書籍カテゴリー:免疫・アレルギー学|呼吸器学

気管支喘息「診療のコツ」
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ガイドラインを活かす!
気管支喘息「診療のコツ」

1版

  • 半蔵門病院副院長/アレルギー呼吸器内科 灰田 美知子 著

定価:4,860円(本体4,500円+税8%)

  • B5判 223頁
  • 2010年5月 発行
  • ISBN978-4-525-23541-3

概要

ガイドラインは診療において欠かせないものだが,それを読み込んで診療に活かすことは専門医でも難しい.本書はガイドラインを参照しながら,臨床の場で頻繁に遭遇する「喘息診療の迷える部分」にスポットライトを当て,その解決策としての「診療のコツ」を記載している.プライマリ・ケア医,専門医にとっても有用な書.

序文

最近は多くの疾患について文献的な考察に基づいた「ガイドライン」が示され,根拠ある治療を誰でも選択できるようになった.以前は若手の医師は先輩から診療の基本やコツを教わることが多かったが,その頃はエビデンスなどということよりも実践で患者を診る際に具体的な手順や技術が知りたくて先輩の側について技術を学んだように思う.それは最も現場に即した学び方であり,今でも当時学んだことは鮮明に覚えている.現在,医療情報そのものは膨大であるが,医師ができる最善のことは,そのときに診る患者の「問題を的確に把握」し「相応しい対応」を,その時点で入手できる最良の情報から「選択」することである.この部分は情報や知識を踏まえた上で観察力,思考力,決断力,時には第六感のすべてを駆使して応用問題を解決することであり,医師としてこの過程を責任を持って実行していくしかない.
ガイドラインは非常に優れたものに進化してきている反面,その内容は,やはり情報や知識の集積が中心となる.六法全書をすべて覚えてもよい裁判官や弁護士にはなれないのと同じように,医療も情報や知識だけでは不十分であり「判断」が問われる場面が,どうしてもある.情報や知識を利用しながらも,それを上手に応用して成功率を高めてこそ実力なのだと思う.
ガイドラインは若手の医師,非専門医のためにとの趣旨で作成されているが,その専門に長く携わってきた筆者には不十分な点も気にかかる.そこで役立つのが,古きよき時代から存在した「先輩の一言」なのではないかと考え,今回,気管支喘息診療における自分の経験や失敗を「診療のコツ」として書かせていただいた.時には,「なるほど」と思っていただけたら嬉しい.また,ガイドラインのとおりに治療しても「うまくいかない」と感じたら,そんなときに読んでみていただいてもよいと思う.もちろん,これもあくまでも「先輩の一言」に過ぎないので,その場で役立つかどうかの検証は,やはり「各人の判断力」にお願いするしかない.ただ,ガイドラインとはまた異なった角度から見ているので参考になればと思う.本来のガイドラインから離れないように各項目のはじめにガイドラインの参照頁を表示しているので,いつでもガイドラインと対比してくださると,よりバランスの取れた理解が得られ,役立つのではないかと考える.
最後に,このような構想に賛同していただき,出版するに当たり,長い期間,根気よく,見守ってきてくださった南山堂の皆様に心から深謝する.

2010年4月 灰田美知子

*本書でのガイドラインは,『喘息予防・管理ガイドライン2009』を示しています.ガイドラインに適切な参照頁がないものは参考になる頁を示しています.
*本書で示されている医療情報は,執筆時点で有用と思われるものを示しましたが,医療の進歩とともに実情にそぐわない面も出てくると思います.常に最新の情報を基に本書の内容を活用していただければ幸いです.

目次

Ⅰ章 気管支喘息 どんな病気?
 1)気管支喘息の特徴と考え方
 2)診断と鑑別疾患
 3)疫 学

Ⅱ章 気管支喘息の検査
 1)肺機能の検査
 2)アレルギーを検出する検査
 3)病状を評価するための検査

Ⅲ章 自己管理の基本
 1)何をどのように目指したらよいのか?

Ⅳ章 気管支喘息の薬とその使用法
 A.長期管理薬
  1)基本的な薬と特殊な薬
  2)ステップ治療と,そのモニター方法
  3)自己管理のためのゾーンシステム
 B.発作時の治療
  1)発作時に使う一般的な薬
  2)患者が行う発作時の治療
  3)病院を受診した場合の救急室の手順
  4)重篤喘息

□知っておきたい 吸入ステロイド(ICS):特徴と使い分け

Ⅴ章 日常生活の注意点とその指導
 1)喘息の危険因子
 2)危険因子に対する予防
 3)喘息死の予防

Ⅵ章 個人で異なる喘息の側面
 A.さまざまな喘息の型
  1)アスピリン喘息
  2)運動誘発喘息(EIA)
  3)職業性喘息
  4)咳喘息
 B.ライフサイクルによって異なる喘息の側面
  1)思春期喘息
  2)高齢者喘息
  3)妊娠と喘息
  4)外科手術と麻酔
  5)働き盛りの喘息
  6)女性と喘息

Ⅶ章 症状が紛らわしい合併症
 A.喘息に合併することが多い疾患
  1)鼻炎・副鼻腔炎(耳鼻科との連携)
  2)咳喘息,アトピー咳嗽,胃食道逆流症(GERD)
  3)シックハウス症候群(SHS)
  4)睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  5)声帯機能不全(VCD)
 B.喘息の治療薬と合併症の関係
  1)合併症があるときの喘息治療(喘息の治療が合併症に与える影響)
  2)合併症の治療が喘息に影響する場合
  3)アレルギー性肺疾患

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