書籍カテゴリー:放射線医学/核医学

核医学検査技術学
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診療放射線技術選書
核医学検査技術学

第3版

  • 九州大学教授 佐々木雅之 編
  • 福岡大学教授 桑原康雄 編

定価:4,536円(本体4,200円+税8%)

  • A5判 420頁
  • 2015年4月 発行
  • ISBN978-4-525-27943-1

概要

3版では,PET/CTやSPECT/CTの普及,半導体カメラやPET/MRなど,放射線治療法や画像再構成法などのデータ処理の新技術のしくみを解説.臨床的な内容をアップデートしている.核医学の基礎知識から,新しい検査・治療法まで学べる教科書.

序文

 本書の初版が発行されてから10年,改訂2版から7年が経過しました.当時は普及し始めであったPET装置はほとんどがPET/CT装置となり,最近はPET/MRI装置も導入が始まっています.さらに,SPECT装置もSPECT/CT装置へと移行してきています.近年の核医学検査は形態画像とあわせて施行されるようになり,独立したモダリティとして実施されていた頃よりも代謝画像・機能画像としての意義が強調されるようになっています.特に,検査結果は代謝を評価するバイオマーカーとして利用されるようになっており,安定した定量性と高い再現性が求められるようになっています.分子イメージングのモダリティとして,すっかり定着した感があります.
 従来,形態画像検査と位置づけられていたCTやMRIは,装置性能の向上と撮像法の進歩によって機能的な解析にも利用されるようになってきています.形態・機能の融合から,さらに形態・機能・代謝の複合へと進化が進んでいます.一方,核医学治療の領域ではアルファ線を利用した治療の治験が進んでおり,あらたな可能性が広がりをみせ,これからの分子治療として重要な役割を担うと思われます.
 今回の改訂では,これまでに九州大学病院で核医学診療に従事した関係者と保健学部門医用量子線科学分野の新しいメンバーを加えた執筆陣としました.基本的には従来の構成を踏まえた上で最近の核医学技術の進歩を盛り込んでいます.しかし日進月歩の領域ですので,われわれの記述では不十分の部分や知りえていない部分もあると思います.ぜひ読者の方々からのご指摘とご批判をいただきながら改めていければと思っております.
 最後に,故 松浦啓一九州大学名誉教授,増田康治九州大学名誉教授,本田浩九州大学大学院教授,一矢有一先生,ならびに九州大学大学院医学研究院臨床放射線科および九州大学病院医療技術部放射線部の諸氏に厚く御礼申し上げます.

2015年2月
佐々木雅之

目次

1章 核医学の基礎知識

 A.核医学とは
 B.核医学の歴史
 C.放射線物理学
1.原子核
2.原子核の崩壊と放射能
3.結合エネルギー
4.核反応
5.γ線と物質との相互作用
 D.放射線に関する単位
1.放射性同位元素に関する単位
a.放射能
b.エネルギー
c.半減期
d.壊変定数
e.反応断面積
2.放射線の線量に関する単位
a.照射線量
b.吸収線量
c.カーマ
d.等価線量
e.実効線量
f.線量当量
g.個人線量当量
h.周辺線量当量
i.方向性線量当量
j.線質係数1
k.1 cm線量当量率定数
 E.放射線計測
1.放射線測定器
a.サーベイメータ
b.シンチレーションカウンタ
c.個人被曝線量測定器
2.シンチレータのγ線検出
a.エネルギーによる検出率
b.幾何学的効率
3.数え落し
 F.核医学施設の安全管理
1.核医学領域における放射線管理
2.核医学診療に関係する法令
3.核医学の関連施設
4.核医学診療を実施するために必要な法的手続き
5.核医学施設における放射線管理業務
6.安全対策


2章 放射性医薬品

 A.放射性医薬品の定義
 B.放射性医薬品の分類と特徴
1.インビトロ診断用放射性医薬品
2.インビボ診断用放射性医薬品
3.インビボ治療用放射性医薬品
 C.放射性核種の製造
1.原子炉による放射性核種の製造
2.サイクロトロンによる放射性核種の製造
3.ジェネレータによる放射性核種の製造
 D.シングルフォトン放出核種放射性医薬品
1.無機化合物と標識化合物
2.99mTc標識化合物
3.放射性ヨウ素標識化合物
 E.ポジトロン放出核種放射性医薬品
1.標識化合物自動合成装置
2.11Cの製造
3.15Oの製造
4.13Nの製造
5.18Fの製造
 F.インビボ用放射性医薬品の品質管理
 G.インビボ用放射性医薬品による体内被曝
1.MIRD法による吸収線量計算
2.S値を用いる方法
 H.インビボ診断用放射性医薬品の投与放射能


3章 核医学装置と技術

 A.核医学装置
1.シンチレーションカメラとSPECT装置
2.PETCT装置
3.PET?MRI装置
4.PEM装置
5.半導体カメラ
6.データ処理装置
7.PET核種製造用サイクロトロン
8.摂取率測定装置
9.ガンマプローブ
10.試料測定装置
 B.撮像原理と画像処理
1.データ収集
2.画像処理
3.断層画像処理
4.核医学データ解析
 C.性能評価と保守管理
1.核医学装置の基本性能と画像評価
2.シンチレーションカメラとSPECT装置の性能評価
3.シンチレーションカメラとSPECT装置の保守管理
4.PET装置の性能評価
5.PET装置の保守管理


4章 インビボ検査各論

 A.中枢神経系
1.脳血流シンチグラフィ
2.脳脊髄腔シンチグラフィ
3.脳シンチグラフィ
4.15OPETによる脳循環代謝測定
5.18F?FDG?PETによる脳糖代謝測定
6.中枢性ベンゾジアゼピン受容体シンチグラフィ
7.ドパミン系神経伝達機能測定
8.アミロイドイメージング
 B.内 分 泌
1.甲状腺シンチグラフィ
2.甲状腺摂取率機能検査
3.副甲状腺シンチグラフィ
4.副腎皮質シンチグラフィ
5.副腎髄質シンチグラフィ
 C.呼 吸 器
1.肺血流シンチグラフィ
2.肺換気シンチグラフィ
3.肺吸入シンチグラフィ
 D.循 環 器
1.心筋血流シンチグラフィ
2.心筋梗塞シンチグラフィ
3.心筋脂肪酸代謝シンチグラフィ
4.心筋交感神経機能シンチグラフィ
5.心プールシンチグラフィ
6.心筋PET
心筋バイアビリティ
心筋サルコイドーシス
心筋血流
心筋酸素代謝・脂肪酸代謝
7.RIアンギオグラフィ・RIベノグラフィ
 E.消 化 器
1.唾液腺シンチグラフィ
2.肝(コロイド)シンチグラフィ
3.肝アシアロシンチグラフィ
4.胆道シンチグラフィ
5.脾臓シンチグラフィ
6.門脈シンチグラフィ
7.異所性胃粘膜(メッケル憩室)
 F.泌 尿 器
1.腎静態シンチグラフィ
2.腎動態シンチグラフィ・レノグラム
3.精巣(睾丸)シンチグラフィ
 G.骨・関節 307
1.骨シンチグラフィ
2.関節シンチグラフィ
 H.血液・造血器
1.循環血漿量
2.循環赤血球量
3.循環血液量
4.赤血球寿命
5.血栓シンチグラフィ
6.骨髄シンチグラフィ
7.リンパシンチグラフィ
8.センチネルリンパシンチグラフィ
 I.腫瘍・炎症
1.ガリウムシンチグラフィ
2.タリウム腫瘍シンチグラフィ
3.ソマトスタチン受容体シンチグラフィ
4.標識白血球炎症シンチグラフィ
5.腫瘍イムノシンチグラフィ
6.腫瘍FDG?PET検査
7.その他の腫瘍PET検査


5章 インビトロ検査

1.インビトロ検査概要
2.インビトロ検査の基礎
3.インビトロ検査法の原理
4.検査の流れ
5.測定試薬の評価
6.基準値
7.測定誤差と精度管理


6章 核医学治療

1.核医学治療概要
2.甲状腺癌
3.甲状腺機能亢進症
4.骨転移の除痛療法
5.悪性リンパ腫
6.131I-MIBG