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カテゴリー: 形成外科学  |  外科学一般

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乳房再建術

スペシャリストの技のすべて

1版

ブレストサージャリークリニック 院長 岩平佳子 著

定価

19,800(本体 18,000円 +税10%)


  • B5判  227頁
  • 2005年5月 発行
  • ISBN 978-4-525-31841-3

女性の癌疾患第1位となった「乳癌」.
患者さんのQOLを高めるためにももっと再建を!ということで,実際に乳房再建術を数多く経験したスペシャリストの先生方のテクニック,現場のすべてをこの1冊に集約.
これぞ「乳房再建術」の決定版!

  • 序文
  • 目次
序文
 わが国における乳癌の増加は現在もとどまるところを知らず,すでに女性の癌の第一位となっている.一方で術前化学療法,センチネルリンパ節生検の普及や,手術方法の多様化,縮小化が進み,これまで中心であった非定型的乳房切除術から,皮下乳腺全摘術や乳房温存術の実施が増えていることも確かである.もはや乳癌は「治る癌」であり,それゆえ患者の生活,仕事,趣味などを踏まえた術後のQOLを考えなければならない癌であると言える.そのような観点から乳房再建も,あり方,考え方が変わっていくべきであり,患者のニーズ,希望あっての再建法を選択する時期に来ている.
 『乳房再建術の本を作りませんか?』というお話を頂いた時に,「政治も談合も一切なしで,本当に胸を作っている人だけに書いていただけるのであれば・・」という不遜なお答えをしたところ,これまた怖いもの知らずの若い編集者はにこやかに「是非そういう本を作りましょう」と言ってくれた.執筆陣はおのずと決まり,その先生方が皆さん快く引き受けてくださったことに深謝している. また,患者の希望に応え,ときにはそれ以上の熱意で『乳房再建』へ後押ししてくださる乳腺外科の先生方のご厚意,ご協力に対してこの場を借りて深くお礼を申し上げたい.
 こうして集まった原稿には皆さんの熱い思い,乳房再建のプロならではのこだわりが満載されており,校正しながらも非常に面白く引き込まれたり,「なるほど」と自分の手術の参考にさせていただくことも多々あった.
 すでにお気づきかもしれないが,中には正反対の意見,異なったポリシーや方法論となった内容もある.しかしあえてこれを統一することなく,著者個々のプロの意見として,そのまま載せることとした.読者が自分の力量と経験,環境を省み,そして何よりも患者のニーズに見合ったものを取り入れていただければと思っている.
 これから乳房再建をやろうと考えていらっしゃる若い先生方や,日ごろから乳房再建に興味をお持ちの乳腺外科の先生方が少しでも参考にしていただき,乳房再建の面白さ,難しさを知っていただければ執筆陣一同,我が意を得たりに違いない.

2005年3月 岩平佳子

目次
I.乳房再建の歴史
1.  初期の乳房再建
2.  シリコンジェル乳房インプラントの登場
3.  筋皮弁移植法の登場
4.  腹直筋皮弁移植法の登場
5.  組織拡張器の登場
6.  Textured implantの開発
7.  わが国での乳房インプラント
8.  乳輪乳頭作成法の変遷
II.カウンセリングから方法決定まで
1.  初診時アンケートと写真撮影
2.  再建法の説明と決定
3.  完成までのカウンセリング
4.  一期再建におけるカウンセリング
III.乳房再建の分類
  ・再建時期による分類
  ・乳癌術式による分類
  ・症例による分類
  ・再建に用いる素材による分類
  ・病因による再建の分類
IV.Tissue expanderとソフトコヒーシブシリコンによる再建
 A.即時エキスパンダーの挿入
1.  術前のカウンセリングとエキスパンダーの選択
2.  手術手技
3.  一期挿入で起こりうる合併症
4.  一期挿入に関わる諸問題
5.  症例
 B.一期再建
1.  適応と問題点
2.  手術手技
3.  おわりに
 C.二期再建
1.  適応
2.  手術手技
3.  健側の処理
4.  合併症とunfavorable result
5.  症例
V.エキスパンダーを用いないシリコンインプラントのみによる再建
1.  手術適応
2.  インプラントの選択
3.  手術手技
4.  症例
5.  おわりに
VI.腹直筋皮弁による再建
 A.TRAM flapによる乳房再建?Personal Consideration
1.  乳房再建術とは
2.  手術を予定するまで
 B-1.single pedicle TRAM flapによる乳房再建
1.  解剖
2.  手術手技
3.  症例
4.  おわりに
 B-2.double pedicle TRAM flapによる乳房再子
1.  解剖
2.  術前の評価と適応
3.  手術方法
4.  症例
 C.穿通枝皮弁による乳房再建
1.  解剖
2.  手術方法
3.  症例
4.  考察
5.  おわりに
 D.MVA TRAM flapによる乳房再建
1.TRAM flapの選択
2.手術術式のポイント
3.  症例
4.  起こりうる合併症・unfavorable result・患者からの要求
5.  おわりに
 E.EVRAM法による乳房再建
1.  EVRAM法の利点・欠点および適応
2.  術前のデザイン
3.  手術手技
4.術後の管理
VII.広背筋皮弁による再建
 A.人工物を併用する方法
1.  解剖
2.  適応と評価
3.  手術手技
4.  症例
 B.人工物を用いない方法
1.  シリコンインプラントを用いない拡大広背筋皮弁の適応と利点
2.  デザイン(マーキング)
3.  手術手技
4.  術後の管理
5.  合併症
VIII.乳頭再建
 A.Composite fraftによる乳頭再建
1.  健側を分割し再建する方法の利点・欠点および適応
2.  作成乳輪乳頭の位置,大きさの決定と移植床の準備
3.  健側乳頭を分割採取する作成法
4.合併症
 B.Star flapによる乳頭再建
1.  位置の決定
2.  手術手技
3.  症例
 C.耳介軟骨,人工物を用いた乳輪乳頭再建
1.  乳輪乳頭再建のポイントと問題点
2.  手術手技
3.  おわりに
IX.乳輪再建
 A.tatooによる乳輪再建
1.  手技
2.  症例
 B.植皮による乳輪再建
1.植皮による乳輪の再建方法
2.植皮による乳輪再建の利点・欠点
3.作成乳輪乳頭の位置と大きさの決定と移植床の準備
4.  植皮による乳輪作成法
5.  作成乳輪乳頭の術後の管理
6.  合併症
X.Touch up surgery
 A.Augmentation Mammaplasty─乳房増大術
1.  乳房増大術を行う時期
2.  アプローチとインプラント挿入位置
3.  用いるインプラント
4.  手術手技
5.  適応
6.  おわりに
 B.Reduction Mammaplasty─乳房縮小術
1.  手術方針とデザインについて
2.  症例
 C.Mastopexy─乳房固定術
1.  デザインと手術手技
2.  症例
XI.温存術後の再建
 A.自家組織による再建
1.  術前の評価
2.  手術方法
3.  症例
4.  おわりに
 B.人工物による再建
1.  外科医と患者のディスクレパンシー
2.  用いられる人工物
3.  評価と適応
4.  合併症とunfavorable result
5.  症例
XII.両側乳癌術後の再建
 A.TRAM flapによる両側乳癌の再建
1.  手術手技
2.  手技上のコツ
3.  術後管理
4.  おわりに
 B.エキスパンダーによる両側乳癌の再建
1.  デザイン
2.  手術手技
3.  症例
4.  おわりに
XIII.乳輪乳頭位置異常の再建
1.  特徴
2.手術手技
3.症例
索 引
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