書籍カテゴリー:外科学一般|呼吸器学

呼吸器外科低侵襲手術[DVD付]
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呼吸器外科低侵襲手術[DVD付]
基本テクニックから単孔式手術,ロボット手術まで

1版

  • 藤田医科大学 呼吸器外科 臨床教授 須田 隆 著

定価:13,200円(本体12,000円+税10%)

  • A4判 141頁
  • 2019年5月 発行
  • ISBN978-4-525-31241-1

概要

呼吸器外科手術のニューバイブル

呼吸器外科手術はここまで低侵襲にできる!基本的なテクニックはもちろん,各手術のコツも豊富なイラストでわかりやすく述べられている.呼吸器外科領域でロボット手術が2018年4月に保険収載された今,最も必要なバイブルである.

序文

 現在,呼吸器外科領域において胸腔鏡手術は,習得すべき必須の手術手技となり,ほとんどすべての呼吸器外科手術に応用されています.しかしながら,比較的新しいこの手術手技には定まった方法がなく,施設によってその方法は異なります.現在,各施設で様々な工夫を加えながら手術が行われておりますが,新しい手術手技であるために,学会や研究会で見られる手術ビデオの中には安全性に問題のある手技があるのも確かです.私の色々な経験(もちろん良い経験ばかりではありません)の中で確立した方法を紹介することは,皆様の手術手技の洗練,安全性の確保に少しでも寄与できるのではないかと考え,本書を執筆しました.
 近年,胸腔鏡手術にさらに新しい変革が訪れつつあります.将来の胸腔鏡手術の発展性には大きく分けて2つの道があります.1 つは現在の低侵襲性を維持しながら,より難易度の高い,高精度な手術を目指す道,そしてもう一つは現在の手術精度を落とすことなく,さらに低侵襲を目指す道です.現在のロボット支援手術は前者,単孔式手術等は後者でしょうか.私は,「経験しないとわからないことがある」との考えから,ロボット支援手術や単孔式手術を含めて,今まで良いと思ったことは積極的に挑戦し,さらに最善の方法を模索し,独自の方法を開発してきました.よって私の手技を紹介したこの本には,通常の胸腔鏡手術のみならず,まだまだ発展途上にある単孔式手術やロボット支援手術,剣状突起下アプローチによる手術などの新しい手技についても書かれています.まだ評価が十分確立されていない手技も含まれますので,ご理解の上で参考にして頂ければと思います.
 テクノロジーの進化は,今までできなかったような手術を可能にしています.胸腔鏡手術の発展は,器具の発展なくしてありえません.きっと10年後には,現在では考えられないような器具や機械が考え出され,より低侵襲でより高精度な,まったく新しい手術法が存在するのでしょう.この世界に身を置く私が大切にするホーキング博士の言葉があります.“Intelligence is the ability to adapt to change.”私は,目まぐるしく変化するこの呼吸器外科低侵襲外科手術の世界に大きな魅力を感じます.皆様の今後の低侵襲手術手技の発展のため,本書が少しでも参考になれば幸甚です.
 本書作成にあたり,藤田医科大学の胸腔鏡手術とロボット手術を共に立ち上げた服部良信先生,根木浩路先生,杉村裕志先生に感謝致します.留学の機会を与えていただき,世界は届くところにあることを教えてくれたG.A. Patterson 先生に感謝します.藤田医科大学呼吸器外科学の星川康教授,栃井祥子先生,栃井大輔先生,医局員の皆様と一緒に行っている毎日の手術の中で,手技を洗練すべく行ってきた日々の努力によってこの本は完成しました.この場をお借りして皆様に御礼申し上げます.山田幸子看護長を中心とした藤田医科大学手術室看護師の皆様,藤田医科大学臨床工学技士の山内章弘先生,豊崎正人先生らによるプロフェッショナルな技術とチームワークに感謝致します.直接,手術室マニュアルの助言をいただいた手術室看護師の森本秀樹くん,與座春日さん,そして舟橋綾さん,ありがとうございました.素晴らしい手術チームと出会えて私は幸運です.美しいイラストをたくさん描いていただいたイラストレーターの森真由美様,本書の発行を決めていただき貴重な機会を与えて頂きました南山堂の皆様に厚く御礼を申し上げます.

2019年4月
須田 隆

目次

総 論

1 胸腔鏡手術
 1 胸腔鏡手術の歴史と現状
 2 胸腔鏡下手術の定義
 3 胸腔鏡手術の利点と欠点
 4 胸腔鏡手術で使用する器具
  A 内視鏡システム
  B ポート
  C 鑷 子
  D 剥離鉗子
  E その他の鉗子
  F Vessel sealing device
  G 剪 刀
  H ステープラー
  I その他の器具
 5 胸腔鏡手術の基本テクニック
  A 胸腔鏡手術の視野の見せ方:見上げ法とモニター反転法
  B 体 位
  C ポートの数と挿入法
  D 剥離操作
  E 縫合と結紮法
  F ステープラーの使用法
  G 第1 助手の術野展開
  H スコピストのコツ
  I エアリークテストと気漏閉鎖
  J ドレーン挿入と開創法
  K 術後疼痛対策:傍脊椎神経ブロック法
 6 胸腔鏡手術の出血対策
  A 圧迫止血
  B タコシールⓇ接着止血法
  C 開胸止血法
 7 胸腔鏡手術のトレーニング法
 8 修練者が行うべきこと
2 単孔式手術
 1 単孔式手術の歴史と現状
 2 単孔式手術の利点と欠点
 3 単孔式手術で使用する器具
  A 術者の左手用の鑷子
  B 単孔式手術用鉗子
  C 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術用のポート
 4 単孔式手術の基本操作とコツ
  A 単孔式肺切除術の基本操作とコツ
  B 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術の基本操作とコツ
 5 単孔式手術の出血対策
  A 単孔式肺葉切除時(側臥位)の出血対策
  B 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術時の出血対策
 6 単孔式手術のトレーニング法
  A 単孔式肺葉切除術のトレーニング法
  B 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術のトレーニング法
3 ロボット支援手術
 1 ロボット支援手術の歴史と現状
 2 ロボット支援手術の利点と欠点
 3 ロボット支援手術で使用する器具
  A ロボット本体
  B 鉗子(da VinciⓇ EndoWristⓇ)
  C ポート
  D エネルギープラットフォーム
  E その他の器具
 4 ロボット支援手術を始める前の準備
  A 認定の取得まで
  B 事前に決めておくこと
 5 麻酔,患者体位および外科医,看護師の配置
 6 ロボット支援手術時の出血対策
 7 ロボット支援手術のトレーニング法

各 論

1 胸腔鏡下肺切除術
 1 胸腔鏡下肺楔状切除術
  A 胸腔鏡下3 ポート肺楔状切除術
  B 胸腔鏡下単孔式肺楔状切除術(側胸部アプローチ)
  C 剣状突起下アプローチによる単孔式肺楔状切除術
 2 3 ポート肺葉切除術
  A 右上葉切除術
  B 右中葉切除術
  C 右下葉切除術
  D 左上葉切除術
  E 左下葉切除術
 3 胸腔鏡下3 ポート肺区域切除術
  A 右S6 区域切除術
 4 縦隔リンパ節郭清
  A 右縦隔リンパ節郭清
  B 左縦隔リンパ節郭清
 5 単孔式肺葉切除術+縦隔リンパ節郭清
 6 ダビンチロボット支援肺葉切除術+縦隔リンパ節郭清
2 胸腔鏡下縦隔腫瘍手術
 1 側胸部アプローチによる後縦隔腫瘍摘出術
 2 側胸部アプローチによる胸腺摘出術
 3 剣状突起下アプローチによる胸腺摘出術
  A 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術
  B 剣状突起下アプローチによる2 孔式胸腺摘出術
  C 剣状突起下アプローチによるロボット支援胸腺摘出術

付録 手術準備マニュアル

 1 胸腔鏡下(3 ポート,単孔式手術)肺葉切除術+リンパ節郭清
  A 準備機材
  B 予備物品
 2 剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術
  A 準備機材
  B 予備部品
 3 ロボット(Xi システム)肺葉切除術+リンパ節郭清
  A 準備機材
  B 予備物品
 4 剣状突起下アプローチによるロボット支援胸腺摘出術
  A 準備機材
  B 予備物品

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