書籍カテゴリー:小児科学

ベッドサイドの小児神経・発達の診かた
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ベッドサイドシリーズ
ベッドサイドの小児神経・発達の診かた

第3版

  • 国立国際医療センター名誉総長・東京大学名誉教授 鴨下 重彦 監修
  • 自治医科大学教授 桃井真里子 編集
  • 国立成育医療センター医長 宮尾益知 編集
  • 東京大学大学院教授 水口雅 編集

定価:7,776円(本体7,200円+税8%)

  • B5変型判 314頁
  • 2009年4月 発行
  • ISBN978-4-525-28553-1

概要

小児科の研修医・医師の方すべてに身に付けていただきたい小児神経の具体的な診察の手順・方法を小児神経専門医が実践に即してわかりやすく解説.3版は,「高次脳機能障害の診かた」,「睡眠障害の診かた」をはじめ,新たに必須の項目・内容を盛り込み,日常診療の現場でより実践的に活用いただける全面改訂版.

序文

子どもの診療は子ども全体を診ることであり,発達を含む神経学的評価は,最も重要な評価の1つとなります.神経筋疾患が考えられる場合だけではなく,どのような病態や疾患であったとしても,適切な神経学的評価は不可欠であるばかりか,しばしば適切な診断へと導く鍵にもなります.疾患の範疇が何であっても,小児期の疾患やその治療は成長や発達に様々な影響を与えることになるため,「神経と発達を診る」ことは子どもの診察の基本であり,また問題の早期発見と早期対応は子どものより良い成長発達に欠かせません.現在のように臨床検査技術や神経画像診断技術がいかに進歩しても,神経系に関しては,丁寧な診察で得られる神経学的診察所見が最も鋭敏な情報となります.小児の神経学的所見は,神経学的局在症候が多くを語る成人の場合とは異なり,この神経学的局在症候に加えて,一定の幅のある神経系の発達の理解と評価が基盤になります.
子どもの神経学的所見は,診察時の状態だけでも著しく左右されますし,発達は正常と異常の判断が極めて難しい領域です.この難しさを解決するために,今回の全面改訂では実際の診療場面で役立つよう具体的に記述することを重視いたしました.問診で有用な情報を引き出すための質問のしかた,診察の手順,評価のしかたの実際など,どの章でも読んで直ちに診療に役立つように,診療経験にかかわらず一定の情報や所見が得られるように工夫されています.また,神経学的診察の基本である発達についてはとくに重視し,発達の診かた,発達障害の診かたに関する記述により多くの頁を割きました.そのため,書名を「小児神経・発達の診かた」といたしました.これは子どもを診る多くの方々に,子どもの発達の評価をできるだけ容易に習得していただきたいという願いからです.さらに,近年重要視されている子どもの心の診療についても,小児神経学的診察による発達評価がその基本を成すことから,発達障害,行動上の問題,精神心理的問題の早期診断にも踏み込めるような項目を盛り込みました.
このように今回は,研修医,小児科医,総合医,家庭医,内科医などの子どもを診るすべての方々に直ちに役立てていただける内容を目指して,全面的な改訂となりました.本書が常に小児診察の傍らにあり,子ども達の神経系や発達上の問題がより早期に把握され,適切な医療へとつながっていくことを執筆者一同心から願っています.

2009年3月
編者代表 桃井真里子

目次

第1章 診察の基本

A.診察の手順
 1.外 来
 2.病 棟
B.主訴と病歴聴取
 1.発達の遅れ
 2.発達の退行
 3.麻 痺
 4.けいれん発作
 5.疼 痛
C.発症と経過の聴取
 1.発症様式
 2.経 過
D.家族歴聴取の基本
 1.家族歴聴取の順序と基本ポイント
 2.疾患別家族歴のポイント
E.既往歴聴取の基本
F.神経学的診察の基本
 1.新生児の神経学的診察の基本
 2.乳児の神経学的診察の基本
 3.幼児の神経学的診察の基本
 4.学童の神経学的診察の基本
G.診察用具
 1.神経学的診察に必要な用具
 2.発達評価に必要な用具
H.他職種との連携
 1.医療機関内
 2.地域における専門職との連携
I.小児神経診療に必要な書類の書き方
 1.自立支援医療費用診断書(精神通院)
J.診察の記録


第2章 一般所見の診かた

A.全身所見
 1.身体計測と評価
 2.バイタルサインの評価
 3.成長の評価
 4.精神状態とその評価
 5.皮 膚
 6.リンパ節
B.局所所見
 1.小奇形
 2.頭頸部
 3.胸 部
 4.腹 部
 5.骨 格


第3章 新生児の神経の診かた

A.診察に必要な周産期情報
 1.母体の情報,妊娠経過
 2.周産期情報
B.新生児の一般的診察
C.新生児の神経学的診察
 1.全身状態
 2.姿 位
 3.反 射
 4.筋緊張
 5.けいれん
 6.目


第4章 精神発達と機能の診かた

A.精神発達の診かた
 1.認知の発達
 2.生活習慣行動の発達
 3.社会性の発達
 4.言語の発達
 5.数の概念の発達
 6.描画の発達
 7.時間概念の発達
B.言語発達障害の診かた
 1.言語発達の遅れ
 2.構音の異常
 3.リズムの異常
 4.会話の異常
 5.吃 音
 6.言語発達障害の原因の診かた
C.行動・情動(情緒)の発達の診かた
 1.行動の発達
 2.情動の発達
 3.行動の異常
D.発達障害の診かた
 1.発達障害総論
 2.知的障害
 3.広汎性発達障害
 4.注意欠陥多動性障害
 5.学習障害
 6.発達性協調運動障害


第5章 高次脳機能障害の診かた

A.高次脳機能障害とは
 1.高次脳機能障害の診断基準
 2.小児の高次脳機能障害
B.言語機能障害
 1.失 語
 2.失読・失書
C.行為・認知機能障害
 1.失 行
 2.失 認
 3.視空間認知障害
 4.記憶障害
 5.前頭葉機能障害


第6章 精神症状の診かた

A.診察の基本
 1.面接のしかた
 2.主訴と問診
 3.精神所見の取りかた
 4.身体所見の取りかた
B.精神症状の診かた
 1.うつ状態
 2.不登校
 3.行動上の問題
 4.ストレス関連症状
 5.摂食の異常
 6.緘 黙


第7章 運動発達と機能の診かた

I.運動発達の診かた
A.粗大運動の発達
 1.背臥位の発達
 2.腹臥位の発達
 3.頸定の発達,引き起こし反応の発達
 4.座位の発達
 5.立位,歩行の発達
B.微細運動,協調運動の発達
 1.物をつかむ動作の発達
C.運動発達の評価法
 1.神経学的診察による評価
 2.発達質問紙による評価
II.運動機能の診かた
A.主訴と問診
 1.主 訴
 2.問 診
B.運動障害の診察の進めかた
C.筋力の評価
D.筋緊張の診かた
 1.筋緊張亢進
 2.筋緊張低下
E.歩行の診かた
 1.歩行障害の問診
 2.歩行障害
 3.歩行に関する検査
F.協調運動の診かた
 1.協調運動の検査


第8章 反射の診かた

A.反射の診かたの基本
 1.乳児の反射の診かた
 2.幼児の反射の診かた
 3.ハンマーの使用法
B.原始反射
 1.脊髄反射
 2.脊髄・橋レベルの反射
C.姿勢反射
 1.中脳,視床レベルの反射
 2.皮質レベルの反射
D.乳児摂食反射
E.深部反射と表在反射
 1.深部反射(腱反射)
 2.表在反射
F.病的反射
 1.Babinski徴候
 2.Chaddock反射
 3.Hoffmann反射,Tromner反射
 4.足間代


第9章 感覚の診かた

A.感覚の分類と経路
 1.表在感覚(触覚,痛覚,温度覚)
 2.深部感覚(位置覚,振動覚)
 3.複合感覚(皮質性感覚)
B.感覚の発達
 1.視覚の発達
 2.聴覚の発達
 3.嗅覚の発達
 4.味覚の発達
C.感覚異常の診かた
 1.診察方法
 2.検査方法
 3.感覚障害の原因疾患


第10章 脳神経の診かた

A.嗅神経
 1.嗅 覚
 2.嗅覚異常
B.視神経
 1.視 力
 2.視 野
 3.眼底検査
C.動眼,滑車,外転神経
 1.眼球運動
 2.眼瞼の運動
 3.瞳 孔
D.三叉神経
 1.運動神経枝
 2.知覚神経枝
 3.三叉神経が関与する反射
E.顔面神経
 1.運動枝
 2.知覚枝
F.聴神経
 1.聴 覚
 2.前庭機能
 3.めまい
G.舌咽神経,迷走神経
 1.口蓋の観察
 2.咽頭反射
 3.軟口蓋反射
H.副神経
 1.胸鎖乳突筋
 2.上部僧帽筋の検査
I.舌下神経


第11章 不随意運動の診かた

A.小児の不随意運動
 1.問 診
 2.診 察
 3.検 査
B.不随意運動の診かた
 1.振 戦
 2.ミオクローヌス
 3.舞踏運動(ヒョレア)
 4.アテトーゼ
 5.バリズム(バリスムス)
 6.ジストニア
 7.ジスキネジー
 8.チック


第12章 小脳障害の診かた

 1.協働収縮異常
 2.測定異常
 3.反復拮抗運動不能(症)
 4.筋緊張低下
 5.asthenia(無力症)
 6.体幹の失調,姿勢の異常
 7.歩行の異常
 8.眼症状
 9.振 戦
 10.構音障害
 11.小脳の主な支配血管とその障害
 12.小脳症状と局在病変
 13.小脳症状を呈する疾患


第13章 脳性麻痺の診かた

A.脳性麻痺とは
B.病型別脳性麻痺の診かた
 1.痙直型
 2.アテトーゼ型(不随意運動型)
 3.失調型
C.年齢別脳性麻痺の診かた
 1.乳児期早期
 2.乳児期後半
 3.幼児期
 4.学童期以降


第14章 脊髄障害の診かた

A.脊髄の解剖と機能
 1.脊髄の外形と分節的支配
 2.脊髄の主な解剖学的構築と機能
 3.脊髄の循環
B.脊髄障害の症状
C.脊髄障害の原因
 1.脊髄切断症候
 2.脊髄圧迫症候
 3.系統疾患
D.脊髄障害の高位診断
E.脊髄損傷合併症の診かた
 1.下肢変形
 2.褥 瘡
 3.膀胱直腸障害
 4.心理・社会的側面


第15章 末梢神経障害の診かた

 1.末梢神経障害の特徴
 2.末梢神経障害の症状
 3.末梢神経障害の分布様式
 4.経過と発症様式
 5.一般検査


第16章 筋疾患の診かた

A.筋疾患の診かた
B.診察のしかた
 1.筋疾患による運動障害の診かた
 2.筋委縮の評価
 3.腱反射低下の評価
 4.易疲労性の評価
 5.筋脱力
 6.筋緊張低下乳児(フロッピーインファント)の診かた


第17章 自律神経障害の診かた

A.主訴と問診
B.症候と障害の診かた
 1.瞳孔,毛様体の異常
 2.涙腺,唾液腺の異常
 3.発汗の異常
 4.膀胱機能の異常
 5.直腸機能の異常
 6.血管運動機能の異常
 7.自律神経失調症の診かた


第18章 頭痛の診かた

A.小児期の頭痛
 1.頭痛の分類
 2.小児期の頭痛の基礎疾患
B.頭痛の診かた
 1.問 診
 2.家族歴
 3.身体所見の取りかた
 4.眼 底


第19章 睡眠障害の診かた

A.睡眠の発達
 1.睡眠ステージ
 2.睡眠リズムと睡眠周期
 3.睡眠時間
B.主訴と問診
 1.不 眠
 2.夜 驚
 3.悪 夢
 4.中途覚醒
 5.覚醒障害
 6.過睡眠
C.身体所見
D.精神発達,精神状態の評価
E.睡眠と覚醒の評価
 1.睡眠日誌
 2.終夜睡眠ポリグラフ検査
 3.睡眠潜時反復検査
F.睡眠時の呼吸の評価


第20章 けいれんの診かた

A.けいれんとてんかん
 1.小児期けいれんの特徴
 2.けいれん発作(てんかんの診断)
 3.けいれん類似疾患
 4.てんかん類縁疾患
 5.てんかん発作の分類
B.てんかんならびに てんかん症候群の国際分類
 1.局在関連てんかんおよび症候群
 2.全般てんかんおよび症候群
 3.焦点性か全般性か未定なてんかんおよび症候群


第21章 意識障害の診かた

A.救急処置と問診
 1.救急処置
 2.問 診
 3.一般身体所見
B.意識障害の診かた
 1.重症度の診かた・記載法
 2.神経学的所見
 3.姿勢・運動
 4.眼症候
 5.意識障害の特殊型
 6.意識障害と誤りやすい状態


第22章 髄膜刺激症候・脳圧亢進症候の診かた

A.髄膜刺激症候
 1.症 状
 2.徴 候
B.頭蓋内圧亢進症候
 1.症 状
 2.徴 候
 3.随伴所見
C.脳ヘルニア
 1.分 類
 2.症 候
 3.脳ヘルニアによる二次性脳幹障害


第23章 小児の脳死判定

A.脳死の判定基準
B.判定上の注意点
 1.深昏睡
 2.瞳 孔
 3.脳幹反射
 4.脳波活動の消失
 5.自発呼吸の消失
 6.判定間隔
 7.障害の診断
 8.脳死状態の継続
 9.小児神経科医の関与

索 引