書籍カテゴリー:外科学一般

縦隔の外科
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縦隔の外科
手術手技アトラス

1版

  • 名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫外科学分野准教授 矢野智紀 著

定価:12,960円(本体12,000円+税8%)

  • AB判 133頁
  • 2013年4月 発行
  • ISBN978-4-525-31221-3

概要

わが国初の縦隔外科の標準手術書!縦隔腫瘍手術のエキスパートが,189点のカラー・シェーマを用いて,「胸腺腫瘍切除術」「胸腔鏡下胸腺部分・拡大切除術」「上大静脈合併切除人工血管置換術」などのポイントをわかりやすく解説.安全・上手に手術するためのコツや独自の工夫を開陳.この1冊で縦隔外科の標準的な手術手技が習得出来る.

序文

胸腺腫の正岡分類が発表されてから30年以上が経過する.さまざまな疾患で病期分類が存在し,改訂を重ねる度に複雑多様化してきた.その中で正岡分類は30年以上の間変わらず,世界中に受け入れられており,また最も簡素で洗練された美しい分類である.胸腺腫は稀な縦隔腫瘍であるが,前縦隔腫瘍の中では最も頻度が高く,呼吸器外科医にとっては肺癌に次ぐ重要な疾患の一つと考えられる.
 胸腺腫の手術は呼吸器外科医にとって必須の手術と考える.肺癌の手術書は多数存在するのに,残念ながら胸腺腫あるいは縦隔腫瘍に特化した手術書は存在しない.医学生や研修医に手術手技を理解していただくのに非常に苦労させられるのが現状であり,本書執筆の動機となった.
 胸腺腫の手術手技に関して,この30年で大きな変遷はないと考えていた.しかし近年の胸腔鏡の普及に伴い,縦隔腫瘍にも多く適応され,最も着手が遅れた前縦隔腫瘍の分野にも,その適応が拡大してきた.なるほど実際に行ってみると,前縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術の利点は十分に存在するが,他の呼吸器外科手術同様にlearning curveやknow howは存在する.従来の胸骨正中切開による胸腺切除と胸腔鏡下の胸腺切除,その両者の手術を経験していくうちに,正岡分類が如何に理にかなった分類がなされているかが理解できる.
 正岡 昭先生から藤井義敬先生に受け継がれてきた名古屋市立大学呼吸器外科の縦隔腫瘍手術手技の変遷を凝縮し,現在我々が行っている縦隔腫瘍の手術手技を紹介したい.特に経験の少ない先生方に本書を参考にしていただき,より安全な手術を行っていただくことが本書作成の一番の目的である.初版であり,筆者の気づかぬ問題点が多々あるかもしれないが,何卒ご容赦いただきたい.
 最後に本書執筆までご指導いただいた多くの先生方に深く感謝の意を表します.

2013年3月
矢野智紀

目次

目 次

Ⅰ縦隔総論
 1.縦隔とは
 2.縦隔腫瘍
 3.胸腺腫,胸腺癌

Ⅱ縦隔腫瘍に対する手術手技
 1.胸骨正中切開による拡大胸腺胸腺腫瘍切除術
 2.胸腔鏡下胸腺部分切除術
 3.胸腔鏡下拡大胸腺切除術
 4.他臓器合併切除術
 5.上大静脈合併切除人工血管置換術
 6.中縦隔腫瘍切除術
 7.後縦隔腫瘍切除術
 8.胸膜播種切除術
 9.縦隔内甲状腺腫切除術
 10.胸骨正中切開後の再手術