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カテゴリー: 整形外科学

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スポーツエコー診療 Golden Standard

1版

慶應義塾大学医学部 スポーツ医学総合センター 教授 松本秀男 監修
慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 教授 大谷俊郎 監修
慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター 准教授 橋本健史 編集

定価

5,280(本体 4,800円 +税10%)


  • B5判  246頁
  • 2017年5月 発行
  • ISBN 978-4-525-32301-1

エコーを知ればスポーツ診療危うからず

超音波(エコー)診断機器の小型化や画像解析能の進歩は著しく,スポーツ外傷においてもエコー診断の幅が広がってきた.本書はスポーツ外傷・障害に対し,エコー検査を中心に,その診断へのファーストタッチ,治療経過,ならびに競技復帰への判断のポイントと考え方を読み解き解説した実践的書籍である.

  • 序文
  • 目次
序文
 スポーツ医学の分野にもevidence based medicine(EBM)の考え方が広まってきている.以前はカリスマ的指導者が全人格でもって,選手を引っ張っていくということが当然のことであった.それはそれで非常に貴いことである.ただ,この指導方法は,誤解を恐れずに言えば,エビデンスレベル5 のexpert’s opinionである.また,どんなにすばらしい指導方法であっても,指導できる人数には限りがある.科学的根拠に基づく指導であれば,これを標準化し汎用していくことができる.それはカリスマ的指導者を持つことができない多くの名もなきアスリートにとっての福音となり,彼らのスポーツ障害を未然に防ぎ,効率のよい運動パフォーマンス向上に寄与するのである.

 この新しいEBM によるスポーツ医学にとって重要なことは,診断,治療,スポーツ復帰の各過程において客観的データを得ることのできるデバイスを持つことである.これらのデバイスは,動作解析装置としてマーカによるmotioncapture,床反力計,そして各種のウェアラブルセンサー(小型の加速度計,角速度計など),筋力評価としての筋電図,各種の筋力測定装置などがあり,画像診断装置として,単純X 線,CT,MRI,超音波検査をあげることができる.このうち,スポーツ現場に適した,いつでもどこでも手軽に使えるデバイスとなると,ウェアラブルセンサーと超音波検査であろう.今後,この2 つがスポーツ医学にとって大きなウエイトを占めてくると考えられる.

 本書はその超音波検査について,その基礎と応用について初学者にもよくわかるように,また,スポーツ現場ですぐ役に立つように実践的に編纂したものである.執筆者は,現在第一線で活躍中のスポーツドクターであり,実際の症例に基づき書き起こしてもらっている.私ども慶應義塾大学のスポーツ医学にはキャンパスごとに,医学部スポーツ医学総合センター(信濃町キャンパス),スポーツ医学研究センター(日吉キャンパス),大学院健康マネジメント研究科(湘南藤沢キャンパス)と3 つの拠点がある.本書はこれら3 ヵ所の総力をあげて,また他大学の碩学にもお願いして,編んだものである.ぜひ,本書を座右ではなく,スポーツ現場に置いていただいてスポーツエコー診療に邁進していただければ幸いである.

2017年4 月
編著者を代表して
橋本健史
目次
第1章 スポーツエコー診療のための基礎知識
 1 超音波診断装置の仕組み
  超音波はスポーツ現場の身近にある
  現在の超音波診断装置の仕組み
  始まりは軍需電子技術の転用から
  超音波診断装置の黎明期
  超音波診断装置の革命! 電子走査法
  電子走査技術は運動器エコーの進化へ

 2 超音波診断装置における各組織の画像評価
  超音波診断装置の利点・欠点
  超音波診断装置について
  知っておくべき超音波画像の特徴
  各組織の超音波画像

 3 超音波ガイド下インターベンション
  超音波ガイド下注射の利点
  超音波ガイド下注射のテクニック

 4 血流・組織弾性の評価
  超音波エラストグラフィ
  ピットフォール
  腱の弾性評価
  筋の弾性評価
  その他の運動器軟部組織
  超音波ドプラ法

 5 スポーツ現場での超音波診断装置の使い方
  超音波診断装置の携帯化
  スポーツ現場での超音波検査の適応
  方 法
  具体的な使い方

 6 心エコーの見かた
  誰に対して心エコーを実施するか?
  どのように心エコーをとるのか?
  心エコーにおける一般的画像
  心エコーで何をみるか?
  どのような異常所見に注意するのか?


第2章 スポーツエコー診療に必要な解剖学
 1 肩関節
 2 肘関節
 3 手関節
 4 膝関節
 5 下腿,足・足関節


第3章 各部位でみられるスポーツ外傷・障害
 肩関節
  1 腱板断裂
  2 上方肩関節唇損傷(SLAP 損傷)
  3 上腕二頭筋長頭腱炎
  4 インピンジメント症候群(肩峰下)
  5 リトルリーグ肩(little leaguer's shoulder:LLS)
  6 Bennett 病変
  7 肩鎖関節脱臼,肩鎖関節炎

 手・肘関節
  8 手指の外傷・障害
   ばね指
   掌側軟骨板損傷
   A2 pulley 損傷
   母指MP 関節ロッキング
   伸筋腱脱臼
  9 手関節の外傷・障害
   三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷
   ドゥケルバン(de Quervain)腱鞘炎
  10 肘関節の外傷・障害
   遠位上腕二頭筋腱断裂
   上腕三頭筋腱障害
   関節液貯留
   滑膜炎
   関節内遊離体
   滑液包炎
   弾発肘
   内側・外側側副靱帯損傷
   肘内障
   肘周辺骨折
  11 野球肘(内側の障害)
  12 野球肘(外側の障害)
  13 野球肘(後方の障害ほか)
  14 上腕骨外側上顆炎
  15 上腕骨内側上顆炎
  16 上肢の神経障害
   手根管症候群
   尺骨神経脱臼

 股関節
  17 ハムストリングス損傷

 膝関節
  18 軟骨・半月板損傷
  19 腱付着部症①(ジャンパー膝,Osgood-Schlatter 病)
  20 腱付着部症②(腸脛靱帯炎,鵞足炎)
  21 肉離れ
  22 内側側副靱帯損傷

 下腿,足・足関節
  23 脛骨疲労骨折
  24 シンスプリント
  25 急性足関節捻挫
  26 陳旧性足関節外側靱帯損傷
  27 中足骨疲労骨折
  28 踵骨疲労骨折
  29 母趾種子骨疲労骨折
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