書籍カテゴリー:生化学

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在庫状況:絶版

レチノイド・カロテノイド
体内代謝と発癌予防

1版

  • 岐阜大学名誉教授 武藤泰敏 著

定価:7,020円(本体6,500円+税8%)

  • B5判 224頁
  • 1997年 発行
  • ISBN978-4-525-26001-9
  • ISBN4-525-26001-7

概要

本書は,レチノイド(ビタミンA類縁化合物の総称)・カロテノイドの,基礎から臨床まで,栄養疫学から発癌予防・治療まで網羅されている.したがって,医学,栄養学,薬学,理学部の学生,大学院生はじめ研究者,臨床家がレチノイド・カロテノイドの分子生物学を理解するための格好の解説書である.

目次

I.レチノイド・カロテノイド研究の歴史   (森脇久隆)

 A.レチノイドとは
 B.ナイル文明までさかのぼるレチノイド研究の歴史
 C.レチノイド結合タンパクの発見
 D.核レセプターの発見――もはや単なるビタミンではない
 E.癌予防への応用

II.レチノイド・カロテノイドの化学

 A.レチノイドの化学構造による分類と特徴(四童子好・荒木寛治)
  1.環式レチノイド
  2.非環式レチノイド
  3.アンタゴニスト
  4.レセプター選択的レチノイド
 B.測定法(西脇理英)
  1.はじめに
  2.試料取り扱い上の注意
  3.標準溶液の作製
   a 試薬
   b 標準溶液の作製
  4.レチノイド・カロテノイドの分析
   a 血漿からのレチノイド・カロテノイドの抽出および分析
   b 生体組織からのレチノイド・カロテノイドの抽出および分析
  5.レチノイン酸の測定法

III .レチノイド・カロテノイドの摂取と代謝

 A.レチノイド・カロテノイドはどんな食物に含まれるのか(大森正英)
  1.レチノイド(ビタミンA)を含む食品
  2.カロテノイドについて
  3.ビタミンAの含有量
  4.食品中のビタミンA含有量の変化
  5.ビタミンAの所要量
  6.ビタミンAの摂取の現状

 B.レチノイド・カロテノイドの消化・吸収(大森正英)
  1.レチニルエステルの消化・吸収
  2.β-カロテンの消化・吸収
  3.レチノイド・カロテノイドの体内吸収に及ぼす要因
   a吸収効率
   b病態との関連
   c血中濃度への影響
 C.レチノイドの代謝と活性代謝産物(森脇久隆・畠山啓朗)
  1.ビタミンAの運搬役としてのレチノール結合タンパク
    RBPの分子生物学
  2.眼(視覚)におけるレチノイド代謝
  3.その他の臓器・組織におけるレチノイド代謝
 D.カロテノイドの代謝(四童子好)
  1.カロテノイドの腸管吸収
  2.カロテノイドの体内代謝

IV.レチノイド・カロテノイドの医学

 A.レチノイド・カロテノイドと疫学
  1.栄養疫学――欠乏症(福富 尉)
   a はじめに
   b ビタミンA活性物質
   c ビタミンA所要量
   d ビタミンA欠乏症
   e 治療
  2.癌の疫学・その他(二ノ宮三生)
   a レチノイドとヒトの癌との関連についての疫学研究
   b 血中のレチノイドおよびカロテノイドのレベルと発癌との関連
   c 介入試験
 B.レチノイド・カロテノイドに異常をきたす病態
  1.肝疾患(足立定司)
   a 各種肝疾患に伴うレチノイドの代謝異常
   b レチノイドと肝線維化
   c 閉塞性黄疸における味覚障害とレチノール代謝との関係
   d アルコール性肝障害とレチノイド
  2.消化管疾患(森脇久隆・三輪佳行)
  3.高脂血症(森脇久隆・三輪佳行)
  4.癌(森脇久隆・三輪佳行)
  5.その他(森脇久隆・三輪佳行)

V.レチノイド・カロテノイドの分子生物学的作用機序

 A.レチノイドの分子生物学
  1.細胞内結合タンパクの役割(西脇伸二)
   a 細胞内レチノール結合タンパク(CRBP)
   b 細胞内レチノール結合タンパク(II)(CRBP(II))
   c 細胞内レチノイン酸結合タンパク(CRABP)
   d 細胞内レチノイン酸結合タンパク(II)(CRABP(II))
   e その他の細胞内レチノイド結合タンパク
  2.核レセプターの役割(西脇伸二)
   a 核内レセプタースーパーファミリー
   b 核内レセプターによる転写調節機構
   c レチノイン酸レセプター(RAR)
   d レチノイドXレセプター(RXR)
   e 新しいホルモンとしての9-cisレチノイン酸
   f レチノイドレセプターの応答性エレメント
   g レチノイドレセプターのタンパク二量体相互作用
  3.生理作用を制御する分子機構(奥野正隆・今峰徹)
   a 視覚
   b 成長・生殖
   c 上皮組織の機能維持
   d 味覚
   e 終末分化
   f 形態形成
   g 免疫
  4.レチノイドによる発癌予防(四童子好)
   a 発癌予防とは
   b 化学予防薬はなぜ開発されにくいのか
   c レチノイドへの期待――抗プロモーション作用
   d 抗プロモーション作用の分子メカニズム
   e レチノイドディレンマ
   f 非環式レチノイドの発見
   g 非環式レチノイドによる発癌予防のメカニズム
   h 発癌抑制におけるアポトーシスの役割
 B.カロテノイドに生理作用はあるか(奥野正隆)

VI.レチノイド・カロテノイドと疾病の予防・治療
 A.薬物としてのレチノイド
  1.レチノイドによる発癌予防(中村憲昭)
   a レチノイドによる癌治療における臨床応用
   b レチノイドによる癌の化学予防
  2.白血病の治療(鶴見 寿)
   a レチノイドによる白血病の分化誘導療法の幕開け
   b 急性前骨髄球性白血病(APL)の臨床的特徴
   c APLの発症メカニズム
   d APLの診断と微小残存白血病の検出
   e APLにおけるレチノイド療法の効果
   f APLにおけるATRA療法の作用機序
   g ATRA療法の副作用,レチノイン酸症候群
   h ATRA耐性
   i ATRAとG-CSFの併用効果
   j APLの治療方針と今後の検討課題
   k 新規レチノイドの開発
  3.過剰症・副作用(香田弘司)
    合成レチノイド投与による副作用
 B.カロテノイドの薬理
  1.カロテノイドの抗酸化作用
   a.癌の予防(藤井 淳)
   b.動脈硬化の予防(小野木啓人)
   2.皮膚病治療のためのβ-カロテン(小野木啓人)
   3.過剰症・副作用(小野木啓人)

VII.レチノイド・カロテノイド座談会

 1.レチノイド・カロテノイド――これまでの理解
 2.カロテノイドの代謝
 3.レチノイド・カロテノイドの毒性
 4.レチノイド・カロテノイドの作用
 5.レチノイド・カロテノイドの分布
 6.癌とレチノイド・カロテノイド
 7.分化誘導かアポトーシスか
 8.非環式レチノイド開発の経緯
 9.非環式レチノイドのクローン選択作用
 10.レチノイドによるintracrine regulation
 11.癌化学予防今後の展開