カテゴリー: 腎・泌尿器科学
臨床腎臓内科学
1版
聖マリアンナ医科大学 准教授 安田 隆 編集
横浜市立大学 准教授 平和伸仁 編集
日本海総合病院 部長 小山雄太 編集
定価
22,000円(本体 20,000円 +税10%)
- B5判 1051頁
- 2013年5月 発行
- ISBN 978-4-525-25871-9
腎臓を学ぶにはまずこの1冊!
AKI,CKD,糸球体疾患から水・電解質異常,透析まで,腎臓内科に関する臨床から基礎までを網羅.腎臓内科専門医を目指す研修医はもちろん,すでに専門医資格を取得している医師にも最適.
- 序文
- 目次
序文
腎臓に関連した種々の疾患を診療する際の参考として,腎臓内科学を志す医師を対象にしたマニュアル本やガイドラインは数多く出版されている.また,医学部の学生のために著された教科書も多数ある.一方,疾患や病態について詳細に知りたい,これまでの歴史的な経緯を含めて詳しく勉強してみたい,と思った時に読む座右の書としての腎臓内科学テキストは,そのほとんどが英語で書かれたものである.腎臓専門医は各人が異なった本を愛読していると思われるが,その主なものとして,Brenner&Rector’s the Kidney,Schrier’s Diseases of the Kidney (Diseases of the Kidney and Urinary Tract),Comprehensive Clinical Nephrology,そしてPrimer on Kidney Diseasesなどが挙げられる.翻ってみると,日本語で書かれた教科書には,腎臓内科学を志す医師の間で愛読され広く普及しているもの,つまり「決定版」が少ないことに気づく.
そこで,専門医を目指す医師,また専門医となった医師にも有用な,机の上に一冊置いておきたい日本語の教科書を作成したい,という思いに駆られて本書「臨床腎臓内科学」を企画した.教科書として腎臓に関連する多くの疾患を網羅できるように項目を選定し,また各章の配列にも工夫と独自性をにじませた.さらに現時点で必ずしも明確になっていない問題や今後の課題を「Perspective」の形で添え,今後我々がさらに追求すべき視点の参考にしたいと考えた.各項目の執筆には現在臨床の第一線で活躍中の諸先生に腕をふるっていただいた.
編者一同は,本書の作成の全過程において,この書籍がいわゆるマニュアル本やガイドラインとも異なる,個々の疾患や病態について理解の深まる,内容が凝縮された本にしたいという願いをもって作業を進めた.多くの項目を選定したために,一項目毎の頁数が少なくなってしまったが,筆者の方々の工夫と熱意のおかげで,充実した内容を記載していただけた.海外の有名な教科書には及ばないかもしれないが,日本語で読むことのできる教科書として,腎臓内科学を志す医師にとって有用なものが作成できたと自負している.用語については可能な限り腎臓学用語集に基づいて掲載したが,AKIについては急性腎障害,急性腎傷害,そして急性腎臓傷害などさまざまな日本語訳が用いられており,統一されていない.そこで,本書では現在最も使用されていると思われる用語の掲載を心懸けた.
科学の世界は日進月歩であり,これは腎臓内科学についても言えることである.今後,本書「臨床腎臓内科学」は改訂を重ねるにつれて,より最新の内容を含む,また海外の著名な教科書に劣らないものとなっていくように成長させたいと編者一同願っている.
最後に,お忙しいなか時間を割いて執筆を引き受けてくださった筆者の方々にここで深謝させていただきたい.そして,本書の作成に縁の下の力持ちとして終始支えてくださり,励ましてくださった南山堂諸氏にこの場を借りて感謝の意を表する.
2013年3月
編者一同
そこで,専門医を目指す医師,また専門医となった医師にも有用な,机の上に一冊置いておきたい日本語の教科書を作成したい,という思いに駆られて本書「臨床腎臓内科学」を企画した.教科書として腎臓に関連する多くの疾患を網羅できるように項目を選定し,また各章の配列にも工夫と独自性をにじませた.さらに現時点で必ずしも明確になっていない問題や今後の課題を「Perspective」の形で添え,今後我々がさらに追求すべき視点の参考にしたいと考えた.各項目の執筆には現在臨床の第一線で活躍中の諸先生に腕をふるっていただいた.
編者一同は,本書の作成の全過程において,この書籍がいわゆるマニュアル本やガイドラインとも異なる,個々の疾患や病態について理解の深まる,内容が凝縮された本にしたいという願いをもって作業を進めた.多くの項目を選定したために,一項目毎の頁数が少なくなってしまったが,筆者の方々の工夫と熱意のおかげで,充実した内容を記載していただけた.海外の有名な教科書には及ばないかもしれないが,日本語で読むことのできる教科書として,腎臓内科学を志す医師にとって有用なものが作成できたと自負している.用語については可能な限り腎臓学用語集に基づいて掲載したが,AKIについては急性腎障害,急性腎傷害,そして急性腎臓傷害などさまざまな日本語訳が用いられており,統一されていない.そこで,本書では現在最も使用されていると思われる用語の掲載を心懸けた.
科学の世界は日進月歩であり,これは腎臓内科学についても言えることである.今後,本書「臨床腎臓内科学」は改訂を重ねるにつれて,より最新の内容を含む,また海外の著名な教科書に劣らないものとなっていくように成長させたいと編者一同願っている.
最後に,お忙しいなか時間を割いて執筆を引き受けてくださった筆者の方々にここで深謝させていただきたい.そして,本書の作成に縁の下の力持ちとして終始支えてくださり,励ましてくださった南山堂諸氏にこの場を借りて感謝の意を表する.
2013年3月
編者一同
目次
目 次
I.急性腎障害(AKI)
1 AKI総論
2 AKI/ARFの原因と病態生理
3 AKI/ARFの臨床評価
4 AKI/ARFの治療と予後
II.慢性腎臓病(CKD)
1 CKDの定義と疫学
2 CKDの病態と症状,検査
3 CKDの管理
4 CKDの治療-1(食事,生活指導)
5 CKDの治療-2(降圧療法)
6 CKDの治療-3
III.透析・血液浄化療法
1 腎不全と腎代替療法
2 血液透析のバスキュラーアクセス
3 血液透析のメカニズム
4 血液透析合併症
5 腹膜透析の原理・技術・適応
6 腹膜透析の現状と合併症
7 腹膜透析と適正透析
8 腎不全患者治療上の心理学的側面
9 持続的腎代替療法
10 個別疾患に対する血液浄化療法(まとめ)
11 血漿交換(PE, DFPP)
12 免疫吸着療法
13 白血球系細胞除去療法
14 LDLアフェレシス療法
15 その他の血液浄化療法
IV.腎移植
1 移植の免疫学の基本
2 腎移植の成績と問題点
3 腎移植ドナーおよびレシピエントの術前評価
4 移植に用いられる免疫抑制薬の使用の基本
5 腎移植手術(膵腎同時移植を含む)
6 腎移植後の腎機能低下
7 腎移植後レシピエントの管理
8 腎提供後のドナーの管理
V.水・電解質異常
1 体液量の調節メカニズムからみた異常
2 水代謝異常
3 Na代謝異常
4 カリウム値の異常
5 カルシウム・リンの異常
6 マグネシウム異常
7 その他の電解質や元素の異常
8 酸塩基平衡異常
9 代謝性アシドーシス
10 代謝性アルカローシス
11 呼吸性アシドーシス,呼吸性アルカローシス
12 輸液概論
VI.糸球体疾患
1 糸球体疾患のイントロダクション
2 慢性糸球体腎炎とネフローゼ症候群(発生病理と分類)
3 微小変化型ネフローゼ症候群
4 巣状分節性糸球体硬化症
5 膜性腎症
6 急性管内増殖性糸球体腎炎
7 半月体形成性糸球体腎炎とANCA関連腎炎
8 膜性増殖性糸球体腎炎
9 IgA腎症
10 糖尿病性腎症
11 ループス腎炎
12 血管炎に伴う糸球体障害
13 抗糸球体基底膜疾患とGoodpasture 症候群
14 感染に伴う糸球体疾患(MRSA,細菌感染,ウイルス:肝炎ウイルスやHIV,その他)
15 異常蛋白血症とアミロイドーシス
16 遺伝性疾患
17 糸球体疾患を起こす薬剤
VII.尿細管間質疾患
1 尿細管間質疾患総論
2 急性間質性腎炎
3 慢性間質性腎炎
4 尿細管性アシドーシス
5 Sjogren症候群
6 ミエローマ(骨髄腫腎)
7 Bartter症候群とGitelman症候群
8 IgG4関連腎症
9 高尿酸血症と腎臓
10 放射線腎症
11 尿細管毒性物質
12 その他の尿細管間質疾患
VIII.血管性疾患
1 腎の血管系疾患のとらえ方
2 良性腎硬化症
3 虚血性腎症
4 コレステロール塞栓症
5 血管炎
6 血栓性微小血管症
7 強皮症腎
8 腎静脈血栓症,ナットクラッカー現象
IX.高血圧
1 高血圧の疫学と診断基準
2 高血圧の成因と分類(本態性と二次性)
3 生活習慣の修正
4 降圧治療
5 腎実質性高血圧
6 腎血管性高血圧
7 内分泌性高血圧
8 高血圧緊急症
9 加速型-悪性高血圧
10 高血圧と遺伝
X.妊婦と腎疾患
1 通常妊娠の腎生理
2 妊娠高血圧腎症
3 高血圧患者の妊娠
4 腎疾患を有する患者の妊娠
5 妊婦に生じた腎障害の管理
XI.薬剤と腎
1 薬物使用の原則
2 機序と原因
3 NSAIDs
4 抗菌薬
5 抗悪性腫瘍薬
6 造影剤
7 漢方薬とハーブ
XII.遺伝性・先天性疾患
遺伝性腎疾患の原因遺伝子一覧
1 糸球体の遺伝性・先天性疾患
2 尿細管の先天性機能異常
3 遺伝性嚢胞性疾患
4 腎血管の遺伝性異常
5 遺伝性疾患に伴う腎疾患(爪・膝蓋骨症候群など)
6 腎・尿路の先天的形態異常
XIII.尿路異常
1 先天性泌尿器発育異常(水腎症)
2 下部尿路閉塞性疾患(前立腺疾患)
3 膀胱尿管逆流症と逆流性腎症
4 腎・尿路結石
5 腎石灰化症
XIV.尿路感染症
1 膀胱炎と尿道炎(複雑性膀胱炎を含む)
2 上部尿路感染症(急性および慢性)
3 腎・腎周囲の膿瘍
4 その他の感染症(尿路真菌感染症,尿路結核)
XV.腎の基本的な構造と機能
1 腎の構造と機能のオーバービュー
2 腎・泌尿器系の解剖(マクロとミクロ)
3 腎・泌尿器系の発生
4 腎循環と糸球体血行動態および糸球体限外濾過
5 尿細管の機能
6 体液量の調節(Na の調節)
7 体液濃度の調節(尿濃縮と希釈)
8 カリウムの調節
9 酸塩基平衡の調節
10 カルシウム・リン・マグネシウムの調節
11 有機イオンと尿酸の輸送
12 ホルモンと腎
XVI.腎疾患の症候と検査
症 候
1 腎機能障害
2 蛋白尿
3 血尿
4 浮腫
5 高血圧
6 脱水
7 乏尿・無尿
8 多尿
9 頻尿
10 夜間尿
11 腰痛,背部痛(叩打痛)
12 意識障害
13 ショック(ショックと腎:ショックでの腎障害,CKD時のショック)
検 査
1 尿検査
2 画像検査
3 腎機能の評価
4 腎生検
■ コラム
非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎(非IgA腎症)
膠原病・RA・オーバーラッピング症候群と腎障害
クリオグロブリン血症
抗リン脂質抗体症候群?
圧利尿曲線と血圧
略語一覧
日本語索引
外国語索引
I.急性腎障害(AKI)
1 AKI総論
2 AKI/ARFの原因と病態生理
3 AKI/ARFの臨床評価
4 AKI/ARFの治療と予後
II.慢性腎臓病(CKD)
1 CKDの定義と疫学
2 CKDの病態と症状,検査
3 CKDの管理
4 CKDの治療-1(食事,生活指導)
5 CKDの治療-2(降圧療法)
6 CKDの治療-3
III.透析・血液浄化療法
1 腎不全と腎代替療法
2 血液透析のバスキュラーアクセス
3 血液透析のメカニズム
4 血液透析合併症
5 腹膜透析の原理・技術・適応
6 腹膜透析の現状と合併症
7 腹膜透析と適正透析
8 腎不全患者治療上の心理学的側面
9 持続的腎代替療法
10 個別疾患に対する血液浄化療法(まとめ)
11 血漿交換(PE, DFPP)
12 免疫吸着療法
13 白血球系細胞除去療法
14 LDLアフェレシス療法
15 その他の血液浄化療法
IV.腎移植
1 移植の免疫学の基本
2 腎移植の成績と問題点
3 腎移植ドナーおよびレシピエントの術前評価
4 移植に用いられる免疫抑制薬の使用の基本
5 腎移植手術(膵腎同時移植を含む)
6 腎移植後の腎機能低下
7 腎移植後レシピエントの管理
8 腎提供後のドナーの管理
V.水・電解質異常
1 体液量の調節メカニズムからみた異常
2 水代謝異常
3 Na代謝異常
4 カリウム値の異常
5 カルシウム・リンの異常
6 マグネシウム異常
7 その他の電解質や元素の異常
8 酸塩基平衡異常
9 代謝性アシドーシス
10 代謝性アルカローシス
11 呼吸性アシドーシス,呼吸性アルカローシス
12 輸液概論
VI.糸球体疾患
1 糸球体疾患のイントロダクション
2 慢性糸球体腎炎とネフローゼ症候群(発生病理と分類)
3 微小変化型ネフローゼ症候群
4 巣状分節性糸球体硬化症
5 膜性腎症
6 急性管内増殖性糸球体腎炎
7 半月体形成性糸球体腎炎とANCA関連腎炎
8 膜性増殖性糸球体腎炎
9 IgA腎症
10 糖尿病性腎症
11 ループス腎炎
12 血管炎に伴う糸球体障害
13 抗糸球体基底膜疾患とGoodpasture 症候群
14 感染に伴う糸球体疾患(MRSA,細菌感染,ウイルス:肝炎ウイルスやHIV,その他)
15 異常蛋白血症とアミロイドーシス
16 遺伝性疾患
17 糸球体疾患を起こす薬剤
VII.尿細管間質疾患
1 尿細管間質疾患総論
2 急性間質性腎炎
3 慢性間質性腎炎
4 尿細管性アシドーシス
5 Sjogren症候群
6 ミエローマ(骨髄腫腎)
7 Bartter症候群とGitelman症候群
8 IgG4関連腎症
9 高尿酸血症と腎臓
10 放射線腎症
11 尿細管毒性物質
12 その他の尿細管間質疾患
VIII.血管性疾患
1 腎の血管系疾患のとらえ方
2 良性腎硬化症
3 虚血性腎症
4 コレステロール塞栓症
5 血管炎
6 血栓性微小血管症
7 強皮症腎
8 腎静脈血栓症,ナットクラッカー現象
IX.高血圧
1 高血圧の疫学と診断基準
2 高血圧の成因と分類(本態性と二次性)
3 生活習慣の修正
4 降圧治療
5 腎実質性高血圧
6 腎血管性高血圧
7 内分泌性高血圧
8 高血圧緊急症
9 加速型-悪性高血圧
10 高血圧と遺伝
X.妊婦と腎疾患
1 通常妊娠の腎生理
2 妊娠高血圧腎症
3 高血圧患者の妊娠
4 腎疾患を有する患者の妊娠
5 妊婦に生じた腎障害の管理
XI.薬剤と腎
1 薬物使用の原則
2 機序と原因
3 NSAIDs
4 抗菌薬
5 抗悪性腫瘍薬
6 造影剤
7 漢方薬とハーブ
XII.遺伝性・先天性疾患
遺伝性腎疾患の原因遺伝子一覧
1 糸球体の遺伝性・先天性疾患
2 尿細管の先天性機能異常
3 遺伝性嚢胞性疾患
4 腎血管の遺伝性異常
5 遺伝性疾患に伴う腎疾患(爪・膝蓋骨症候群など)
6 腎・尿路の先天的形態異常
XIII.尿路異常
1 先天性泌尿器発育異常(水腎症)
2 下部尿路閉塞性疾患(前立腺疾患)
3 膀胱尿管逆流症と逆流性腎症
4 腎・尿路結石
5 腎石灰化症
XIV.尿路感染症
1 膀胱炎と尿道炎(複雑性膀胱炎を含む)
2 上部尿路感染症(急性および慢性)
3 腎・腎周囲の膿瘍
4 その他の感染症(尿路真菌感染症,尿路結核)
XV.腎の基本的な構造と機能
1 腎の構造と機能のオーバービュー
2 腎・泌尿器系の解剖(マクロとミクロ)
3 腎・泌尿器系の発生
4 腎循環と糸球体血行動態および糸球体限外濾過
5 尿細管の機能
6 体液量の調節(Na の調節)
7 体液濃度の調節(尿濃縮と希釈)
8 カリウムの調節
9 酸塩基平衡の調節
10 カルシウム・リン・マグネシウムの調節
11 有機イオンと尿酸の輸送
12 ホルモンと腎
XVI.腎疾患の症候と検査
症 候
1 腎機能障害
2 蛋白尿
3 血尿
4 浮腫
5 高血圧
6 脱水
7 乏尿・無尿
8 多尿
9 頻尿
10 夜間尿
11 腰痛,背部痛(叩打痛)
12 意識障害
13 ショック(ショックと腎:ショックでの腎障害,CKD時のショック)
検 査
1 尿検査
2 画像検査
3 腎機能の評価
4 腎生検
■ コラム
非IgAメサンギウム増殖性糸球体腎炎(非IgA腎症)
膠原病・RA・オーバーラッピング症候群と腎障害
クリオグロブリン血症
抗リン脂質抗体症候群?
圧利尿曲線と血圧
略語一覧
日本語索引
外国語索引