書籍カテゴリー:整形外科学

上肢臨床症候の診かた・考え方
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上肢臨床症候の診かた・考え方

1版

  • 獨協医科大学教授 玉井和哉 編
  • 琉球大学教授 金谷文則 編
  • 東邦大学教授 池上博泰 編

定価:7,344円(本体6,800円+税8%)

  • B5判 279頁
  • 2016年5月 発行
  • ISBN978-4-525-32181-9

概要

聞いて見て患者さんに触れて診る、今度は上肢!

画像検査に頼りがちになってしまう昨今,あらためて診察室で行う問診や診察の重要性,身体所見の取り方などを再整理した上肢疾患を診るための実践書.「下肢臨床症候の診かた・考え方」の体裁を踏襲した姉妹本である.本書では診察室で行える上肢の超音波像の見かたを新設した.

序文

整形外科の診療における身体診察の重要性は言うまでもない.画像診断だけで患者さんの持っている問題を診断できないことは,椎間板ヘルニアや腱板断裂で明らかである.しかしながら現実の診療では診察時間は限られ,また十分な設備や人的資源があるとは限らない.そのような状況の中でも,最初の診察で想起された鑑別診断病名の中に正しい診断名が含まれていることが重要である.そうでなければ,その後いくら検査をしても真実を見出すことはできないかもしれないし,少なくとも真実に到達するまでに時間がかかってしまう.

適切な問診と身体診察によって可能性のある病態を絞り込み,さらに必要にして十分な検査を行って真実に到達する能力は,整形外科医の診断力量の根底をなすものである.これらの能力を磨くことにより,迅速に治療戦略を立てることが可能となるだろう.

本書は既刊「下肢臨床症候の診かた・考え方」の姉妹本として,後期研修医あるいは専門医をめざす整形外科医を読者対象に,上肢の臨床症候についての診断能力を高める手助けをすることを目的として企画したものである.
「肩関節・上腕部」 「肘関節・前腕部」 「手関節・手部」の3部構成とし,それぞれを総論と各論に分けた.総論では,基本解剖や機能解剖をはじめ,患者の年代を考慮した鑑別のための病歴聴取,視診,身体所見のとり方などを解説した.各論では,疾患ごとに具体的症例を用いた診察の流れを呈示し,確定診断までの思考と着眼点を解説した.また重要な身体所見について,それを正しく捉えるための手技,判断のポイント,所見の解釈で陥りやすい落とし穴などをイラストレイテッドに示した.

本書の執筆者としては,肩関節,肘関節,および手外科領域における気鋭のスペシャリストの方々を選抜し,日常診療で行っている思考を分かりやすく伝えていただくようお願いした.本書を手にされた皆様が,病歴聴取や身体診察の要点を再整理し,患者さんの持っている問題の本質に効率よく到達できる助けになれば,この上ない幸いである.

2016年4月
編者を代表して 玉井和哉

目次

Ⅰ編 肩関節・上腕部


第1章 肩関節・上腕部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能
 Ⅰ.表面・基本解剖
 Ⅱ.筋・神経の解剖
 Ⅲ.機能解剖とバイオメカニクス

第2章 肩関節・上腕部の臨床診断総論

小児の診かた
 Ⅰ.小児の肩を診るにあたり
 Ⅱ.問 診
 Ⅲ.視 診
 Ⅳ.触 診
 Ⅴ.身体所見
 Ⅵ.画像検査
 Ⅶ.血液検査
 Ⅷ.経過観察
 Ⅸ.早期診断の意義

思春期・成人の診かた
 Ⅰ.入室時の観察
 Ⅱ.病歴聴取
 Ⅲ.視診・触診
 Ⅳ.必要となる身体所見の取り方
 Ⅴ.診察室で行える検査
 Ⅵ.その後の検査や次回受診についてのプランニング

中・高齢者の診かた
 Ⅰ.入室時の観察
 Ⅱ.病歴聴取
 Ⅲ.視診・触診
 Ⅳ.必要となる身体所見の取り方
 Ⅴ.診察室で行える検査
 Ⅵ.その後の検査や次回受診についてのプランニング

超音波像の見かた
 Ⅰ.超音波診断の基本
 Ⅱ.超音波装置および肩関節検査法


第3章 肩関節・上腕部の臨床診断各論

●小児期
 1.Sprengel変形
 2.リトルリーグ肩
 3.上腕骨近位骨端離開

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷含む)
 1.外傷性肩関節脱臼(初回)
 2.反復性肩関節脱臼
 3.上方関節唇損傷
 4.動揺肩
 5.関節唇損傷
 6.上腕二頭筋長頭腱断裂
 7.肩峰下インピンジメント症候群
 8.胸郭出口症候群
 9.腋窩神経障害
 10.肩鎖関節脱臼

●中・高齢期
 1.腱板断裂(小〜中断裂)
 2.腱板断裂(大〜広範囲断裂)
 3.石灰性腱炎
 4.変形性肩関節症
 5.関節リウマチ
 6.肩関節拘縮
 7.上腕骨近位端骨折


Ⅱ編 肘関節・前腕部


第1章 肘関節・前腕部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能
 Ⅰ.肘関節の機能と解剖
 Ⅱ.前腕の機能と解剖


第2章 肘関節・前腕部の臨床診断総論

小児の診かた
 Ⅰ.病歴聴取
 Ⅱ.視 診
 Ⅲ.触 診
 Ⅳ.身体所見
 Ⅴ.診察室での検査・処置
 Ⅵ.その後の検査や次回受診のプランニング

思春期・成人の診かた
 Ⅰ.問 診
 Ⅱ.視 診
 Ⅲ.身体所見
 Ⅳ.検 査

中・高齢者の診かた
 Ⅰ.中・高齢者の肘を診るにあたり
 Ⅱ.歩 容
 Ⅲ.病歴聴取
 Ⅳ.視診・触診・局所所見
 Ⅴ.必要となる身体所見の取り方
 Ⅵ.診察室で行える検査
 Ⅶ.次回の検査と診察プランニング


超音波像の見かた
 Ⅰ.肘関節前方撮影
 Ⅱ.肘関節内側撮影
 Ⅲ.肘関節外側撮影
 Ⅳ.肘関節後方撮影
 Ⅴ.前腕近位撮影
 Ⅵ.前腕遠位撮影


第3章 肘関節・前腕部の臨床診断各論

●小児期
 1.肘内障
 2.肘周辺骨折,Monteggia脱臼骨折
 3.前腕骨塑性変形
 4.内反肘

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷含む)
 1.肘頭骨端離開,肘頭疲労骨折
 2.リトルリーグ肘
 3.離断性骨軟骨炎
 4.内側側副靱帯機能不全
 5.外傷性肘関節脱臼,靱帯損傷
 6. 後外側回旋不安定症
 7.スポーツによる尺骨神経障害
 8.滑膜ひだ障害
 9.関節リウマチ

●中・高齢期
 1.変形性肘関節症
 2.上腕骨外側上顆炎
 3.上腕二頭筋遠位部腱断裂
 4.特発性前骨間神経麻痺,特発性後骨間神経麻痺
 5.肘部管症候群


Ⅲ編 手関節・手部


第1章 手関節・手部の解剖とバイオメカニクス

解剖と機能
 Ⅰ.表面・基本解剖
 Ⅱ.筋肉・腱・靱帯の解剖
 Ⅲ.血管・神経の解剖

第2章 手関節・手部の臨床診断総論

小児の診かた
 Ⅰ.手指の使い方の観察
 Ⅱ.病歴聴取
 Ⅲ.視診・触診
 Ⅳ.身体所見
 Ⅴ.診察室での検査
 Ⅵ.その後の検査や次回受診についてのプランニング

思春期・成人の診かた
 Ⅰ.入室時の観察
 Ⅱ.病歴聴取
 Ⅲ.視診・触診
 Ⅳ.必要となる身体所見の取り方
 Ⅴ.診察室で行える検査
 Ⅵ.その後の検査や次回診察についてのプランニング

中・高齢者の診かた
 Ⅰ.中・高齢者の手を診るにあたり
 Ⅱ.入室時にチェックすべき事項
 Ⅲ.病歴聴取
 Ⅳ.視診・触診
 Ⅴ.必要となる身体所見の取り方
 Ⅵ.診察室で行える検査・処置
 Ⅶ.その後の検査や次回受診についてのプランニング

超音波像の見かた
 Ⅰ.超音波診断装置の設定
 Ⅱ.基本走査
 Ⅲ.代表的な疾患のエコー画像


第3章 手関節・手部の臨床診断各論

●小児期
 1.合指症
 2.(母指)多指症
 3.先天性絞扼輪症候群
 4.母指形成不全
 5.先天性握り母指症

●思春期・青年期(スポーツ障害・外傷含む)
 1.三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷
 2.手指骨折
 3.舟状骨骨折
 4.有鉤骨鉤突起骨折
 5.月状骨(周囲)脱臼

●中・高齢期
 1.手根管症候群
 2.尺骨神経管症候群(Guyon管症候群)
 3.de Quervain病,ばね指
 4.母指CM関節症
 5.Kienbock病
 6.Preiser病
 7.手根不安定症
 8.ボタン穴変形,スワンネック変形
 9.指屈筋腱損傷
 10.指伸筋腱損傷
 11.指屈筋腱・伸筋腱皮下断裂
 12.指屈筋腱化膿性腱鞘炎
 13.手指の循環障害
 14.Dupuytren拘縮
 15.Heberden結節
 16.Bouchard結節
 17.ガングリオン
 18.グロムス腫瘍
 19.腱鞘巨細胞腫
 20.内軟骨腫


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