書籍カテゴリー:整形外科学

ここまでできる 足の鏡視下手術オリエンテーション
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ここまでできる 足の鏡視下手術オリエンテーション

1版

  • 帝京大学教授 高尾昌人 編
  • 日本足の外科学会教育研修委員会機能解剖セミナー班 著

定価:9,720円(本体9,000円+税8%)

  • B5判 153頁
  • 2014年11月 発行
  • ISBN978-4-525-32161-1

概要

近年,急速に発展している足の鏡視下手術は早期リハビリ・早期競技復帰の観点から重要視され,整形外科医と患者の双方にとって有用なツールとなっている.
本書は正確な術前診断に基づき,イラストレイテッドにフローチャート形式で関節鏡の正しい手技が習得できる,足関節内視鏡手術の指南書である.

序文

 関節鏡視下手術のはじまりは,1918年(大正7年)に高木憲次 先生が膀胱鏡で屍体の膝関節腔を鏡視したことに由来する.1982〜84年にかけて,Steve Mahre(アルペンスキー),Joan Benoit(女子マラソン),Mary Lou Retton(女子体操)が,いずれも膝半月板損傷に対して関節鏡視下切除術をうけ数週後に世界選手権やオリンピックで金メダルを獲得したことから,膝関節鏡視下手術は急速に世界に広まっていった.足関節においては,1970年頃に渡辺正毅 先生が渡辺式24号関節鏡という細い関節鏡を開発してから徐々に行われるようになり,多くの医科学者による器具や術式の開発・改良を経て確実に進化していった.現在では,足関節鏡は足の外科医にとって必要不可欠なツールになったといえる.
 日本足の外科学会教育研修委員会では,足関節鏡視下手術の正しい技術を習得することを目的に,大関 覚 担当理事,熊井 司 委員長,仁木久照 先生,私の4名を講師として,獨協医科大学において新鮮屍体足を用いて機能解剖セミナーを開催してきた.開催当時は,我が国で新鮮屍体を用いるセミナーを開催することは困難な状況にあったが,大関 覚 先生の情熱と行動力によりその状況が打破され,本セミナーの開催に至ったことは衆人の知るところである.2010年度からはじまった本セミナーは本年度で4回目となり,のべ約320名の医師が参加してきた.参加者のほとんどが再受講を希望しており,また2010年以降,足関節鏡に関する学会発表が増加していることから,本セミナーが足関節鏡の普及・発展に寄与してきたと関係者一同自負している.
 本書は,これまで行ってきた機能解剖セミナーのエッセンスを抽出し,明示するという主旨の基に企画された.したがって各項目の代表執筆者は,機能解剖セミナーの講師が担当している.臨床的な項目においては,現在一般的に行われているスタンダードな診療について論述するだけでなく,最先端の知識や技術についても記載している.フローチャート形式で図表を多く取り入れることで,読者が容易に理解できるように配慮した.各項目とも読みごたえのある内容となっており,すぐに臨床に役立つ情報が豊富に含まれている.
 日本足の外科学会の会員数は,数年前に約800名であったのが本年度のはじめには1,400名を超え,現在も増加し続けている.年次学術集会の発表数,参加者数も増加の一途をたどり,足の外科は今後急速に発展していくと予想される.そのような機運のなか時宜を得て刊行された本書が,足の外科学および足関節鏡視下手術の発展に少しでも寄与することができれば幸いである.

2014年10月
編著者を代表して
高尾昌人

目次

総  論

第1章  足の関節鏡視下手術の歴史
A 内視鏡装置の発明と発達
B 関節鏡の夜明け
C 関節鏡の発展
D 足関節・足部への関節鏡の応用
E 今後の展望と課題


第2章  足関節鏡の基本手技
A 概 略
B 麻酔と体位
C 足部の牽引法
D 使用する器具
 1 関節鏡と手術器具
 2 灌流装置
 3 周辺機器
E 解 剖
   メルクマールとDangers
F 基本的な鏡視手技
 1 前内側ポータルからの鏡視
 2 前外側ポータルからの鏡視
G 今後の展望


第3章  後足部内視鏡の基本手技
A 概 略
B 基本的な鏡視手技
 1 後内側および後外側ポータルの作製
 2 ワーキングスペースの作製
 3 長母趾屈筋腱の同定
 4 鏡視下診断・治療
C 解 剖
 1 メルクマールとDangers
 2 鏡視下解剖
D 現状における課題


第4章  距骨下関節鏡の基本手技
A 概 略
B 麻酔と体位,牽引法,使用する器具
C 基本的な鏡視手技
 1 刺入点の同定
 2 前外側ポータルの作製
 3 外套管と鈍棒の刺入
 4 灌流装置との連結,カメラの設置
 5 鏡視開始
 6 副ポータルの作製
 7 距骨下関節での動きの観察
D 解 剖
 1 メルクマールとDangers
 2 鏡視下解剖
E 現状における課題


第5章  足底腱膜鏡の基本手技
A 概 略
B 麻酔と体位
C 使用する器具
D 基本的な鏡視手技
 1 ポータルの作製
 2 内視鏡の挿入
 3 ワーキングスペースの作製
 4 踵骨棘の切除
 5 足底腱膜の部分切離
E 現状における課題


各  論

第1章  足関節インピンジメント症候群
A 足関節前方インピンジメント症候群
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
B 足関節後方インピンジメント症候群
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
C 現状における課題


第2章  距骨骨軟骨損傷
A 疾患の概略
B 鏡視下手術手技
 1 Microfracture法
 2 逆行性ドリリング法retrograde drilling
 3 逆行性自家海綿骨柱移植術
C 現状における課題


第3章  変形性足関節症に対する鏡視下足関節固定術
A 変形性足関節症の概要
B 鏡視下足関節固定術の特徴
C 鏡視下足関節固定術の適応
D 鏡視下手術手技
E 後療法および術後リハビリテーション
F 現状における課題


第4章  靱帯損傷
A 外側靱帯損傷
 1 疾患の概略
 2 鏡視下診断
 3 鏡視下手術手技
B 脛腓靱帯損傷
 1 疾患の概略
 2 鏡視下診断
 3 鏡視下手術手技
C 現状における課題


第5章  関節内骨折
A 足関節果部骨折
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
B Pilon骨折
 1 疾患の概略
 2 手術手技
C 踵骨骨折
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
 3 新鮮例に対する鏡視下整復・内固定術
 4 遺残疼痛に対するデブリドマン
D 現状における課題


第6章  足関節炎
A リウマチ性足関節炎
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
B 結晶沈着性足関節炎
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
C 現状における課題


第7章  踵骨骨嚢腫
A 疾患の概略
B 鏡視下手術手技
C 現状における課題


第8章  アキレス腱付着部障害
A 疾患の概要
B 鏡視下手術手技
 1 鏡視下踵骨後上隆起切除術
 2 後療法
C 現状における課題


第9章  足部における腱鞘鏡の応用
A 腓骨筋腱脱臼
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技
B 後脛骨筋機能不全
 1 疾患の概略
 2 鏡視下手術手技


第10章  鏡視下手術の合併症
A 神経,血管損傷
B コンパートメント症候群
C 軟骨損傷
D 腱損傷
E 靱帯損傷
F 創の遷延治癒と表層感染
G 関節鏡,鏡視下手術器具の破損


索 引