書籍カテゴリー:産婦人科学|臨床看護学

これからはじめる周産期メンタルヘルス
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これからはじめる周産期メンタルヘルス
産後うつかな?と思ったら

1版

  • 広尾レディース 院長/東京慈恵会医科大学非常勤講師 宗田 聡 著

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

  • B5判 80頁
  • 2017年4月 発行
  • ISBN978-4-525-33651-6

概要

産後うつを知ろう!はじめに読む1冊

周産期メンタルヘルスって?産後うつって?これから周産期メンタルヘルスをはじめる初心者にもわかりやすいよう,イラストや図表を多く取り入れ,解説した入門書.助産師・保健師・看護師はじめ,企業の保健師や産業医にもおすすめの1冊.

序文

 周産期メンタルヘルスの研究の歴史をみてみると,それほど古いものではなく,本格的なものは1980年代に入ってからとなり,書籍でBrockington&Kumarの「母性と精神疾患」(1988)が最初になります.その後,海外で使われていたエジンバラ産後うつ病質問票(Edinburgh postnatal depression scale:EPDS)の日本語訳とその妥当性の検討を三重大学の岡野禎治先生が行って,ゆっくりと日本でも関心が高まってきました.そして2004年に第1回の周産期メンタルヘルス研究会による学術集会が開催され,それから年1回開催し,現在の周産期メンタルヘルス学会につながっています.
 20年前にはまだ関心も低く,産婦人科医や精神科医はもちろん,助産師・保健師も周産期におけるメンタルヘルスにはあまり興味がありませんでした.しかし,ここ数年は臨床現場において周産期メンタルヘルスは非常に大きな問題となってきています.そのため,現場の関係者にとって,この新たな周産期メンタルヘルスについて関わっていかなければならない状況となっています.多くの職種の関係者がそれぞれの専門性をもって連携して対応していかなければならないため,単に医学的なことだけを学ぶのではなく,幅広く周産期メンタルヘルスについて知っておかなければなりません.
 この数年,著者は全国の多くの地域の保健所や助産師会,大学教育機関や地域開催のセミナーなどで周産期メンタルヘルスに関する講演を行ってきました.関心が年々高まっている一方で,専門書はいくつか出版されていますが,残念ながら基本的な知識について学ぶための教科書がありませんでした.今,全国あらゆる地域でこの領域の知識をたくさんの関係者に知ってもらう必要があります.周産期のメンタルヘルスについて学ぶことが初めての方も少なくないため,自分で学ぶためのガイド書が必要だと感じていました.学術的に詳細な専門書より,全体を包括的にまとめた入門書の必要性を感じたことから,本書の企画が立ち上がり,まず周産期メンタルヘルスという領域に入ってもらうためのガイド書として読んでもらうことを念頭に書き下ろしました.時期的には日本産科婦人科学会や日本周産期メンタルヘルス学会でガイドラインが検討されていた状況でもあったため,それにできるだけ沿った形で執筆を進めました.
 本書でまずこの領域の全体観を学び,もっともっと周産期メンタルヘルスに強い関心と専門性をもってもらえれば,著者としてこんなにも嬉しいことはありません.

 2017年3月
宗田 聡

目次

目次

妊娠うつ Aさんのケース
産後うつ Bさんのケース

Ⅰ.総論 周産期メンタルヘルスとは
周産期をとりまく大きな変化
精神疾患合併妊娠が増えている!?
 ●「4大疾病」から「5大疾病」へ
 ●女性は男性の1.6倍!
周産期メンタルヘルスの流れ
 ●女性のライフスタイルの変化
 ●メンタルヘルスに問題をもつ女性が増加
 ●周産期メンタルヘルスの誕生
ハイリスク妊婦の抱える問題
 ●精神科と心療内科─どう違うの?
 ●精神科は敷居が高い!?
 ●今後の課題
Column 「産後うつ」だけでいいのか?

Ⅱ.各論 周産期における精神疾患
  ・メンタルヘルスの分類に大きな変化
  ・女性は男性の2倍もかかりやすい
マタニティブルー
  ・産後すぐ,一過性のもの!
周産期うつ
 ●妊娠うつ
  ・8~12人に1人が経験
  ・早期に発見するのはむずかしい…
 ●産後うつ
  ・10人に1人が産後うつに
  ・どんな症状?
  ・どんな人がなりやすい?
  ・スクリーニングで絞り込む
  ・早期発見と治療やサポートが大切
  ・どんな治療が行われるの?
  ・さまざまなサポートの形
  ・動き出した社会的な取り組み
  ・日本周産期メンタルヘルス学会とは
双極性障害(躁うつ病)
  ・躁状態とうつ状態の2つの顔
  ・どんな症状?
  ・治療について
不安障害
  ・女性に多く,年々増えている!?
  ・治療について
統合失調症
  ・100人に1人がかかる身近な病気
  ・陽性症状と陰性症状
  ・治療について
産褥精神病
  ・重症でまれな疾患
  ・どんな症状?
  ・治療について
Column 薬は止める? 続ける?

Ⅲ.応用 早期発見と診断のために
いつから対応する?
 ●妊娠を考えるまで
 ●妊活中
 ●妊娠初期
 ●妊娠中
 ●産 後
 ●育児中
どうやってスクリーニングするか?
チェックリストの利用
エジンバラ産後うつ病問診票(EPDS)の基本知識
スクリーニング陽性だったときは?
構造化面接(SCID)とは?
Column 芸能人は「健康」が命?

Ⅳ.情報と知識 周産期メンタルヘルスにおける連携
いつ,どこで,誰が,何を?
本人と家族・友人知人
行政とのかかわり
社会の中の動き
Column イクメンも産後うつに!?

Ⅴ.最新情報 民間のさまざまな試み
Column 日中韓の床上げ1ヵ月事情

資 料
●エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)
 ・EPDSってなに?
 ・EPDSの使い方
 ・使うにあたっての注意点
●2質問法(PHQ-2)
●育児支援チェックリスト
●赤ちゃんへの気持ち質問票(ボンディング)
Column EPDSは万能?