書籍カテゴリー:整形外科学|外科学一般

骨折・脱臼
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骨折・脱臼

第4版

  • 冨士川恭輔 編
  • 鳥巣岳彦 編

定価:34,560円(本体32,000円+税8%)

  • 四六倍判 1309頁
  • 2018年5月 発行
  • ISBN978-4-525-32004-1

概要

骨折と脱臼を究める 至高の大改訂

骨折と脱臼のみに焦点を当て,標準的な手術法を中心に,最新の知見・手術法までを網羅して解説した唯一無二の専門書.今改訂では,最小侵襲手術や新しい固定材料などの最新情報を盛り込むとともに,人工関節による周囲骨折の章を新設,さらにシェーマを統一的に修正し見やすくするなど大幅改訂となった.“骨折・脱臼”を究める成書である.

序文

骨折・脱臼は整形外科医が日常の臨床で最も頻繁に遭遇し,整形外科分野では最も重要な疾患のひとつです.したがって骨折・脱臼に関しては,国の内外を問わず数多くの優れた教科書が出版されております.  本書は編集者と南山堂編集部が,わが国の骨折・脱臼に関する基礎的,臨床的研究でご活躍されている先生方にご協力を賜り,ご自身の豊富なご経験に基づいた,日本人による日本の定番となる骨折・脱臼の教科書を作りたいという意気込みで,2000年に初版を上梓しました.  本書は骨折・脱臼は基礎的知識に基づいて治療すべきであるという編集者の考えから,通常の教科書と比較して骨折・脱臼およびそれに関連する事項について執筆者ご自身による基礎的研究に多くの頁を割いております.  上梓以来,幸い本書はご好評をいただき,改訂を加えながら2005年に第2版を,2012年に第3版を発刊し,優れた執筆者のご協力を賜り基本的な内容は完成度が高いと考えられました.しかし近年の骨折・脱臼分野における進歩は著しく,本書もそれに対応するためにこの度第4版を刊行することになりました.  第4版では,一部執筆者が入れ替わりましたが,既に完成されている基本的な内容は残し,新知見を加えさらなる充実を図りました.  編集者は初版以来の編集理念を貫き,読者の目線に立ち,いただいた原稿,挿図を何度も読み直し,各分担部分の構成,文章,表現法,用語などを統一し,理解しやすく全編を通して違和感なく矛盾を感ぜずに読めるように,ご執筆いただいた先生方には,ご自身の経験に基づく事実には抵触せぬように何度も校正をお願いしました.ご多忙にも拘わらずその都度ご対応いただいたことを心より感謝いたしております.  また本書を読まれた先生方から,改善,訂正すべき点,解説して欲しい用語など少なからずご指摘やご要望をいただき,検討の上で改訂を重ねて参りました.その都度,「教科書というのはこの様にして完成に近づくのだ」と感じました.この場を借りて貴重なご意見を賜った先生方に御礼申し上げます.  この度の改訂にも前回同様足掛け2年掛かりましたが,初版上梓から約20年後に第4版が新たな姿で発刊されるのは,今までご執筆いただいた先生方そして編集者とご執筆の先生方の間に立ち調整いただいた南山堂編集部 秡川 亮氏を始め編集部の皆様方のご尽力によるものと心より感謝いたします.

2018年3月
冨士川恭輔
鳥巣岳彦

目次

総 論

第1章 骨の構造と機能
 1 骨の構造と分類
  a.骨の構造
  b.骨の形態による分類
 2 骨の組織学
  a.骨膜
  b.骨の細胞
  c.骨の血管
  d.骨の神経
 3 骨の発生・成長
  a.結合織内骨化
  b.軟骨内骨化
  c.骨の長径成長
  d.骨の横径成長
 4 骨の生化学,骨の代謝
  a.骨の細胞外基質
  b.骨代謝
 5 骨の再生医療?tissue engineering, iPS細胞

第2章 骨折の定義(用語)と分類
 1 骨折の定義(用語)
 2 骨折の分類
  a.外力の強さによる分類
  b.骨質による分類
  c.外界との交通の有無による分類
  d.骨の連続性の有無による分類
  e.骨折の部位による分類
  f.関節内・外による分類
  g.骨折の数による分類
  h.骨折線の走行による分類
  i.骨片の転位による分類
  j.骨折の発生機転による分類
  k.AO/OTA分類
  l.骨折に伴う軟部組織損傷の程度による分類
  m.CT画像による骨折分類
  n.MRIによる疲労骨折(脆弱性骨折)分類
  o.人工関節周囲骨折の分類
  p.骨端線損傷の分類
 3 遷延治癒,偽関節・骨癒合不全の定義(用語)
 4 偽関節の分類
  a.単純X線写真による分類
  b.偽関節腔の有無による分類
  c.骨シンチグラフィーによる偽関節(遷延治癒)分類
  d.感染の有無による分類
 5 脱臼の定義(用語)と分類

第3章 骨折の治癒過程
 1 骨折治癒過程の種類
  a.皮質骨を主体とする骨における骨折治癒過程
  b.海綿骨を主体とする骨における骨折治癒過程
 2 組織学的骨折治癒過程
  a.時期別治癒経過
  b.細胞反応別治癒経過
  c.二期的治癒過程理論
 3 仮骨形成のきっかけ
 4 仮骨形成にかかわる細胞の由来
 5 仮骨形成における細胞増殖と細胞分化
  a.細胞増殖の分布と推移
  b.細胞分化の推移
 6 治癒過程における血行回復
 7 治癒過程における強度回復
 8 治癒過程に影響する因子
  a.全身性因子
  b.局所性因子
 9 細胞レベルにおいて治癒過程を制御する因子
  a.全身性制御因子
  b.局所性制御因子
 10骨折に対する積極的保存療法
  a.低出力超音波パルス
  b.副甲状腺ホルモン

第4章 骨折に用いる内固定材料
 1 骨折に用いる内固定材料の歴史
 2 金属性内固定材料の素材
  a.ステンレス鋼
  b.コバルト・クローム(Co-Cr-Mo)合金(バイタリウム)
  c.純チタン(Ti)およびチタン合金
 3 金属性内固定材料の種類
  a.ワイヤー(鋼線)
  b.スクリュー
  c.プレート
  d.ステープル
  e.髄内釘
 4 金属性内固定材料の問題点
  a.腐食
  b.金属疲労
  c.生体適合性
  d.毒性・発がん性
  e.骨粗鬆化
  f.金属アレルギー
 5 吸収性内固定材料
  a.歴史
  b.種類
  c.適応
  d.使用上の注意
  e.合併症
 6 その他の内固定材料(骨充填剤)
  a.リン酸カルシウム系アパタイト
  b.PMMA骨セメント
 7 創外固定法
  a.創外固定

第5章 骨移植
 1 骨折治療における骨移植の目的
  a. 骨欠損の補填
  b. 骨癒合の促進
  c. 支持性の確保
 2 移植材料(移植骨)の機能
  a. 骨形成
  b. 骨誘導
  c. 骨伝導
  d. 力学的支持
 3 骨移植の種類
  a. 移植材料の種類
  b. 移植骨の血行の有無による種類
 4 移植骨の自然経過
 5 自家骨組織採取方法
  a. 腸骨からの採取
  b. 脛骨からの採取
  c. 腓骨からの採取
  d. 骨髄からの採取
  e. その他の部位からの採取
  f. 採取部の合併症
 6 骨移植の形状の種類
  a. 細片移植
  b. 骨板移植
  c. 塊状移植
  d. 複合移植
 7 骨バンク
  a. 骨バンクとは
  b. 同種骨にかかる法的基盤
  c. 運営の実際
  d. 骨移植の現状
  e. 骨バンクの整備

第6章 骨折の症候
 1 全身症候
  a. 出血性ショックの症候
 2 局所症候
  a. 疼痛と圧痛
  b. 創,腫脹,皮下出血
  c. 肢位(体位)の異常,変形
  d. 局所循環の異常
  e. 異常可動性と轢音
  f. 関節血症
  g. 感覚障害と運動機能障害

第7章 骨折の診断
 1 病歴聴取
 2 診察
  a. 全身の診察
  b. 局所の診察
 3 画像診断
  a. 単純X線写真
  b. X線透視法
  c. X線断層撮影検査
  d. CT
  e. 超音波検査
  f. 骨シンチグラフィー
  g. 磁気共鳴画像 MRI
  h. 血管造影検査
 4 遷延治癒,偽関節,骨癒合不全の診断

第8章 骨折の合併症
 1 急性期合併症
  A 全身的合併症
   a.脂肪塞栓症候群(FES)
   b.圧挫症候群・挫滅症候群
   c. 急性肺〔血栓〕塞栓症,急性下腿静脈血栓症の診断
  B 局所的合併症
   a.皮膚,筋肉の損傷
   b.血管損傷と循環障害
   c.急性区画症候群,急性コンパートメント症候群(ACS)
   d.神経の損傷
   e.骨幹部骨折と靱帯損傷の合併
   f.尿路損傷
   g.皮下気腫
   h.術中骨折
 2 遅発性合併症
   a.内固定材の折損や移動,カットアウト
   b.インピンジメント症候群
   c.遅発性腱断裂
   d.感  染
   e.異所性骨化
   f.複合性局所疼痛症候群,Sudeck骨萎縮
   g.関節拘縮・強直
   h.無腐性骨壊死
   i.外傷性変形性関節症

第9章 人工関節置換術後の関節周囲骨折
 1 股関節
  a.概要
  b.大腿骨骨折(ステム周囲骨折)
 2 膝関節
  a.概要
  b.大腿骨遠位部骨萎縮部位と骨折の発生
  c.大腿骨遠位部骨折
  d.脛骨近位部骨折
  e.膝蓋骨骨折
 3 肩関節
  a.概要
  b.上腕骨骨折
 4 肘関節
  a.概要
  b.上腕骨遠位部,尺骨近位部骨折
 5 足関節
  a.概要
  b.足関節内果骨折

第10章 骨折の治療原則
 1 骨折治療史概説
 2 新鮮骨折患者の全身管理
 3 出血性ショックの処置
 4 新鮮皮下骨折の治療
  A 保存療法
   a.三角巾固定法,包帯固定法,アームスリング
   b.絆創膏固定法,テーピング
   c.副子固定法
   d.ギプス包帯(プラスチックキャスト)固定法
   e.牽引療法
   f.機能装具療法
   g. 動的副子
  B 手術療法
   a.局所麻酔法,区域麻酔法,末梢神経ブロック
   b.経皮的鋼線(ピン)固定術
   c.創外固定術
   d.内固定術
   e.皮下骨折患者の周術期管理の要点
 5 新鮮開放骨折の治療
   a.緊急手術待機中の対応
   b.創の洗浄とデブリドマン
   c.骨折部の安定化
   d.血管,神経,腱の処置
   e.創の被覆と閉鎖
   f.抗菌薬の投与方法
   g.切断術の選択
 6 変形癒合の治療
   a.治療適応
   b.治療法
 7 遷延治癒と偽関節・骨癒合不全の治療
   a.保存療法
   b.手術療法
 8 創外固定の歴史
   a.黎明期
   b.創外固定法の確立
   c.牽引性組織誘導の発見と応用
   d.コンピュータ支援による変形矯正の時代
   e.ワイヤーやピンの進歩とピン刺入部の管理

第11章 小児の骨折と骨端線損傷
 A.小児の骨折
  1 小児の骨の特徴と骨折様式
   a.骨端線(成長軟骨板)
   b.骨膜
   c.骨の力学的特性と骨折の病態
   d.自家矯正
  2 小児骨折の統計
   a.発生率
   b.年齢別
   c.性別
   d.月別発生頻度
   e.部位別頻度
   f.受傷原因と受傷機転
  3 診断
   a.病歴
   b.臨床症状,所見
   c.単純X線写真
   d.ストレスX線写真
   e.断層X線写真
   f.関節造影
   g.超音波検査
   h.CT
   i.MRI
   j.骨シンチグラフィー
   k.小児骨折診断の落とし穴
  4 治療
   a.保存療法
   b.手術療法
 B 骨端線損傷
  1 骨端線の形態と機能
   a.骨端線の組織学的構造
   b.骨端・骨幹端部の血行
   c.骨端線の機能
  2 病態
  3 骨端線損傷の統計
  4 分類
   a.Salter-Harris分類
   b.Rang分類
   c.Ogden分類
   d.Peterson分類
   e.AO/OTA分類
  5 診断
  6 治療
   a.新鮮損傷
   b.陳旧損傷
   c.骨端線障害(骨端線早期閉鎖)

第12章 高齢者骨折の特殊性
 1 骨折の背景となる病態と病因(ロコモティブシンドローム)
  a.骨量の減少
  b.骨質の劣化
  c.転倒・転落の原因
  d.全身疾患との関連
  e.ロコモティブシンドローム
 2 高齢者骨折の疫学と発生部位
  a.椎体骨折
  b.上腕骨近位部骨折
  c.橈骨遠位部骨折
  d.大腿骨近位部骨折
  e.骨盤骨折
 3 高齢者骨折の特殊性と周術期管理
 4 骨粗鬆症による骨折の術後に局所で発生する諸問題
 5 人工関節周囲骨折の統計
 6 リハビリテーションにおける注意点
  a.術前リハビリテーション
  b.術直後の運動療法
  c.術後早期の運動療法
  d.地域医療連携
  e.骨折リエゾンサービス
 7 骨折・再骨折を防ぐ運動器不安定症対策
  a.骨折後の再骨折危険性上昇
  b.骨折・再骨折の予防
  c.整形外科医の役割
  d.転倒予防教室
 8 高齢者骨折と死因,死亡率
  a.上肢骨折と下肢・脊椎骨折で死亡率が異なる
  b.大腿骨近位部骨折
  c.脊椎骨折

各 論

第13章 上肢の骨折
 1 上腕骨近位部骨折
 2 肩関節脱臼・脱臼骨折
 3 上腕骨骨幹部骨折
 4 上腕骨遠位部・前腕骨近位部骨折
  A 総括的事項
  B 小児上腕骨遠位部骨折
   小児上腕骨顆上骨折
   小児上腕骨遠位骨端離開
   小児上腕骨外側顆骨折
   小児上腕骨内側顆骨折
   小児上腕骨内側上顆骨折
  C 成人上腕骨遠位部骨折
   上腕骨顆上骨折と通顆骨折
   上腕骨遠位部完全関節面骨折
   上腕骨内側顆・外側顆骨折
   上腕骨滑車・小頭骨折
  D 橈骨近位部骨折
   小児橈骨頚部骨折
   橈骨頭骨折
  E 尺骨近位部骨折
   肘頭骨折
   尺骨鉤状突起骨折
  F 肘関節脱臼・脱臼骨折
   肘関節脱臼
   いわゆる反復性肘関節脱臼
   Monteggia骨折
   橈骨頭脱臼
 5 前腕骨(橈骨・尺骨)骨幹部骨折
 6 橈骨遠位端(部)骨折
 7 手根骨骨折
   舟状骨骨折
   大菱形骨骨折
   有鉤骨鉤骨折
   月状骨骨折
   豆状骨骨折
   その他の手根骨骨折
8 中手骨・手指骨骨折
  A 中手骨骨折
   中手骨骨幹部(骨幹端)骨折
   中手骨骨頭骨折
   中手骨頚部骨折
   中手骨基部骨折
   第1CM関節脱臼骨折(Bennett骨折)
   Roland骨折
   第5CM関節脱臼骨折
   他のCM関節脱臼
  B 基節骨・中節骨骨折
   基節骨骨幹部骨折
   基節骨基部骨折
   基節骨・中節骨頚部骨折(骨頭回転型)
  C 末節骨骨折
   末節骨基部背側骨折(槌指)
   末節骨基部掌側骨折
   末節骨粗面骨折
   末節骨開放骨折

第14章 肩甲帯・胸郭部の骨折
 1 肩甲骨骨折
 2 肩鎖関節脱臼
 3 鎖骨骨折
 4 胸骨骨折
 5 肋骨骨折

第15章 脊椎骨折
 1 頚椎骨折
 2 胸椎・腰椎骨折
 3 仙骨・尾骨骨折

第16章 骨盤・股関節骨折
 1 骨盤骨折
 2 寛骨臼骨折
 3 外傷性股関節脱臼

第17章 下肢の骨折
 1 大腿骨近位部骨折
  大腿骨頭骨折
  大腿骨頚部骨折
  大腿骨頚基部骨折
  大腿骨転子部骨折
  大腿骨転子下骨折
  小児の大腿骨近位部骨折
 2 大腿骨骨幹部骨折
 3 大腿骨遠位部骨折
 4 膝蓋骨骨折
 5 膝蓋骨脱臼
 6 脛骨近位部骨折
  脛骨顆部骨折
  脛骨粗面骨折
 7 膝関節脱臼
 8 腓骨頭骨折
 9 脛骨骨幹部骨折
 10 腓骨骨幹部骨折
 11 足関節部骨折
  足関節果部骨折
  脛骨天蓋骨折
  足関節脱臼
 12 足部骨折
  距骨骨折
  踵骨骨折
  足根骨脱臼骨折─Chopart関節脱臼骨折
  足根骨脱臼骨折─Lisfranc関節脱臼骨折
  その他の足根骨脱臼骨折
  中足骨・足趾骨折─中足骨骨折
  趾骨骨折

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外国語索引