書籍カテゴリー:小児科学|皮膚科学

こどものおむつ部によくみる50症状

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こどもの皮膚50症状シリーズ
こどものおむつ部によくみる50症状
どう診て・どう対応するか

1版

  • 愛育病院皮膚科部長 山本 一哉 著

定価:5,076円(本体4,700円+税8%)

  • 四六倍判 139頁
  • 2005年5月 発行
  • ISBN978-4-525-28471-8
  • ISBN4-525-28471-4

概要

第3弾は誰でも一度は経験する「おむつ部のトラブル」です.
治療のポイントや私の処方など,臨床的な事柄は他のシリーズ同様,充実しているが,本書では特におむつ部の皮膚病変を知る際にはまず,おむつかぶれ,さらにはおむつそのものについて知ることが基本と考え,乳幼児用紙おむつ,乳児用のおしりふきについて詳しく触れました.
また,新生児肛囲皮膚炎は予防できるという最新の知見も盛り込みました.

序文

1980年代のはじめ頃,ネパールに学生を引率して診療に行かれた当時鳥取大学医学部皮膚科教授故島雄周平先生から,一通のお手紙をいただいた.そこには,今も忘れることのない一行が書かれてあった.「山本先生,ネパールにはおむつかぶれのこどもはいないです.なぜなら,おむつをしていないからです」ということであった.実に天地自然の法則,おむつは必ずするものとなんの疑いもなく暮らす社会のこどもに存在する悩みは,おむつをしなければ存在しないのである.
はからずも,当時すでにこどもを診る立場になっていた筆者には,それ以来「おむつをしていない感じのおむつを,おむつをしなければならない社会に生まれたこどものために作りたい」という願いが芽生えた.ちょうど日本の「紙おむつ」ブームが始まり,実に多数の会社と,少しでもよい紙おむつを開発するべく励んだことが懐かしく思い出される.そしてよい紙おむつを作ることは,やがては自分のためにもなると信じている.
さて,小児皮膚科学領域では,おむつ年代の乳幼児患者が一番多い.そして,それがどのような皮膚疾患であろうと「おむつ部」皮膚も必ず診察することが,医師には忘れてはならないことである.こうして,おむつをはずして観察することを,1965年から今に至るまで続けた結果,私はおそらく日本で一番乳幼児のおむつ部を診た先生になってしまったと思う.
ところで「こどもの皮膚50症状シリーズ」は患者数最多のアトピー性皮膚炎に始まったが,誰でも一度は経験するものは?と考えてみた.すると「おむつ部のトラブル」だと気がついて,この本になったというわけである.臨床的な事柄も,シリーズ1,2,同様に網羅したが,とくに本書では,乳幼児用紙おむつ,乳幼児のおしりふきについて詳しく触れたつもりである.そのために多くの資料ならびにご教示をいただいた花王(株)石田耕一,笠井孝夫,村田真実,須藤左奈恵の各氏,ユニ・チャーム(株)藤岡義久,米本晋也の両氏(各社とも順不同)の皆様に深く感謝する次第である.

2005年2月 山本一哉


目次

はじめに

I.おむつ部の皮膚変化
 1.おむつの歴史的考察
 2.おむつかぶれといわれるもの
 3.臨床症状の多様性
 4.発症機序の新知見
 5.二,三の発症関連因子について
 6.治療と予防

II.乳幼児用紙おむつ
 1.日本の紙おむつの歴史
 2.紙おむつの種類と構造
 3.紙おむつとアトピー性皮膚炎
 4.布おむつでは何が起きるか─おむつの表面性状の重要性

III.乳幼児のおしりふき
 1.乳幼児のおしりふきの変遷
 2.おむつ部のスキンケア─乳幼児のおしりふきはお勧めか

IV.おむつ部によくみる50症状
 1.陰部色素沈着
 2.陰部浮腫
 3.新生児落屑
 4.新生児肛囲(肛門周囲)皮膚炎─軽症例─
 5.新生児肛囲皮膚炎─中等症例─
 6.新生児肛囲皮膚炎─重症例─
 7.新生児肛囲皮膚炎(広範囲)
 8.新生児肛囲皮膚炎─重症例─
 9.おむつかぶれ(逆説的)
 10.おむつ皮膚炎(肛囲型)─ごく軽度─
 11.おむつ皮膚炎
 12.おむつ皮膚炎
 13.おむつ皮膚炎
 14.おむつ皮膚炎(13.の背面)
 15.おむつ皮膚炎
 16.おむつ皮膚炎,乾燥性湿疹
 17.アトピー性皮膚炎─軽症例─
 18.接触皮膚炎
 19.接触皮膚炎
 20.接触皮膚炎
 21.接触皮膚炎(灯油)─重症例─
 22.接触皮膚炎,乳児寄生菌性紅斑
 23.接触皮膚炎,乳児寄生菌性紅斑
 24.乳児寄生菌性紅斑─極めて初期─
 25.乳児寄生菌性紅斑─初期例─
 26.乳児寄生菌性紅斑─初期例─
 27.おむつ皮膚炎,乳児寄生菌性紅斑─初期例─
 28.乳児寄生菌性紅斑
 29.乳児寄生菌性紅斑
 30.乳児寄生菌性紅斑
 31.乳児寄生菌性紅斑(広範囲)
 32.乾癬型表在性皮膚カンジダ症(腹側)
 33.乾癬型表在性皮膚カンジダ症(背側)
 34.おむつ皮膚炎,乳児寄生菌性紅斑,潰瘍
 35.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS) 新生児剥脱性皮膚炎(Ritter)
 36.カポジー水痘様発疹症(腹側)
 37.カポジー水痘様発疹症(背側)
 38.体部白癬(ぜにたむし)
 39.伝染性軟属腫
 40.川崎病
 41.川崎病(腹側)
 42.川崎病(背側)
 43.固定薬疹
 44.腸性肢端皮膚炎(亜鉛欠乏症候群)
 45.乳児臀部肉芽腫
 46.小児慢性水疱性皮膚症
 47.先天性表皮水疱症
 48.苺状血管腫,瘢痕
 49.蒙古斑(児斑)
 50.レックリングハウゼン病

V.乳幼児用紙おむつで気になること,その対応策
 1.気になる状態
 2.治療のポイント
3.乳幼児用紙おむつのギャザー部分の改良

VI.最新の知見─新生児肛囲皮膚炎は予防できる

参考文献

使われている薬剤(治療法)