書籍カテゴリー:整形外科学|小児科学

これが私の小児整形外科診療
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これが私の小児整形外科診療
適切な診療への道しるべ

1版

  • 千葉県こども病院 整形外科部長 西須 孝 著

定価:8,100円(本体7,500円+税8%)

  • B5判 322頁
  • 2018年12月 発行
  • ISBN978-4-525-32191-8

概要

”教科書に載っていない”こどもの運動器疾患の見極め方を教えます

本書は小児整形外科に携わってきた著者が見出した体系化された外来診療のノウハウを余すところなく披露し,こぼさないスクリーニングで専門医へ紹介でき,患児家族へ適切に対応できる診療を伝授する.「どんな病気を考えていいかわからない」「見逃すと大変」の不安を払拭し,読めばその思考・技法を体得できる実践書.

序文

 こどもが四肢の症状で来院すると,「どんな病気を考えてよいかわからない」,「X線写真をみても正常かどうかわからない」,「見逃すとたいへん」といった不安を感じながら診察している医師が多いと思います.筆者も専門病院で経験を積むまではそうでした.そしてこどもの病気を診断するには,とてつもなく多くの知識が必要と思っていました.整形外科の成書には,先天性股関節脱臼,内反足,筋性斜頚,Perthes病,大腿骨頭すべり症など,さまざまな小児整形外科の主要疾患について解説されています.しかし,実際に外来を訪れる患児の半数以上はこのような主要疾患から外れているため,どう対応してよいかわからないケースが多いのです.このため小児整形外科は特殊な知識を長年学んだ医師にしか適切な診療ができない“聖域”のように思われてしまっています.
 しかし,小児整形外科診療に長く携っているうちに,診断と治療にはいくつかの定石があり,それは一般整形外科医や小児科医でもほとんど対応できることに気づきました.専門医が診る必要があるのは,その定石からはずれた少数例で,それをスクリーニングするだけなら難しくないと感じました.そして,定石通りの外来診療と専門医へ紹介すべきケースのスクリーニングについては,平易に読める一冊の本で十分伝えられるのではないかと考えました.
 本書では,筆者が日常行っている診断手順を紹介し,こどもの将来を心配して外来を訪れた両親の不安に対し適切に対応できる診療方法を,専門的知識のない医師でもすぐに理解し実践できるよう,写真やシェーマを数多く交えて解説しました.専門医が扱う希少疾患は,特に見逃してはいけないものを重点的に取り上げました.こどもの骨・関節疾患は自然に治るものが多く,疾患の予後を知っておくことはきわめて大切です.また,患児の両親に無用な心配をさせないためには,外科的治療の適応・方法についての知識もある程度知っておく必要があり,その点もわかりやすく解説しました.
 本書が整形外科や小児科の診療の場で,とっさに調べるときに欠かせない一冊,そして日々気軽に読み返していただける一冊となることを切に願っています.

2018年11月
西須 孝

目次

第1章  足趾の診かた
○愁訴からの診断
 1 先天的な足趾の変形
 2 成長に伴ってみられる足趾の変形
 3 その他の愁訴
  1)原因のわからない足趾の骨溶解
  2)爪がだんだんと盛り上がってきた
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・内反趾
 ・内反小趾
 ・重なり趾
 ・短趾症
 ・中足骨短縮症
 ・外反母趾
 ・マイクロジオディク病
 ・爪下外骨腫


第2章  足の診かた
○愁訴からの診断
 1 先天的な足の変形
 2 扁平足
 3 つま先歩行
 4 底屈しない足
 5 凹足と下垂足
 6 足の痛み
 7 くるぶしのところで腱がはずれる・音が鳴る
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・先天性内反足
 ・垂直距骨
 ・特発性つま先歩行
 ・Charcot-Marie-Tooth病
 ・外反扁平足
 ・尖  足
 ・麻痺性踵足
 ・Sever病
 ・足底腱膜炎
 ・第1Kohler病
 ・Freiberg病(第2Kohler病)
 ・足関節・足部の離断性骨軟骨炎
 ・足根骨癒合症
 ・腓骨筋腱脱臼,後脛骨筋腱脱臼


第3章  膝の診かた
○愁訴からの診断
 1 反張膝
 2 乳幼児の膝が伸びない
 3 乳幼児の膝が曲がらない
 4 学童期以降で膝が伸びない・曲がらない
 5 膝の腫脹
 6 新生児や乳児の膝が鳴る
 7 膝の痛み
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・先天性膝関節脱臼(先天性反張膝)
 ・(先天性)恒久性膝蓋骨脱臼,習慣性膝蓋骨脱臼・亜脱臼
 ・円板状半月板
 ・膝窩嚢胞


第4章  下肢の診かた
○愁訴からの診断
 1 幼児のO脚
 2 学童期以降のO脚(内反膝)
 3 X脚(外反膝)
 4 うちわ歩行(内旋歩行,内股歩行)
 5 そとわ歩行(外旋歩行,外股歩行)
 6 脚長不等
 7 下肢の痛み,疼痛性跛行
 8 下腿弯曲
 9 その他の愁訴
  1)両下肢が急速に腫脹した
  2)両下腿外側に皮膚のくぼみがある
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・生理的O脚
 ・Blount病
 ・局所性線維軟骨異形成症
 ・プロテインC欠乏症,プロテインS欠乏症
 ・生理的X脚
 ・うちわ歩行(内旋歩行,内股歩行)
 ・脚長不等
 ・先天性下腿弯曲症,先天性下腿偽関節症
 ・成長痛


第5章  股関節の診かた
○愁訴からの診断
 1 新生児・乳児健診で股関節の異常を疑われた
 2 股関節の痛み,疼痛性跛行
 3 股が閉じなくなってきた(股関節外転拘縮)
 4 股が開かなくなってきた(股関節内転拘縮)
 5 単純X線検査でみつかった股関節の骨形態異常
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全,DDH)
 ・単純性股関節炎
 ・化膿性股関節炎
 ・化膿性筋炎
 ・腱付着部炎
 ・Perthes病
 ・大腿骨頭すべり症
 ・特発性股関節軟骨溶解症


第6章  手の診かた(先天奇形を除く)
○愁訴からの診断
 1 指が伸びない・屈伸時にひっかかる
 2 指が曲がらない
 3 指の痛み
 4 指が短くなってきた
 5 指が太くなってきた
 6 その他の愁訴
  1)指先が曲がってきた
  2)中指と環指が広がっている
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・強剛母指・弾発指(ばね指)
 ・先天性握り母指症
 ・屈指症
 ・マイクロジオディク病
 ・中手骨短縮症


第7章  肘と前腕の診かた
○愁訴からの診断
 1 乳幼児の「肩がはずれた」・「腕を動かさない」
 2 肘が伸びない・曲がらない
 3 手のひらを反せない(前腕回内外制限)
 4 肘の痛み,肘が腫れている
 5 音が鳴る,引っかかる感じがある
 6 肘の肉眼上の変形(先天性を除く)
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・橈骨頭脱臼
 ・野球肘
 ・Panner病
 ・後遺症
 ・先天性橈尺骨癒合症
 ・肘関節強直
 ・弾発肘と肘関節ロッキング


第8章  肩と肩甲帯の診かた
○愁訴からの診断
 1 肩が上がっている
 2 肩が下がっている
 3 腕が挙がらない(痛みを伴わない場合)
 4 乳幼児の「肩がはずれた」
 5 肩の痛み
 6 肩がたびたびはずれる
 7 肩が前に出ている,鎖骨が出っ張っている
 8 肩甲骨が浮き上がっている(翼状肩甲)
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・Sprengel変形
 ・肩関節不安定症
 ・肩周辺の先天性筋欠損症
 ・三角筋拘縮症
 ・先天性鎖骨偽関節症
 ・先天性鎖骨欠損症
 ・リトルリーグ肩
 ・顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー


第9章  胸郭の診かた
○愁訴からの診断
 1 胸壁が凹んでいる
 2 前胸部の一部が突出している
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・漏斗胸
 ・鳩  胸
 ・Poland症候群
 ・胸骨分節脱臼


第10章  頚部の診かた
○愁訴からの診断
 1 新生児・乳児の首にしこりがある
 2 先天性にみられる斜頚(発症時期のわからない斜頚)
 3 幼児期以降で初発した痛みを伴う斜頚(後天性斜頚)
 4 首が硬い(後天性斜頚を除く)
 5 首の痛み(斜頚位を伴わない)
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・先天性筋性斜頚
 ・炎症性斜頚
 ・環軸関節回旋位固定
 ・Klippel-Feil症候群


第11章  腰部の診かた
○愁訴からの診断
 1 腰  痛
 2 背部のくぼみ
 3 尾骨痛
□主な疾患について知っておくべき知識
 ・腰椎分離症
 ・仙腸関節炎
 ・二分脊椎症
 ・尾骨痛


第12章  全身性疾患と小児整形外科総論
 1 関節炎
 2 出血性関節障害
 3 骨髄病変(MRI検査でみられる骨髄輝度の異常)
 4 多発性骨病変
 5 栄養障害
 6 全身の関節弛緩がみられる結合織性疾患
 7 先天性に多関節拘縮がみられる疾患
□主な疾患について知っておくべき知識
Ⅰ 関節炎をきたす疾患
 ・化膿性関節炎
 ・若年性特発性関節炎
 ・付着部炎関連関節炎
 ・反応性関節炎
Ⅱ 出血性関節障害をきたす疾患
 ・血友病性関節症,その他の血液凝固因子欠損症
 ・血管腫
Ⅲ 骨髄病変のみられる疾患
 ・化膿性骨髄炎
 ・抗酸菌性骨髄炎
 ・慢性再発性多発性骨髄炎
 ・傍骨端線部限局性骨髄浮腫
 ・類骨骨腫
Ⅳ 多発性骨病変のみられる疾患
 ・多発性外骨腫,メタコンドロマトーシス
 ・Langerhans細胞組織球症
 ・Ollier病
 ・多骨性線維性骨異形成症,McCune-Albright症候群
 ・骨斑紋症
 ・大理石骨病
 ・濃化異骨症
 ・骨流蝋症
 ・Camurati-Engelmann病
 ・片肢性骨端異形成症
Ⅴ 骨病変をもたらす栄養障害
 ・ビタミンD抵抗性くる病,ビタミンD欠乏性くる病
 ・壊血病
Ⅵ 関節弛緩のみられる全身性疾患
 ・Down症候群
 ・Marfan症候群,Ehlers?Danlos症候群,Loeys-Dietz症候群
Ⅶ 関節拘縮のみられる全身性疾患
 ・先天性多発性関節拘縮症
 ・Larsen症候群
 ・Freeman-Sheldon症候群
 ・Beals症候群
Ⅷ その他
 ・骨形成不全症
 ・神経線維腫症1型(NF1)
 ・進行性骨化性線維異形成症
 ・先天性無痛無汗症
 ・爪膝蓋骨症候群
 ・猫ひっかき病
 ・身体表現性障害,詐病
 ・骨端線早期閉鎖


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