書籍カテゴリー:呼吸器学

呼吸器疾患診療マニュアル
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日本医師会生涯教育シリーズ
呼吸器疾患診療マニュアル

1版

  • 複十字病院院長/日本医科大学名誉教授 工藤翔二 監修・編集

定価:5,940円(本体5,500円+税8%)

  • B5判 365頁
  • 2008年12月 発行
  • ISBN978-4-525-24801-7

概要

呼吸器疾患は,加齢の影響はもとより生活環境や生活習慣と密接に結びついている.また,今日の高齢社会の進行の中で患者数が増加しており,日常診療における重要性は増している.多くの疾患への診療は一般臨床医にゆだねられており,適切な対応が求められる.本書は一般臨床医が呼吸器疾患を診療する際の手引き書となることを目的として編集されたものである.

序文

呼吸器疾患は,加齢の影響はもとより生活環境や生活習慣と密接に結びついており,今日の高齢社会の進行の中で患者数が増加しており,日常診療における重要性は増している.
呼吸器疾患は,かぜ症候群にはじまる呼吸器感染症や,気管支喘息やCOPDなどの気道系疾患,特発性間質性肺炎などの間質性肺疾患,肺癌などの腫瘍性疾患,睡眠時無呼吸症候群などの呼吸の異常など,他の領域に比べて疾患の種類が多い.これらの中には,呼吸器専門医にゆだねるべきものも少なくないが,患者が最初に訪れるのはかかりつけ医をはじめとする一般臨床医である.しかも,多くは頻度の高いコモンディジーズであり,その診療は一般臨床医にゆだねられており,適切な対応が求められる.
本書は一般臨床医が小児から高齢者まで,呼吸器疾患を診療する際の手引き書となることを目的として編集されたものである.
総論として,呼吸器の臓器の性質と呼吸器疾患の特徴を分かりやすく概説し,さらに診断の進め方のポイントと,主要な症候から診断へのアプローチ,胸部X線写真とCTなどの画像診断や,呼吸機能検査,検体検査,内視鏡を用いた検査など,主な検査法を分かりやすく解説した.各論としては,日常診療で遭遇しやすい呼吸器疾患について,その概要と基本的な治療について解説した.
さらに,横断的な項目として,重篤な喘息発作や慢性呼吸不全の急性増悪など呼吸器疾患における救急対応と,禁煙指導や在宅ケアなど患者指導・支援についても取り上げた.カラー口絵に取り上げた画像の見方も役立てていただければ幸いである.
本書の執筆には各項目について,それぞれ第一線で活躍する呼吸器専門医の協力を得た.執筆者の方々に感謝するとともに,本書が会員諸氏の呼吸器疾患に対する理解を深め,明日からの診療の一助となれば幸いである.


平成20年10月
監修・編集者を代表して
工藤翔二



目次

[カラー口絵] 画像検査・気管支鏡検査で何が見えるか
  胸部単純X線写真
  胸部CT検査
  気管支鏡検査

第1章 呼吸器疾患の理解のために
  呼吸器という臓器の特徴と疾患
  ガス交換の仕組みから見た呼吸の機能
  呼吸器系の生体防御機構と疾患
  呼吸機能の年齢変化と疾患による異常
  呼吸器系への喫煙の影響
  小児期の気道 [小児]

第2章 呼吸器疾患の診かたのポイント
  患者の訴えと問診からどう迫るか
  聴診・打診が診断に役立つ呼吸器疾患
  小児呼吸器疾患─診察のコツ [小児]
  胸部単純X線写真のどこを見て,どう診断を進めるのか
  小児の胸部単純X線写真の読み方 [小児]
  「専門医に紹介すべき」と判断するとき

第3章 主要症候から診断へのアプローチ
  咳嗽─乾性か湿性か,慢性咳嗽とは何か
  小児の慢性咳嗽 [小児]
  痰─量と性状
  血痰,喀血
  急に起こった呼吸困難
  慢性の呼吸困難
  喘鳴
  小児の喘鳴 [小児]
  胸痛
  胸水貯留
  チアノーゼとばち指
  発熱
  呼吸の異常
  いびき
  鼻症状
  顔面と四肢の浮腫
  嗄声と声の異常
  意識障害

第4章 呼吸器疾患診断のための検査法
 1.画像から診断へのアプローチ
  胸部単純X線写真とCT(1)結節影,均等影,無気肺
            (2)びまん性肺陰影
            (3)肺実質外疾患
  MRI検査の役立て方
  特殊検査(1)核医学検査
      (2)右心カテーテル検査と肺血管造影
      (3)気管支動脈撮影
      (4)CTガイド下肺生検
 2.呼吸機能検査をどのように役立てるか
  スパイロメトリー─肺活量,1秒量と1秒率
  精密肺機能検査─残気率と肺拡散能
  動脈血ガス分析から分かること
  パルスオキシメーターをどう使うか
  ピークフローメーターの有用性
  「肺年齢」スクリーニングの役割
  ポリソムノグラフィー─簡易検査と精密検査
  気道過敏性検査
 3.呼吸器疾患と検体検査
  血液一般検査・生化学検査と呼吸器疾患
  喀痰検査のポイント
  感染症診断に役立つ特殊検査
  迅速抗原検査
  肺癌を疑うときの腫瘍マーカー
  間質性肺炎と血清マーカー
  膠原病肺診断のための血清マーカー
  胸水検査
  最近話題の特殊検査
 4.内視鏡を用いた組織・細胞検査
  気管支鏡検査の必要なとき
  気管支肺胞洗浄は何のために行うか
  経気管支肺生検の有用性と限界
  胸腔鏡下肺生検の適応─有用性と安全性
  気管支腔内超音波内視鏡検査

第5章 呼吸器疾患の治療
 1.呼吸器感染症
  かぜ症候群
  百日咳 [小児]
  クループ症候群 [小児]
  急性気管支炎とインフルエンザ
  小児の急性細気管支炎 [小児]
  成人市中肺炎(定型肺炎と非定型肺炎)
  誤嚥性肺炎
  小児の肺炎 [小児]
  院内肺炎と人工呼吸器関連肺炎
  肺膿瘍
  肺結核と結核性胸膜炎
  非結核性(非定型)抗酸菌症
  肺真菌症
  肺寄生虫症
 2.閉塞性肺疾患と気道系疾患
  気管支喘息
  小児気管支喘息 [小児]
  COPD(肺気腫,慢性気管支炎)
  気管支拡張症とびまん性汎細気管支炎
 3.間質性肺疾患
  特発性肺線維症とその他の特発性間質性肺炎
  サルコイドーシス
  過敏性肺炎
  じん肺症と石綿肺
  まれなびまん性肺疾患
 4.腫瘍性疾患
  小細胞肺癌
  非小細胞肺癌
  まれな腫瘍性疾患
  肺癌の合併症への対応
  転移性肺腫瘍への対応
  悪性胸膜中皮腫
  縦隔腫瘍
  肺癌検診
 5.肺循環障害
  肺血栓塞栓症
  原発性肺高血圧症
  肺動静脈瘻,肺分画症
 6.呼吸の異常
  睡眠時無呼吸症候群
  原発性肺胞低換気症候群
  過換気症候群
 7.全身性疾患に伴う呼吸器疾患
  急性肺損傷と急性呼吸窮迫症候群
  膠原病に伴う呼吸器病変
  薬剤性肺障害,薬剤性肺炎
  尿毒症および透析に伴う呼吸器疾患
  HIV感染に伴う呼吸器感染症

第6章 救急対応が必要な呼吸器疾患
  重篤な気管支喘息発作
  慢性呼吸不全患者の急性増悪とCO2ナルコーシス
  大喀血
  緊張性気胸
  大量胸水
  気道内異物と吐物の誤嚥
  溺水
  気道熱傷
  高地肺水腫
  急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

第7章 呼吸器疾患の患者指導・支援
  禁煙指導と禁煙補助薬
  在宅酸素療法
  呼吸リハビリテーション
  在宅人工呼吸
  在宅癌患者の在宅支援
  家庭でできる口腔ケア
  嚥下機能の評価と訓練
  インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン
  福祉,介護,医療の支援サービス