書籍カテゴリー:消化器学|内科学一般

C型肝炎治療Q&A
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ガイドライン準拠
C型肝炎治療Q&A

1版

  • 帝京大学医学部 内科学講座 教授 田中 篤 編

定価:4,320円(本体4,000円+税8%)

  • B5判 220頁
  • 2016年6月 発行
  • ISBN978-4-525-25541-1

概要

IFNフリーのDAAs療法を中心に,新しい治療への疑問に答えます

異なる作用機序のDAAsの登場により,経口薬のみによるC型肝炎治療が可能になった.ガイドライン作成委員で肝臓専門医のエキスパートが,C型肝炎ウイルスタイプ別,臨床検査値,併存疾患や併用薬剤の有無により,どのような患者に,どのような治療を行うべきか,新しい抗ウイルス療法を中心に,C型肝炎治療における疑問をQ&A形式で答える.

序文

 C型肝炎に対する経口抗ウイルス薬,いわゆる直接作用型抗ウイルス薬direct acting antivirals(DAAs)が臨床現場に登場してから5年が経過しようとしています.この間,新たな治療薬が数多く発売されましたが,次から次へと登場する薬剤をどのタイミングでどのような患者に使用すればよいのか,肝臓専門医でさえ判断に迷うことが少なくなかったのが正直なところでしょう.
 しかし,2015年春のゲノタイプ2型に対するソホスブビルの発売に続き,2015年秋にはゲノタイプ1型に対してレジパスビル/ソホスブビル配合剤,およびオムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル配合剤が発売され,2014年発売のダクラタスビル,アスナプレビルとならび,わが国におけるC型肝炎治療はおおむね完成した感があります.これらの薬剤は適切に使用すればいずれも著効率95%以上ときわめて高い有効性を有し,その上,副作用はほとんどなく安全性にも優れており,インターフェロンがC型肝炎治療の中心だった時代には想像もできなかったような容易さでC型肝炎ウイルス(HCV)の排除が可能となっています.しかしその反面,これもインターフェロン時代には遭遇することのなかった薬剤耐性変異という問題が大きく浮上し,加えて治療における費用対効果という視点を考慮する必要性が浮き彫りになってきたのも事実です.
 このような状況のなかで,日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会では2012年以来,「C型肝炎治療ガイドライン」を作成・改訂してきましたが,2016年5月に第5版として改訂されます.このガイドラインがC型肝炎診療に携わる多くの肝臓専門医に支持され,利用されているのは委員会の喜びとするところですが,エビデンスに立脚するガイドラインという性格上,実地医家や専門外の医師にはかなりとっつきにくいというご批判もいただいていました.
 このたび,「C型肝炎治療ガイドライン」の内容に基づき,実際にガイドラインを執筆している先生方にお願いして,日常のC型肝炎診療において遭遇するさまざまな疑問を提示し,それに対する回答を記載する,というQ&A形式に基づいた本書をまとめました.本書はC型肝炎の治療に関する初歩的な質問からup-to-dateの高度な内容までを網羅し,実地医家・一般内科医に対しては,患者に対して最新の治療内容を説明し,専門医へ紹介するうえで必要な知識を提供する一方,消化器・肝臓専門医に対しては実際のC型肝炎の治療を進めていくうえで指針を示すものとなります.
 わが国におけるC型肝炎撲滅という壮大な目標も,もはや夢物語ではありません.本書がその道しるべとなり,多くの実地医家,消化器・肝臓専門医のお役に立つことを願っています.

2016年5月
帝京大学医学部 内科学講座 教授
田中 篤

目次

第Ⅰ部 C型肝炎治療の1-2-3:専門医への紹介において一人の患者を前にした場合  田中 篤
 Q1 C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアやC型肝炎患者はどのようにして見つけることができますか?
 Q2 他の疾患で通院中の患者がC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアであることが判明しました.今後,どのように対応すればよいでしょうか?
   Column C型肝炎の治療適応決定における注意点
 Q3 以前にC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアと判明した患者を,これまで風邪などによる受診以外大きな問題はなく,そのまま経過観察してきました.今後どのようにすればよいですか?
 Q4 以前,治療適応外と診断され,現在,他の疾患で通院中のC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの患者は,新しい治療法の検討が可能でしょうか?
 Q5 C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの患者においてALT値が正常な場合,どのタイミングで肝臓専門医に紹介すればよいのでしょうか?
 Q6 C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアと判明した患者の家族などが,感染予防の観点から注意すべきことはありますか?
 Q7 医療機関で針刺し事故が起こった場合の対応について教えてください
 Q8 C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの患者に化学療法や免疫抑制薬を使用する際,注意すべきことはありますか?
   MEMO HCV感染の有無を判断するスクリーニングの手順
 Q9 C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの患者を肝臓専門医へ紹介する場合,IFNフリーの経口抗ウイルス薬による治療が受けられる場合と受けられない場合がありますか? 治癒率はどれくらいでしょうか?
 Q10 患者を肝臓専門医へ紹介する際,患者への病状説明や健康指導などにあたり注意すべき点はありますか?
 Q11 インターフェロン(IFN)フリーの経口抗ウイルス薬による抗ウイルス治療を開始すると通院頻度はどれくらいになりますか? 勤務・介護などと両立して継続できますか?
 Q12 肝臓専門医のいる病院が自宅の近くにない,頻回に通うことがむずかしいケースではどのような治療選択が可能でしょうか?
 Q13 出産を考えているあるいは妊娠中のC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアの女性にはどのように対応すればよいのでしょうか?
 Q14 認知症のある高齢のC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアは治療を受けることが可能ですか?
 Q15 腎疾患や腎機能障害のある患者,透析中の腎不全患者は抗ウイルス治療を受けることができますか?
 Q16 小児のC型肝炎ウイルス(HCV)キャリアはどのタイミングで治療するのがよいでしょうか?
 Q17 C型肝炎治療には医療費助成制度などはありますか? ある場合,その対象となる治療法,対象者,期間などについて教えてください
 Q18 SVRを得た患者を経過観察するにあたってどのような点に注意すべきか教えてください
 Q19 肝発癌後の患者に対する抗ウイルス治療はどのように行えばよいでしょうか?


第Ⅱ部 知っておきたいC型肝炎とC型肝炎ウイルス(HCV)  田中靖人 Q1-Q6,Case1,2・飯島沙幸 Q1-Q6
 Q1 わが国におけるC型肝炎ウイルス(HCV)の感染率,C型肝炎患者の年齢分布,HCVの感染源について教えてください
 Q2 C型肝炎ウイルス(HCV)のゲノム構造とその機能,持続感染のしくみについて教えてください
   MEMO 急性肝炎
 Q3 C型肝炎ウイルス(HCV)感染直後にはどのような症状がありますか? また,感染後の自然経過について教えてください
 Q4 C型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染はどのような疾患を引き起こす可能性がありますか?
 Q5 C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型(ゲノタイプ)とSVRについて教えてください
 Q6 C型肝炎の治療によって肝硬変への進展や肝癌の発症を防ぐことはできますか?
 Case1 前治療が無効(null response)であったが,新しい治療法によってSVRが達成された症例
 Case2 インターフェロン(IFN)を用いた前治療においてSVRが達成されなかったが,DAAsのみによる治療でSVRが達成された症例


第Ⅲ部 C型肝炎の検査・診断および治療対象  平松直樹?
 Q1 C型肝炎の診断に必要な検査とC型肝炎の診断基準について教えてください
 Q2 C型肝炎の治療方針の決定に必要な検査や基準について教えてください
 Q3 C型肝炎ウイルス(HCV)の薬剤耐性変異とその測定の必要性について教えてください
 Q4 治療対象の基準について教えてください.また,治療対象外となるのはどのような症例でしょうか?
 Q5 早期治療が必要なのはどのような症例でしょうか? 治療待機となるのはどのような症例でしょうか?
 Q6 HCV抗体陽性,肝機能正常の患者の場合はどのように判断するのでしょうか?
 Q7 代償性肝硬変に進行したC型肝炎患者に適応できる治療はありますか?
 Q8 非代償性肝硬変の症例にはDAAsによるインターフェロン(IFN)フリー治療は適応外でしょうか?
 Q9 高齢者症例の抗ウイルス療法の治療適応を教えてください
 Q10 高齢者症例を治療する場合の注意点を教えてください


第Ⅳ部 C型肝炎の抗ウイルス療法  鈴木文孝
 Q1 C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法としてはどのようなものがありますか?
 Q2 インターフェロン(IFN)を用いた治療法について教えてください
 Q3 DAAsの分類,作用機序,薬理作用・効果について教えてください
 Q4 リバビリンについて教えてください
 Q5 リトナビルについて教えてください
 Q6 DAAsとインターフェロン(IFN)の併用療法およびDAAsによるIFNフリー療法について教えてください
 Q7 DAAsを用いた抗ウイルス療法を行う際の留意点を教えてください
 Q8 抗ウイルス療法における副作用について教えてください
 Q9 抗ウイルス療法における併用禁忌薬について教えてください
 Case3 ダクラタスビル/アスナプレビル併用療法により肝機能障害が認められたため治療中止となったが,SVRが達成された症例


第Ⅴ部 C型肝炎における治療法選択の基準  黒崎雅之
 Q1 抗ウイルス療法において新しい薬剤が多く使用できるようになったと聞きました.薬剤の選択方法について教えてください
 Q2 C型肝炎ウイルス(HCV)のゲノタイプによる治療法選択の違いについて教えてください
 Q3 ゲノタイプ1型の初回治療例における治療法選択について教えてください
 Q4 ゲノタイプ1型の前治療再燃例における治療法選択について教えてください
 Q5 ゲノタイプ1型でDAAsを含まない前治療が無効だった症例を再治療する際の注意点を教えてください
 Q6 ゲノタイプ1型でDAAs+インターフェロン(IFN)+リバビリン併用療法による前治療が無効だった症例を再治療する際の注意点を教えてください
 Q7 ゲノタイプ1型でインターフェロン(IFN)フリーの前治療が無効だった症例を再治療する際の注意点を教えてください
 Q8 ゲノタイプ2型における治療法選択について教えてください
 Q9 ゲノタイプ1a型における治療法選択について教えてください
 Q10 ゲノタイプ3型における治療法選択について教えてください
 Case4 薬剤耐性変異を測定後,ダクラタスビル/アスナプレビル併用療法でSVRが達成できなかった症例


第Ⅵ部 C型肝炎の経過・予後  朝比奈靖浩
 Q1 SVRとはどのような状態を指し,どうやって判定されますか?
 Q2 SVRを得た症例において肝癌を発症する可能性はありますか?
 Q3 SVRを得た症例で肝癌を発症しやすいのはどのような症例でしょうか?
 Q4 IFNを含む治療によってSVRが得られたあとのフォローアップは,どのくらいの期間,どのような点に気をつけて行うべきでしょうか?
 Q5 DAAsによるインターフェロン(IFN)フリー療法によってSVRが得られたあとのフォローアップはどのくらいの期間,どのような点に気をつけて行うべきでしょうか?
 Q6 SVRを得たあと,C型肝炎が再発することはありますか? ある場合,その原因は何でしょうか?
 Q7 SVRを得た症例に対して,今後の通院や生活などについてはどのように説明するのがよいでしょうか?
 Case5 肝硬変でSVRを得た症例
 Case6 SVRを得られたが,発癌した症例


第Ⅶ部 その他の治療,生活指導  四柳 宏 Q1-Q10・奥瀬千晃 Q1-Q4・池田裕喜 Q5・山田典栄 Q6-Q10
 Q1 インターフェロン(IFN)少量長期投与について教えてください
 Q2 肝庇護療法,瀉血療法について教えてください
 Q3 C型肝炎治療を行うにあたり,注意すべき併存疾患および併用薬剤はありますか?
 Q4 腎機能障害を合併したC型肝炎患者の治療において気をつけるべき点はありますか?
 Q5 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染を合併したC型肝炎患者の治療はどのようにしたらよいですか?
 Q6 B型肝炎ウイルス(HBV)感染を合併したC型肝炎患者の治療はどのようにしたらよいですか?
 Q7 脂肪肝を合併したC型肝炎患者の治療はどのようにしたらよいですか?
 Q8 C型肝炎患者に対する飲酒,喫煙の指導はどのようにしたらよいですか?
 Q9 C型肝炎患者に対する食事や運動などの生活習慣に対する指導はどのようにすべきでしょうか?
 Q10 C型肝炎患者に対して鉄制限を行うべきでしょうか?


付表1 IFN-based DAAsの併用禁忌・併用注意薬
付表2 IFN-free DAAsの併用禁忌・併用注意薬


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