南山堂

カートを見る

カテゴリー: 感染症学  |  小児科学

立ち読み
注文数:

販売終了

NICUにおける抗菌薬の使い方10の秘訣

1版

富士重工業健康保険組合太田記念病院 院長 佐藤吉壮 著

定価

2,970(本体 2,700円 +税10%)


  • B5判  152頁
  • 2015年5月 発行
  • ISBN 978-4-525-23201-6

NICUにおける抗菌化学療法は,個々に合わせた対応が求められます.したがって,自信を持って対応するためには,豊富な知識とさらには経験が必要となります.そこで本書は,NICUにおける抗菌薬の使い方について,著者の豊富な経験に基づいて,具体例を挙げながら,エキスパートの思考プロセスが学べるようにいたしました.

  • 目次
  • 序文
目次
第1章 新生児細菌感染症に対する抗菌薬投与のポイント
1  細菌感染に関する新生児の特殊性

2  新生児細菌感染症の原因菌

3  新生児細菌感染症の背景

4  新生児細菌感染症の臨床症状および臨床検査

5  新生児における抗菌薬の体内動態

6  新生児における抗菌薬の副作用

7  新生児に対する抗菌薬の選択

8  抗菌薬投与の実際

9  MRSAに対する併用療法

10 新生児医療における感染対策


第2章 新生児細菌感染症に対する抗菌薬投与のポイント
症例1  不安定なバイタルサイン:低体温,頻発する無呼吸発作

症例2  全身状態の急激な悪化と重篤な呼吸不全

症例3  発熱および急速な末梢循環不全

症例4  発熱と右側股関節部の発赤・腫脹

症例5  発熱,無呼吸,徐脈

症例6  発熱,不機嫌

症例7  発熱,不機嫌,活気低下

症例8  重症新生児仮死

症例9  消化管術後・長期気管内挿管後の微熱と呼吸状態の悪化

症例10 易刺激性,無呼吸

症例11 発熱,尿混濁

症例12 咳嗽,無呼吸,顔色不良

症例13 尿路奇形,反復性尿路感染症

症例14 発熱,喘鳴
序文
 私は,1977年3月に慶應義塾大学医学部を卒業し,1977年4月に慶應義塾大学医学部小児科学教室に入局いたしました.1979年1月から足利赤十字病院に出向,1981年8月に東京都立台東病院に移り新生児学を専門とする研究を開始いたしました.1982年慶應義塾大学医学部小児科学教室に帰局し,新生児学,細菌感染症,抗菌薬療法の研究に従事.その後,1984年10月から富士重工業健康保険組合総合太田病院に赴任しております.以後30年にわたり一貫して臨床ベースの仕事をしてまいりました.施設名は2012年6月の新築移転に伴い富士重工業健康保険組合太田記念病院と変更いたしましたが,統計記録が明確である1981年からの新生児特定集中治療室(neonatal intensive care unit ;NICU)における各種報告を行ってまいりました. 今回,在職30年となることから,今まで行ってまいりました新生児細菌感染症と抗菌薬療法につきまして振り返ってみました.記録が残存している過去34年間のNICU入院症例は合計4,354例で,全身状態から細菌感染症を疑い血液培養陽性例は75例を経験しております.その間,臨床研修制度の影響や,小児科医減少もあり2006年4月よりNICUを縮小,さらに2008年4月より産科医減少のため分娩中止も経験いたしました.幸いにも2009年10月より分娩再開し,2012年6月からはNICUも再開しております.30年の間には新規抗菌薬の開発および新生児への適応拡大があり,なかでも,カルバペネム,抗MRSA薬の登場は新生児細菌感染症治療の選択肢を大きく変化させたと感じております.また,GCP(good clinical practice)の導入により,臨床治験の在り方も変化してきております.
 これら変化してきた時代の中で,著者が今まで著してきた原稿をすべて確認して構想を練り,本書の執筆を決めたことに対する幾分の後悔と,折角の機会であるのでやらねばという意欲とが交錯して数日は悩みましたが,一臨床医が経験してまいりました経験と拙い臨床研究の一部をまとめました.ご意見はいろいろとおありとも存じますが,ご一読いただければ幸いに存じます. 本書を著すにあたり,長年にわたりご指導いただきました老川忠雄 先生,砂川慶介 先生,秋田博伸 先生,岩田 敏 先生に深謝いたします.

2015年 早春
佐藤吉壮
カートに追加しました。
お買い物を続ける カートへ進む