書籍カテゴリー:内分泌・代謝学|内科学一般

目からウロコの糖尿病マネジメント実践塾
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目からウロコの糖尿病マネジメント実践塾
患者さんから学ぶステップアップの第一歩

1版

  • かなもり内科 院長 金森 晃 著

定価:2,916円(本体2,700円+税8%)

  • A5判 190頁
  • 2014年4月 発行
  • ISBN978-4-525-23641-0

概要

増え続ける糖尿病患者に如何に対応すればよいか!?
さまざまな症例を多岐にわたって紹介し,臨床経過や治療方針,その後の経過を詳しく解説して糖尿病診療のコツをまとめた.長年膨大な数の患者を診て学んだマネジメントの思考ロジックがこれ1冊で習得できる!糖尿病専門医によるスーパーレクチャー!

序文

世の中にはいろいろな疾患があります.医師であっても一度もお目にかからないくらいまれな疾患もたくさんあります.一方,専門という枠を飛び越えて,必ず出会うと言ってよいほど頻度の高い疾患もあります.感冒,腰痛,高血圧などは頻度の高い疾患の代表ですが,2型糖尿病も全ての科の臨床医が必ず遭遇する疾患と言っても過言ではないでしょう.さらに特筆すべきは,糖尿病はここ20~30年くらい前から急激に増加しているということです.
 私が医師になったのは1981年ですが,糖尿病を含めた内分泌代謝内科を専門領域として勉強を始めたのが1985年ころなので,糖尿病患者の急激な増加と併行して私の糖尿病臨床医としての歩みがあります.私は卒業後,北里大学の内科学教室に入局させていただき,その後は臨床と研究と学生・研修医教育の日々を過ごし,結局,大学病院には22年間在職しました.忙しいばかりで成り行き任せの毎日の中で40代の後半に差し掛かり,ふと「何をするために医者になったのか」という医学を志したころの原点から随分遠くに離れてしまった自分に気づきました.そう,私の原点は「臨床現場で患者さんを診る」というごく単純なことだったはずなのです.少々迷う心もありましたが,残された人生は決して長くありません.思い立ったが吉日,とさっそく大学を辞し,2003年12月に現在の糖尿病専門クリニックを開業しました.以降は無我夢中で,気がつけば先日ちょうど開院10周年を無事迎えることができました.人間とは身勝手なもので,毎日たくさんの糖尿病患者さんを拝見していると,その大変さ,また辛さに「患者さんを診たい」という私の原点が揺らいでしまうこともあります.今,それくらい糖尿病患者さんは多いのです.糖尿病専門医だけではとても診療しきれません.ぜひ,他の領域をご専門とされている先生にも糖尿病患者さんを診ていただきたい.内科医に限らず他の科の先生にも糖尿病の治療にご参画いただきたい.そのために私にはどのようなお手伝いができるのだろうか?この30数年間に経験した多くの糖尿病患者さんの中から典型的,特徴的な患者さんを紹介し,それを通じて糖尿病診療のコツのようなものをお伝えすることはできないだろうかというのが,本書を執筆したきっかけの一つです.
 本書の内容は2011年5月から2年間にわたって相模原市医師会報に連載されたものですが,書籍化するために今回改めて修正,加筆を致しました.2009年4月に私は相模原市医師会の学術担当理事を命じられ,この連載を始めた当時は2期目を仰せつかったところでした.職務怠慢で,理事として何の役にも立っていないことを非常に後ろめたく思っておりました.なんとか罪滅ぼししたいという気持ちも込めて,医師会員の先生に読んでいただくために糖尿病臨床に関する連載を思い立ったという経緯もあります.医師会の先輩,同輩,後輩諸氏からは連載を継続するようにとの叱咤激励も受けておりましたが,理事職を辞するにあたり,2013年春に筆を置いた次第です.せっかくの原稿をさらに広く世に問いたいと考え,旧知の出版社である南山堂編集部に書籍化を打診したところ,快く承諾していただき,本書の発刊に至った次第です.南山堂編集部の根本英一様,山田歩様には,企画から校正,出版まで大変お世話になりました.また,書籍化をご承認いただいた相模原市医師会の役員ならびに諸先生に御礼を申し上げます.さらに,いつも一緒に糖尿病患者さんの診療の手助けをしてくれている当院のスタッフ一同にも深謝します.そして,なによりも,日々の診療の中で私に糖尿病診療のあるべき姿をお教えいただいた数多くの糖尿病患者さんたちに心より感謝申し上げます.
 本書では私が出会った糖尿病患者さんの中で特に印象の深かった20症例を取り上げました.それぞれの症例の臨床経過や治療方針を具体的に紹介し,各症例に関連するいくつかの項目について解説をするという形式にしてあります.できるだけ肩肘張らずに,診療の合間に気軽に読めるような内容と分量に致しました.1ページ目から順に読んでいただいてもよいのですが,それよりも目次をご覧になって興味のありそうな症例からお読みになってみてください.あるいは糖尿病患者さんを診ていて,ふと疑問を覚えたときに関連する項目のページをお開きになっていただいても結構です.
 本書が糖尿病診療の手助けになっていただければ幸いです.そして,1人でも多くの糖尿病患者さんに元気で楽しい人生を過ごしていただけることを切に願っております.

2014年3月  金森 晃

目次

1 糖尿病と診断するためには何が必要か
2 1型糖尿病を見逃すな
3 ミトコンドリア糖尿病とはどんな疾患
4 バセドウ病による耐糖能異常も忘れてはいけない
5 季節による血糖変動とその誘因を考える
6 本当に糖尿病患者は医者の言うことを聞かないか
7 高齢糖尿病患者の治療方針をどうするか
8 無縁社会の糖尿病
9 やはり食事療法が基本です
10 運動療法だけで血糖を下げるのは難しい
11 処方の際はまずメトホルミンを念頭に
12 メトホルミン増量の利点と注意点
13 チアゾリジン薬を処方したらアフターケアを十分に
14 食後高血糖にはα-GI
15 SU薬の生きる道と活かし方
16 グリニド薬の位置づけと配合薬の活用
17 DPP-4阻害薬への期待と展望
18 インスリンを使ってみよう
19 合併症は重症化すると元に戻れない
20 糖尿病ではいろいろな足病変が起こる


臨床メモ

劇症1型糖尿病
ミトコンドリア遺伝子とヘテロプラスミー
無痛性甲状腺炎
糖尿病指導に脅しは禁物
炭水化物制限食
メトホルミンの多面的作用
さらにチアゾリジン薬に関する話題
糖尿病薬の使い分け
心筋虚血プレコンディショニング(Ischemic preconditioning)
インクレチンの膵外作用
持効型溶解インスリンアナログ製剤
糖尿病網膜症による失明を防ぐ
足白癬と爪病変


Column

増加する2型糖尿病患者とその対策
主治医とテレビ ‐信用されているのはどちら?−
コーヒーブレイク:日本語は難しい①
         日本語は難しい②
         日本語は難しい③
         日本語は難しい④
         日本語は難しい⑤


索引