書籍カテゴリー:精神医学/心身医学|内科学一般

自律神経失調症を知ろう
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自律神経失調症を知ろう

1版

  • 渡辺クリニック院長 渡辺正樹 著

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

  • A5判 112頁
  • 2016年4月 発行
  • ISBN978-4-525-24501-6

概要

「体質」だとあきらめない!

耳鳴り,動悸,息切れ,めまい,冷え,肩こり,便秘など,つらいけれどもそれを体質と決めつけて良いのか.その不定愁訴の原因を知り,予防とケアに役立てられる.自律神経失調症の本当の怖さがわかる.(1)自律神経失調症の特徴,原因 (2)世代別にみられる特徴 (3)類似疾患や合併症状 (4)早期発見,早期対応のポイント,についてイラストを多用して解説.

序文

 「心臓は私達が意識していなくても適切に拍動を続け,全身に血液を送り続ける」,「胃は食べ物が降りて来たら,すぐに動き出して食べ物を砕き腸へ送る」.これら内臓の働きは自律神経が調節しているのです.当たり前のように私達は思っていますが,自律神経がもしヘソを曲げたら,内臓の営みは崩れてしまうのです.
100歳まで長寿を全うする高齢者なら,100年間,自律神経はほぼ正確に全ての内臓に正しい伝令を送り続けてくれるわけです.考えてみると,とても大変な作業を自律神経はやってくれているのです.ところがそうはいかない場合もあります.自律神経が失調すると,その先の内臓が適切に働かなくなり,その結果内臓の疾病を惹き起こすと考えられています.
 私は神経内科医として約30年,自律神経失調症の患者に接してきました.そこで思うことは,患者の年代で疾病のタイプも異なるということです.成長,加齢とともに内臓と自律神経は各々に変化していくため,自律神経失調症の表現形が異なるのも当然ではないかと思います.そこで今回,自律神経失調症を青少年期,壮年期,中年期以降に分けて述べていきたいと考えました.
 つくづく自律神経というのは体内で重要なパーツであると思います.自律神経をしっかり管理すれば,各年代でそれぞれ健康な生活が送れるはずです.本書で述べている自律神経に関する私の考え方は,神経内科医としてかなり自信のあるメッセージです.
 2015年12月に「ストレス・チェック制度」が施行されました.これは,50人以上の企業で実施される高ストレスに悩む従業員の一次予防策でありますが,それだけ現代はストレスに悩まされているということでもあります.会社の産業医,保健師,臨床心理士などは,めまいや動悸,耳鳴りなどで相談が持ちかけられる場面も少なくないと思います.これら体調不良のウラには自律神経失調症が隠れているかもしれません.体質と決めつけるのではなく,親身になって悩みを聞いてあげられるよう,本書が一助になれば何よりです.また,日々,自律神経失調症に悩まされている方やご家族にも,明るい未来へのヒントがたくさん入っていますので,ぜひ手に取って読んでいただきたいと思います.  
 最後に,本書の執筆で多大なるご尽力をいただいた渡辺博子さんをはじめ,渡辺クリニックのスタッフに心より感謝申し上げます.

2016年3月
渡辺正樹

目次

第1章 自律神経失調症はなぜ起きる 
  1.自律神経失調症とは
  2.脳は疲れやすい
  3.ストレスが脳の疲労を生む 
  4.脳の疲労はまず「不安」として現れる 
  5.自律神経は脳と内臓を結ぶ電線 
  6.自律神経失調症があるとストレスが内臓に伝わる 
  7.ストレスが,脳からじわじわ内臓に漏れていく 
  8.自律神経失調症は「心の病気」ではない 
  9.副交感神経機能の低下は危険 
  10.副交感神経が活動のエネルギーをつくる 
  11.内臓の動きから自律神経の強さを調べる 
    ◆偉人診察室① 手塚治虫の胃癌
 
第2章 青少年期にみられる自律神経失調症 ─学校や会社に行けない理由─ 
  1.“怠け者”の真実 
  2.起立性調節障害 
  3.ケアは,温かく厳しく! 
  4.仕事に行けない頭痛 
    ◆偉人診察室② 樋口一葉の片頭痛 

第3章 働き盛りの自律神経失調症 ─休職しなければいけない場合─ 
  1.自律神経失調症が過労死を招く場合 
  2.自殺死は心のストレス死,過労死は体のストレス死 
  3.過重労働が自律神経失調症を生む 
  4.過重労働での労働制限は自律神経機能を指標に! 
  5.怠け者なのか,働けないのか? 
  6.ストレスに耐える器には個人差がある 
  7.癌による死と過労死の関係 
    ◆偉人診察室③ 大平正芳の心筋梗塞 

第4章 中高年の自律神経失調症とその管理 ─自律神経を管理して長寿を得る─ 
  1.中高年の内臓疾患には自律神経が大きく関わる 
  2.自律神経失調症と活性酸素 
  3.自律神経失調症とリンパ球 
  4.自律神経失調症で体内に癌が育つ 
  5.自律神経失調症があると血管障害が起こりやすい 
  6.自律神経失調症とメタボリック症候群 
  7.自律神経失調症は認知症にも関連する 
  8.自律神経失調症で血圧が不安定になる 
    ◆偉人診察室④ 田中角栄の脳梗塞 

第5章 気をつけなければいけない自律神経失調症と似た症状の疾患 
  1.更年期障害 
  2.不眠症 
  3.うつ 
  4.パニック障害 
  5.胃潰瘍 
    ◆偉人診察室⑤ 夏目漱石の胃潰瘍 

第6章 自律神経失調症の対応策 
  1.自律神経失調症への対応3ステップ 
  2.自律神経失調症は現代人の生活習慣病 
  3.現代風の生活を改める 
  4.ずぼら,わがままに生活する 
  5.「もくもく」と作業を続ける 
  6.プラス思考すること 
  7.「ワクワク」すること 
  8.自然食品を食べること 
  9.スローライフに戻る 
  10.我慢しないで吐き出す 
  11.無理にでも休む 
  12.休息を恐がらない 
    ◆偉人診察室⑥ カントのアルツハイマー病