書籍カテゴリー:腎・泌尿器科学|精神医学/心身医学

サイコネフロロジー・マニュアル

在庫状況:絶版

サイコネフロロジー・マニュアル
腎不全患者の心理面へのアプローチ

1版

  • 東京都精神医学総合研究所主任研究員 福西勇夫 著

定価:4,752円(本体4,400円+税8%)

  • B5判 210頁
  • 1997年 発行
  • ISBN978-4-525-25001-0
  • ISBN4-525-25001-1

概要

透析・腎移植医療の進歩により,腎不全患者のQOLは飛躍的に向上している.反面,疾患の慢性化,長期化傾向に伴い心の問題が注目されるようになってきた.そのため最近,サイコネフロロジー(腎臓精神医学)という領域が,そのケアにあたる医療従事者に浸透し始めている.本書は代表的な心の問題を,症例を掲げ分りやすく解説.

目次

I.透析・透析・腎移植医療みられる心の問題
1.サイコネフロロジー(腎臓精神医学)ってなんのこと?
2.コンサルテーション・リエゾン精神医学とは?
3.さまざまな精神医学的問題が発生する血液問題
4.透析患者の3人に2人は心の問題を抱えている
5.血液透析で比較的よくみられる精神障害
6.腹膜透析に特有の心の問題
7.腎移植に伴う心の問題も決して少なくない
   ―移植前から心の問題についてチェックする―

II.腎不全患者の心を理解する前に
  ―精神症状を捉える手順―
1.精神症状を捉える手順を学ぶ
2.患者心理は状態像で捉えると意外に簡単
3.心の病気になりやすい性格

III.腎不全患者の心を理解する
1.ストレスの本当の意味を知ることから始まる
2.透析医療に伴うストレス
3.腎機能を失うという対象喪失
4.透析患者の苦悩を理解する
  ―対象喪失から疾病受容に至るまで―
5.問題行動とその裏に潜む精神心理
6.心の防衛機構とは?
    6-A.子どものように甘える(依存)
    6-B.病気を認めたくない(否認)
    6-C.透析治療を拒否する(否認)
    6-D.不定愁訴が多い(抑圧)
    6-E.八つ当たりをする(置き換え)
    6-F.被害的な考えをする(投影)
    6-G.自己を正当化し非を認めない(知性化,合理化)
    6-H.1人の人間の中によい面と悪い面が存在する(分裂)
    6- I.言葉ではなく行動で示す(行動化)
    6-J.元気そうに振る舞う(そう的防衛)
    6-K.次元の高い手段や方法で発散する(昇華)


IV.薬物で対応できる「心の問題」
1.薬物で対応できる「心の問題」はどういうものか?
2.薬物治療の適応であるかどうかの判定が治療の第一歩
3.睡眠薬の種類と使用法
4.寝つきが悪い(入眠困難)
5.夜中に目が覚める(中途覚醒)
6.朝早く目が覚める(早朝覚醒)
7.熟睡感が得られない(熟睡感の欠如)
8.夜間に足がむずむずして目が覚める
9.健康な不安と病的な不安
10.パニック状態(不安発作)
11.気分が落ち込む(うつ状態)
12.軽いうつ状態に薬を投与すべきか否か?
13.死をほのめかす(自殺念慮)
14.意味不明で被害的な訴えが強い
15.被毒妄想を訴える患者
16.皮膚に虫がはって困る
17.高齢透析患者にせん妄がみられた場合,せん妄をまず疑う
18.実存しないものがみえる
19.わけのわからないことをぶつぶつ訴える
20.夜中にごそごそして眠らない(病棟内を徘徊する)
21.透析導入時に意識混濁の状態に陥る(尿毒症性脳症)
22.透析治療でで痴呆になる?
23.身体疾患が精神状態をひき起こすこともある
24.器質的な脳症障害も精神症状をひき起こすか?
25.頻繁に使用する薬剤も精神症状をひき起こす?

V.薬物で対応できない「心の問題」
   ―カウンセリング的な接近を考える―
1.透析導入初期の血圧低下と不安,恐怖
2.透析の長期化と死への不安
3.母から譲り受けた腎臓をだめにした自責感
4.精神科医でも対応がやっかいな人格障害
(透析センターのトラブルメーカー)
5.どこの施設にもみられる心理的問題
  ―自己管理をめぐる心理的問題―
6.穿刺後を気にする患者
7.原因不明の痛みを訴える(心因性疼痛)
8.薬に依存する(薬物依存)
9.悪夢でうなされる

VI.医療スタッフを巻き込む「心の問題」
1.医療スタッフが陥りやすい心理状態
2.透析患者の言動に振り回されないようにするコツ
3.透析患者との心理的距離を考える