書籍カテゴリー:循環器学|内科学一般

心不全診療について本気出して考えてみた
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心不全診療について本気出して考えてみた

1版

  • 公益財団法人 心臓血管研究所 所長 山下武志 著
  • 公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 循環器内科(心不全) 医長 加藤祐子 著

定価:3,240円(本体3,000円+税8%)

  • A5判 150頁
  • 2016年4月 発行
  • ISBN978-4-525-24381-4

概要

あなたの心不全診療に哲学はあるか? 10の視点から問いかける

不整脈診療の第一人者が心不全診療に挑む! 長期にわたる心不全診療には医学的に裏づけられた診療哲学が必要である.どのように,どこまで治療すべきかが見きわめづらかった心不全診療を,臨床的な10の視点からとらえなおしてみよう.心不全診療に迷えるすべての医師が思わず膝を打つこと間違いなしの,「心不全を診る姿勢」を養う実践書.

序文

 この本は,牛乳屋さんの「コーヒー牛乳」みたいなもので,コーヒーショップで売られている本格派の「コーヒー」ではありません.私は長く不整脈や心臓電気生理学を専門として働いてきたので,本書のテーマである心不全への造詣は深くありません.にもかかわらず,なぜこのテキストを著そうと思ったのか….それは,病院で,一循環器内科専門医として過ごしていると,心不全患者の増大に気づかずにはいられなかったからです.病棟で回診をすれば,自然にその多くの時間を心不全患者に費やすことにもなっています.
 専門領域である不整脈や電気生理学を扱っていると忘れがちになる非専門家の気持ち,これは私にとって心不全患者を診療する際,ひしひしと実感されます.すべてを心不全専門家に任せようとしても,心不全が含む領域があまりに広範であり,細かなことひとつひとつに関して専門家に意見を聞いたり,あるいは患者を紹介したりすることに気がはばかられます.もちろん,その都度,教科書にあたるべきなのですが,なかなかその時間も許しません.何より,そのようにして得た知識が断片的な情報の集積になり,やがて忘れ去られていくという,困った状況の連続になりがちでした.
 そこで,あらためて「非専門家として心不全を診よう.そのとき,どのような一貫した態度で診ればよいのだろう」という課題に対して,自分自身が出した答えを文章にしてみたいと思いはじめました.すべての範囲を自分で構築することは,能力を超えていると自覚していましたので,心臓血管研究所付属病院で,心不全プロジェクトメンバーとして多職種協働・運動療法・リハビリテーションを担当している,加藤祐子先生にも加わってもらうことにしました.
 本書には,心不全診療の具体的なハウツーは記載していません.それについては,心不全の専門家が著したテキストをあたっていただいた方がより適切だと思うからです.それよりも,「こんな思想で,非専門家の自分は心不全診療にあたっています.これではたしてよいのでしょうか?」という問いかけをしてみたというのがその内容です.だから,「調べる」ための教科書ではありません.「通読できるエッセイ」と考えていただいた方が正解です.おそらく…,たくさんの批判やコメントをいただくだろうな?,と思っています.
 心不全は,「今,そしてこれから,ますます熱い」と感じます.その片隅に,こんな変な書き物がひとつぐらいあっても…と,大きな心で許してもらえればありがたいと思います.

2016年2月
山下武志

目次

目 次

1.心機能をコンディショニングする
 心機能を評価する ―心臓超音波検査
 心筋を評価する ―核医学検査
 心機能に対する介入の考えかた

2.心拍数をアジャストする
 適切な安静時心拍数とは…
 chronotropic incompetenceとは…
 洞調律と心房細動
 心拍数介入の方法

3.血管トーヌスをアレンジする
 central volume shiftとは…
 preload,afterloadの評価
 血管トーヌスへの介入

4.体液量をマネジメントする
 体液量を評価する
 塩分・水分制限
 利尿薬の用いかた

5. 呼吸をアラインする
 心不全患者における呼吸障害
 呼吸障害への介入方法

6.突然死をケアする
 心不全患者における突然死
 ICDの適応
 心臓再同期療法(CRT)の適応
 electrical stormに対する対応

7.自律神経をリセットする
 自律神経の評価方法
 近未来のゆくえ… 自律神経をターゲットとした治療

8.筋肉をエンパワーメントする
 心不全診療における骨格筋
 栄養状態・筋肉量の評価
 運動療法の効果と方法

9.メンタルをサポートする
 心不全とうつ
 薬物療法はあり?

10.薬物アドヒアランスと食事療法をキープする
 アドヒアランスとは…
 アドヒアランスを維持するために ―多職種でのかかわり
 多職種によるタッグを組むこと

おわりに

日本語索引
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