書籍カテゴリー:循環器学|内科学一般

循環器内科医のCKD冒険記
立ち読み

在庫状況:在庫あり

循環器内科医のCKD冒険記

1版

  • 公益財団法人 心臓血管研究所 所長/CVI ARO Chairman 山下武志 著

定価:3,300円(本体3,000円+税10%)

  • A5判 200頁
  • 2019年3月 発行
  • ISBN978-4-525-24921-2

概要

GFRやCCrの本当の意味を知っていますか?

循環器内科医,腎臓を知る.心房細動と長く付き合う患者さんは,大きな心血管イベントを起こさず維持できていれば,それで安定(変化がない)と考えてよいのか?心不全などのエピソードが突然増加したとき,それらは本当に予兆がなかったのか?心房細動診療の第一人者が,腎機能と心機能のつながりを追い,太古の海から始まる大航海に出る.

序文

“心房細動という病気は,茫洋たる海のようだ”

 カテーテルアブレーション,直接作用型経口抗凝固薬,あるいはカテーテルによる左心耳閉鎖デバイスなど,心房細動の治療や管理のツールが驚くべきスピードで進歩,発展しても,まだこの疾患の十分な解決に至らない….次から次に,残された課題が生まれては,消えていきます.

“唯一の真の英知とは,自分が無知であることを知ることにある”

 ソクラテスの名言「無知の知」です.現代社会において心房細動という茫洋たる海は,いつも私たち自身が無知であることを教えてくれます.初心の心を忘れず,絶えず学び続けることを後押しします.そして,その学びは,真っ暗な海にいつも一筋の光を与えてくれました.
 このテキストは,「CKD(慢性腎臓病)」をテーマに著したものです.心房細動の診療を通して,あらためて自分の「無知の知」を感じながら学んだこの概念が,今後ますます必要になるだろうと実感したからです.そして,この知識は,おそらく心房細動だけでなく,数多くの循環器疾患に応用可能だろうと確信しています.

 本書は二部構成です.第1部は,循環器内科医にとって必要なCKDの知識をまとめました.腎臓病とは異なる切り口でその解釈を提示しています.第2部では,その知識を心房細動診療に応用したとき,新しい見方が生まれることを示しています.診療現場で困ったなと思った時,ひとつの手がかりを与えてくれるはずです.
 最後になりますが,自分の診療経験のなかでCKDを学ぶきっかけを与えてくれた1人の患者に謝意を述べると同時に,多くの医師にこのCKDをぜひ知ってもらいたいと願います.

2019年3月
山下武志

目次

序 論 CKDに出会う
 0.腎臓の勉強を始めたわけ

第1部 CKDを識る
 1.すべては海から始まった
 2.進化の過程からネフロンを考える
 3.ネフロン数はいくつ?
 4.GFRの道しるべ:eGFRとCCrは何が違う?
 5.CKDはコンセプト:腎臓専門医から一般医の疾患へ
 6.日本にCKD患者はどれぐらいいる?
 7.誰がCKDになりやすい?
 8.CKDの進行スピード
 9.蛋白尿はなぜ悪い?
 10.eGFRが予後を規定する
 11.eGFR低下速度が予後を規定する
 12.CKDの進行予防
Column
 ・海では腎臓が造血している
 ・ネフロン数の人種差
 ・SGLT2阻害薬
 ・蛋白尿と12誘導心電図
 ・eGFRが高かったら…
 ・CKDはフレイルと関連する
 ・各患者でeGFRの変化を把握する難しさ
 ・飲水量と腎機能

第2部 心房細動とCKDの絆
 1.CKDが心房細動を発症させる
 2.心房細動はCKDを悪化させる
 3.心房細動がCKDを悪化させるわけ
 4.心房細動患者の心血管イベント
 5.心房細動患者の「非心血管死亡」
 6.心血管イベントは相互に関連している
 7.心房細動患者のeGFR低下速度
 8.CKDと薬物代謝
 9.CKDとカテーテルアブレーション
 10.eGFRとCCrから心房細動を診療する
Column
 ・CKDがなぜ心房細動を増加させるのだろう
 ・DOAC・ワルファリンとeGFR低下速度
 ・腎機能低下は大出血のリスク,大出血は死亡のリスク
 ・心房細動患者の急性腎障害は増加している
 ・添付文書とCYP3A4
 ・欧州における医師へのアンケート調査
 ・脳梗塞リスクスコアによる脳梗塞発症率予測

日本語索引
外国語索引