギニア
    3.その他の地域
    4.今後の流行の展望
  C.日本のHIV流行の現状
    1.エイズサーベイランスの動向
    2.献血のHIV抗体陽性率の動向
    3.脆弱な性行動
    4.HIV検査体制と普及啓発の遅れ
    5.わが国の状況のまとめ
    6.今後の流行の展望
各 論
  A.特 徴
    1.基 礎
    2.臨 床
      a.カテゴリーA
      b.カテゴリーB
      c.カテゴリーC(AIDS発症期)
    3.STDとしてのHIV
  B.診 断
    1.診断法と見逃さないコツ,診断時の注意
    2.必要な検査
  C.治 療
    1.治療薬
    2.治療開始時期
    3.治療効果判定
      a.血中ウイルス量による判定
      b.CD4陽性リンパ球による判定
      c.臨床的判定
    4.アドヒアランスと薬剤耐性
    5.免疫再構築症候群
  D.予 防
  E.コメント
    1.専門医への紹介のタイミング
      a.診断時
      b.治療開始時
      c.治療失敗時,治療変更時
      d.AIDS発症時,合併症
    2.患者にSTDを理解させるための「病気の説明」とインフォームドコンセント

X.肝 炎
A型肝炎ウイルス(HAV)
  A.特 徴
  B.診 断
  C.治 療
  D.予 防
B型肝炎ウイルス(HBV)
  A.特 徴
  B.診 断
  C.治 療
  D.予 防
C型肝炎ウイルス(HCV)
  A.特 徴
  B.診 断
  C.治 療
  D.予 防
  E.コメント


日本語索引
外国語索引