書籍カテゴリー:腎・泌尿器科学|病理学

ジョーシキ!腎病理診断エッセンシャル
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ジョーシキ!腎病理診断エッセンシャル

1版

  • 東京慈恵会医科大学 病理学講座 客員教授 城 謙輔 著
  • 神戸市立医療センター中央市民病院 病理診断科 部長 原 重雄 著

定価:11,000円(本体10,000円+税10%)

  • A4判 350頁
  • 2020年7月 発行
  • ISBN978-4-525-25801-6

概要

豊富な画像でみせる! 腎病理の新定番

これから腎病理を得意にしたい医師に必携の書籍.著者の豊富な知識と経験に基づき,腎病理を見るときにどのような思考で読み進めるかがフローチャートと著者らの解説・考察でわかりやすく書かれている.アトラスだけではわかり得ない知識が豊富に詰まっており,これから腎病理を見る医師にも有用な内容となっている.

序文

 わが国では幾多の良質な腎生検病理診断の入門書がある一方,欧米では腎病理に関する伝統的な専門書が改版を重ねている.本書は,その間をつなぐ目的で企画された.“腎病理診断エッセンシャル”の名称通り,正しい腎病理診断に導くための体系的な基礎知識を提供することを目的としている.
 症例ベースの解説本の体裁をとらず,腎病理診断の世界をできるだけ有機的に捕らえたいという意図があった.そのため,総論では,腎の解剖学,糸球体構成成分の変容と病型分類を概説し,その変容に関する組織像を網羅して,それぞれに最新の定義を付記した.次に,光学顕微鏡標本の具体的な見方と病理診断の記載法を記した.最後に,光顕像,免疫染色,電顕像の鑑別法をアルゴリズムにより解説した.それにより,正しく病変を捕らえ,そこに自然な解釈を与えて,各論の各疾患に導く道しるべを示すことができるように企画した.各論では,各々の疾患あるいは疾患群に関する疾患概念,臨床像,光顕像,免疫所見,電顕像の解説のあとに,亜型の解説と鑑別診断に紙面を割き,疑っている疾患が他疾患と比較して相対的に妥当かどうかを検証することができるように心がけた.組織分類のある疾患に関しては,その成り立ちを含めて臨床的価値を概説した.
 2016 年に“腎生検電顕アトラス”が刊行され,本書はその姉妹本として,光顕診断と免疫診断を加えて,腎生検病理診断に関する総合的な専門書を目指した.英文の専門書を通読するには多大な努力を必要とするが,まず,本書を通じて体系的な基礎知識を習得していただければ幸いである.

2020 年6月
城 謙輔
原 重雄

目次

総 論
 1  腎臓の解剖学
  A 腎臓の肉眼構造
 2  光学顕微鏡レベルでの糸球体の構成成分の変容と病型分類
  A 糸球体構成成分の変容
  B 糸球体病変の分布に関する定義
  C 糸球体病変の病型分類
 3  糸球体における病変の定義と代表的な組織像
  A 糸球体内での位置
  B 糸球体における病変の定義
  C 尿細管間質病変の定義
  D 血管病変の定義
 4  光学顕微鏡標本の見方
  A 腎生検の見方の実際
 5  光学顕微鏡による鑑別
  A 光学顕微鏡的に糸球体細胞増多がない場合
  B 光学顕微鏡的に糸球体細胞増多がある場合
 6  免疫染色による鑑別
  A 用語の用い方
  B 糸球体に特異的沈着パターン
  C 糸球体非特異的沈着パターン
  D 尿細管疾患における特異的沈着
  E 尿細管疾患における非特異的沈着
 7  電子顕微鏡による鑑別
  A 沈着物がある場合
  B 沈着物がない場合

各 論
 1  微小変化病
  A 概念・定義
  B 微小変化病(MCD)の亜型
  C 鑑別診断
  D 臨床病理学的鑑別診断のまとめ
 2  巣状分節性糸球体硬化症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 組織分類(Columbia 分類に従った診断アルゴリズム)
  D 病因論的分類
  E 観察上の注意点:特に二次性FSGS について
 3  膜性腎症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
  D 特殊な膜性腎症
 4  IgA 腎症
  A 概念・定義
  B 臨床的事項
  C 病理所見
  D 臨床所見と電子顕微鏡所見との関連
  E IgA 腎症の組織標本における着眼点
  F 組織分類
  G 鑑別診断
  H IgA 腎症に合併する疾患群
 5  細菌感染に伴う免疫複合体型糸球体腎炎疾患群
  A 傍感染性糸球体腎炎と感染後性糸球体腎炎
  B 細菌感染に伴う免疫複合体型糸球体腎炎群
  C まとめ
 6  一次性膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)
  A 概念・定義
  B MPGN に共通した臨床所見
  C 一次性MPGN
  D MPGNⅡ型デンスデポジット病(DDD)
  E MPGNⅢ型first form(Burkholder type)
  F MPGNⅢ型second form(Strife and Anders type)
  G 一次性MPGN の鑑別診断のまとめと問題点
 7  C3 腎症:デンスデポジット病とC3 腎炎
  A 概念・定義
  B C3 腎症からみたデンスデポジット病
  C C3 腎炎
 8  二次性膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN 様病変)の鑑別診断
  A 疾患概念と分類
  B 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)様病変の鑑別診断の手順
  C 免疫グロブリン沈着関連MPGN 様病変の鑑別
  D 内皮傷害型疾患群
  E まとめ
 9  膠原病関連腎炎(血管炎を除く)
  A ループス腎炎
  B ループス腎炎の組織分類の変遷(WHO 組織分類とLeiden 分類)
  C ループス腎炎の特殊型
  D 関節リウマチ(RA),ブシラミン腎症
  E 皮膚筋炎(DM),多発性筋炎(PM)
  F 強皮症腎,全身性硬化症(PSS)
  G 混合性結合織病(MCTD)
  H シェーグレン症候群(SjS)
  I  抗リン脂質抗体症候群(APS)
 10 全身性血管炎
  A 血管炎の疾患概念
  B 臨床所見
  C 病理所見
  D ANCA 関連血管炎の亜型
  E MPA,GPA,EGPA の臨床病理学的鑑別
  F ANCA 関連腎症の組織分類
  G ANCA 関連腎炎のその他の補足事項
  H グッドパスチャー症候群
  I  結節性多発動脈炎
  J  全身性血管炎の診断アルゴリズム
 11 血栓性微小血管症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 12 腎硬化症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 13 糖尿病性腎症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 組織分類
  D 観察上の注意点
 14 パラプロテイン血症に伴う腎障害
  A 総 論
  B 各 論
 15 POEMS 症候群・TAFRO 症候群
 POEMS 症候群
  A 概念・定義
  B 臨床所見
  C 光学顕微鏡所見
  D 免疫所見
  E 電子顕微鏡所見
 TAFRO 症候群
  A 概念・定義
  B 光学顕微鏡所見
  C 免疫所見
  D 電子顕微鏡所見
 16 アルポート症候群,菲薄基底膜病
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 17 脂質異常関連腎症
  A 脂質の種類とその動態
  B 脂質異常症と腎障害
  C 先天性脂質代謝異常症
  D 脂質異常症の形態的証明法
 18 ミトコンドリア病
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 19 遺伝性嚢胞性腎疾患
  A 常染色体優性遺伝型嚢胞腎(ADPKD)
  B 常染色体劣性遺伝型嚢胞腎(ARPKD)
  C 家族性若年性ネフロン癆(FJNPH)
  D 常染色体優性尿細管間質性腎疾患(ADTKD)
 20 爪膝蓋骨症候群・膠原線維沈着性糸球体症
 爪膝蓋骨症候群
  A 概念・定義
  B 臨床的事項
  C 光学顕微鏡所見
  D 免疫所見
  E 電子顕微鏡所見
 膠原線維沈着性糸球体症
  A 概念・定義
  B 臨床的事項
  C 光学顕微鏡所見
  D 免疫所見
  E 電子顕微鏡所見
 21 尿細管間質性腎症
  A 総 論
  B 各 論
  C まとめ
 22 免疫チェックポイント阻害薬による腎障害
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 23 IgG4 関連腎症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 観察上の注意点
 24 移植腎拒絶反応(Banff 分類)
  A 概念・定義
  B 病理所見,組織分類(Banff 2017)
  C 観察上の注意点
 25 カルシニューリン阻害薬関連腎症
  A 概念・臨床的事項
  B 病理所見
  C 組織分類
 26 移植腎のウイルス感染症
  A BK ウイルス
  B アデノウイルス腎症
  C サイトメガロウイルス(CMV)腎症
 
  Index