書籍カテゴリー:小児科学|内科学一般

症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて
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症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて

1版

  • 国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長 海老澤元宏 編

定価:5,400円(本体5,000円+税8%)

  • 四六倍判 264頁
  • 2013年11月 発行
  • ISBN978-4-525-28481-7

概要

年代別に大きな変化や違いのある「食物アレルギー」.乳児期,幼児期,学童・思春期,成人期に分け“診療の手引き”や“ガイドライン”では埋められないヒントやコツを,多くの症例を通して学べる実践書.さらに一歩進んだ「食物アレルギー」の診療が可能に!「食物アレルギー」の診療にあたるさまざまな領域の医師必読の一冊.

序文

わが国では食物アレルギーに関する“食物アレルギーの診療の手引き”や“食物アレルギー診療ガイドライン”は2005年に公開され,その後も改訂され提示されていますが,食物アレルギーはほかのアレルギー疾患と異なり,画一的な治療プランなどでは対処できず,まさに個別化医療を実践しなくてはならない疾患です.食物アレルギーの診療はもの凄い勢いで進化し,昔の常識は非常識になり,5年前,10年前の知識・経験でもあっという間に時代遅れになります.食物アレルギーに関する個別化医療を進めていくためには多くの症例を通してさまざまな経験を積むのが一番重要なことですが,症例が豊富にある施設以外では症例の経験を積むには時間を要します.症例数が10倍違えば,勉強できるスピードも10倍違いますし,経験した症例数に応じて食物アレルギーの診療のレベルが上がることは間違いない事実です.食物アレルギーの“診療の手引き”や“ガイドライン”,既存の食物アレルギーに関する成書を読んでも診療の進め方の細部を理解するのは困難なことも多いと思います.本書の中で,国立病院機構相模原病院に2週間勉強に来られた青森県の先生のご経験を書いていただいています.彼女は対応の難しい患者さんとともに当院に来られました.その症例と先生の解説を読んでいただくとわかりますが,食物アレルギーの実地の勉強はまさに「百聞は一見にしかず」だと思います.
南山堂から「食物アレルギーに関する本を出版したい」と提案された際に,手引きやガイドラインでは理解し得ない点をどのように埋めていくかを考慮し,本書を企画しました.その結果,この本のコンセプトに辿り着き,“症例を通して食物アレルギーを学ぶこと”が個別化医療を実践する最も手っ取り早い方法と思いつきました.食物アレルギーは小児から成人まで幅広く認められ,年代別に大きな変化や違いのある疾患です.そこで,乳児期,幼児期,学童・思春期,成人期に分けて考え得る症例を想定し,国立病院機構相模原病院小児科・内科の現役・OBの医師を中心に,食物アレルギーの症例を豊富に経験されている先生方に執筆していただくことにしました.
2013年10月19,20日に開催する第50回日本小児アレルギー学会に合わせて本書を刊行できたことに,執筆いただいた多くの先生方,出版をお誘いいただいた南山堂,長い間辛抱強くお付き合いいただいた担当の高見沢恵さんに心より感謝します.
本書が,学術論文やガイドライン等と医療現場の間の埋められないギャップに対する解決策を,食物アレルギーの診療に携わる多くの領域の先生方,そしてコメディカルの方に提供できることを祈念しています.

2013年10月
海老澤 元宏

目次

基 本 編

1.歴史的背景と概念の変化(自分の経験を踏まえて)
2.疫学
3.臨床型分類と自然歴
4.免疫学的機序
5.アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係
6.食物アレルゲン
7.年代別問診のポイント
8.特異的IgE抗体検査
9.特異的IgE抗体検査(コンポーネント)
10.皮膚テスト
11.好塩基球活性化マーカー
12.食物経口負荷試験 乳幼児編:オープン
13.食物経口負荷試験 学童編:ブラインド
14. 食物経口負荷試験の判定と最終診断 軽微な症状の判定について
15.即時型症状への対応
16.経口免疫療法
17.食事・栄養指導
18.食品表示 加工食品のアレルギー表示
19.投与禁忌薬物と予防接種
20.病診連携
21.社会的対応:保育所(園)
22.社会的対応:学校
23.社会的対応:災害時の対応

症 例 編

Ⅰ.乳児期
1.新生児・乳児消化管アレルギー:低出生体重児
2.新生児・乳児消化管アレルギー:正常出生体重児
3.新生児・乳児消化管アレルギー:母乳栄養児
4.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎発症早期(生後2~3ヵ月):皮膚テスト遅発型反応
5.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎典型例:皮膚テスト即時型反応陽性・血液検査陰性例
Column:食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎のチェックリスト
6.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:湿疹の悪化を伴い重症化した例
7.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:下痢を伴い重症化した例
Column:食物アレルギーの関連情報が得られる公的なサイト
8.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:過剰な除去を指導されている例
9.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:鶏卵・牛乳・小麦などの多抗原陽性例の離乳食の進め方
10.乳児期即時型発症(湿疹皆無):人工栄養例
11.乳児期即時型発症(湿疹皆無):離乳食開始後

Ⅱ.幼児期
1.食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎からの移行例
2.アトピー性皮膚炎のコントロール不良例
3.混乱している保護者への対応
4.過剰な除去を指導されている例:医療面
5.過剰な除去を指導されている例:栄養面
6.鶏卵アレルギー
7.牛乳アレルギー
8.小麦アレルギー
9.大豆アレルギー
10.ジャガイモアレルギー
11.ヤマイモアレルギー
12.ピーナッツアレルギー
13.ゴマアレルギー
14.ナッツ類アレルギー
15.ソバアレルギー
16.魚アレルギー
17.魚卵アレルギー
18.甲殻類アレルギー
19.軟体類アレルギー
20.肉アレルギー
21.果物アレルギー(クラス1)
22.経口免疫療法:鶏卵
23.経口免疫療法:牛乳
24.経口免疫療法:小麦
25. 鶏卵アレルギー児に塩化リゾチームが処方された症例
26.保育所での給食対応の問題例:誤食
27.エピペンR使用例
28. 医師研修も含めた病病連携

Ⅲ.学童・思春期
1.クラス2食物アレルギーによる口腔アレルギー症候群
2.食物依存性運動誘発アナフィラキシー
3.経口免疫療法(アナフィラキシータイプ):鶏卵
4.経口免疫療法(アナフィラキシータイプ):牛乳
5.経口免疫療法(アナフィラキシータイプ):小麦
6.経口免疫療法(アナフィラキシータイプ):ピーナッツ
7.学校での対応の問題例:エピペンR
8.学校での対応の問題例:給食
9.学校での対応の問題例:食事・おやつ・食材との接触を伴う活動
10.学校での対応の問題例:宿泊を伴う活動
11.牛乳アレルギー児にリカルデントペーストを使用した症例
12.喘息合併牛乳アレルギー児に乳糖含有ドドライパウダー製剤が処方された症例

Ⅳ.成人期
1.甲殻類アレルギー
2.貝アレルギー
3.アニサキスアレルギー
4.食物依存性運動誘発アナフィラキシー
5.茶のしずく石けんによる即時型コムギアレルギー
6.口腔アレルギー症候群
7.豆乳アレルギー
8.納豆アナフィラキシー
9.甘味料アレルギー
10.肉アレルギー(α-gal)
11.食物に混入するダニの経口摂取によるアナフィラキシー
12.食品中の色素・添加物への反応例
13.心因反応との鑑別:多種化学物質過敏症 
14.基礎疾患を有する食物アレルギー患者への対応:非ステロイド性消炎鎮痛薬
15.基礎疾患を有する食物アレルギー患者への対応:βブロッカー


巻末資料
アレルゲンのまとめ
アレルゲン検査項目一覧
アレルゲンクラッチエキス「トリイ」リスト一覧
代替食品一覧
食物アレルギー対応食 1週間サイクルメニュー
アレルギー物質を含む食品表示のまとめ
アレルギー症状の重症度評価と対応マニュアル
国立病院機構相模原病院の負荷試験食

索引