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カテゴリー: 循環器学  |  内科学一般

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日本の循環器診療 現場〈リアル〉への招待

Shinken Databaseから見えてきたもの

1版

公益財団法人 心臓血管研究所 所長 山下武志 編
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 循環器内科 鈴木信也 著
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 循環器内科 嘉納寛人 著
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 循環器内科 加藤祐子 著

定価

3,960(本体 3,600円 +税10%)


  • B5判  159頁
  • 2017年9月 発行
  • ISBN 978-4-525-24581-8

データベース研究を通して日本の循環器診療の現場を眺めてみると?

循環器疾患に日本人ならではの傾向はあるのか?日本人でも欧米の臨床試験と同一の治療効果が得られるのか?2004年から心臓血管研究所付属病院で行われている患者登録追跡事業Shinken Databaseの解析によって見えてきた,日本人の循環器疾患の特徴をまとめ,明快に解説する.リスク判断・治療方針決定に役立つ知見が満載!

  • 目次
  • 序文
目次
I 総 論

 Shinken Databaseとは何か?


II 不整脈に関する日本人の疑問

 1.心房細動患者の生命予後は日本人でどうなの?
 2.心房細動患者の脳梗塞発症率は欧米人と同じ?
 3.日本ではワルファリンはどのように使われている?
 4.DOACは日本の診療現場にどのような影響を与えた?
 5.無症候性心房細動はやがてどうなる?
 6.心房細動患者における心不全発症をどのように見積もる?
 7.心房細動と冠動脈疾患の合併で気をつけることは?
 8.日本人ではどのような患者が心房細動になりやすい?
 9.カテーテルアブレーション導入で心房細動診療はどう変わった?
 10.心室期外収縮は放置してよい?
 11.左脚ブロックは危険?


III 冠動脈疾患に関する日本人の疑問

 12.安定冠動脈疾患にPCIをすれば,その後は大丈夫?
 13.今どきの急性冠症候群の予後はどうなの?
 14.ステントの進化は日本の診療現場にどんなインパクトをもたらした?
 15.男女でPCIの成績は変わる?
 16.obesity paradoxは日本人のPCI患者にも当てはまる?
 17.糖尿病患者に対するPCIの現状はどうなの?
 18.慢性腎臓病患者に対するPCIの現状はどうなの?
 19.PCIに伴う腎機能悪化… 日本ではどうなの?
 20.急性冠症候群に対してβ遮断薬はよい効果を与える?
 21.日本人冠動脈疾患患者に対するスタチン投与の実情は?
 22.FFR値を根拠にPCIの適応を決めるとどうなる?
 23.日本でなされることの多いルーチンフォローアップCAGは必要なの?
 24.ABI測定はPCI患者の予後推定にどのくらい役立つ?


IV 心不全に関する日本人の疑問

 25.心不全入院患者の生命予後はどうなの?
 26.日本人におけるHFpEFとHFrEF… 実情は?
 27.日本人拡張型心筋症の予後はどうなの?
 28.日本人肥大型心筋症の予後はどうなの?
 29.心不全入院に季節変動はある?
 30.LVEFが改善する患者とは?
 31.心不全ではいつも運動耐容能を知る必要がある?
 32.安静時心拍数で心不全の予後を推定できる?
 33.血管硬化指標は心不全患者の予後推定に役立つ?
 34.栄養指標は心不全患者の予後推定に役立つ?
 35.心不全治療中の腎機能悪化は予後を悪くする?
 36.BNPは心房細動合併心不全患者の評価にどれほど役立つ?


おわりに 来し方行く末
序文
 循環器内科学のテキストはすでに数多く出版されています.そして,そもそも循環器内科診療については,国内外の学会から毎年,数多くのガイドラインも公表されています.「もうお腹いっぱい,これ以上は無理だね」と言ってしまいたくなるほど,新しい情報は私たちのすぐ手許にたくさんあります.

 しかし,「お腹はいっぱい」だからいつも「満足」できるというわけではないようです.少なくとも私はいつもそうです.情報や知識のリニューアルはできるものの,何かが物足りないと….得られた情報や知識の多くが,そのwhere, who, whomのほとんどを海外に依存していることもその理由のひとつかもしれません.

 本書は,そのような物足りなさを,日本の「現場(リアル)」と「個性」で埋めようと考えました.雰囲気で埋め尽くされそうなこの2つのワードを,「数字」というツールで地に足を着けることにしています.題材は,私たちの病院で実際に行われていること,Shinken Databaseです.

 理想を文章にして述べることは容易です.しかし,もっとも重要なことは,述べることではなく,行うことです.実行は言葉より雄弁に語る… からです.そもそも,「現実」世界では,いつも思ったようにうまくいくわけではありません.それをどうにかこうにか,各人が工夫しながら「個性」で対処していくしか道は残されていません.そのような日常臨床は,Clinical Evidenceの求める理想,あるいは通常のテキストが想定しているものと,何がどのように違うのか,冷静に「数字」を用いて知っておきたい….そのような思いから本書はできています.

 これまでとは異なる,まったく風変わりな循環器内科学のリアルなテキストをこの世に送り出してみます.読者一人ひとりの「個性」ある「現場(リアル)」の一助となれば幸いです.

2017年8月

著者を代表して
山下武志
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