書籍カテゴリー:精神医学/心身医学|放射線医学/核医学

精神疾患の脳画像解析・診断学
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精神疾患の脳画像解析・診断学

1版

  • 横浜市立大学精神医学教授 平安良雄 編著
  • 東京大学精神医学講師 笠井清登 編著

定価:4,860円(本体4,500円+税8%)

  • B5判 127頁
  • 2008年6月 発行
  • ISBN978-4-525-38441-8

概要

精神疾患の診断に,脳画像と遺伝子という実証性をもった診断技術が出現し,新たなパラダイム・シフトが起きている.特に脳画像診断は画像工学技術の進歩に伴い脳内の形態・機能変化が詳細に測定されるようになり,精神疾患の病態究明の柱として注目を集めている.各種脳画像検査の実際から疾患ごとの病態研究の現状,臨床応用までを斯界の第一人者たちがまとめた本書は精神疾患の脳画像研究における待望の入門書である.

序文

精神疾患の病因・病態を解明し,根治療法を開発することは精神科医にとって積年の願いである.人の心が脳の活動の結果として表現されていることを疑うものは少なくなったと思われるが,脳の活動を客観的に捉え,心の動きを説明するために人類は長い年月を要した.近年の脳画像技術の進歩は脳の活動を捉え,私たちの心の動きを説明する手がかりを解明しつつある.さらに,心の病である精神疾患を脳活動の異常として捉えその病因・病態へと導きつつある.このような時代に生まれ,精神科医として診療にかかわれることは,すばらしいことである.
本書は大学院生や後期研修医を中心に,これから精神医学を脳画像によって解明したいという志を持つ皆さんを対象にわが国の精神医学研究で脳画像領域の最前線を行く研究者に寄稿をお願いした.これから研究を始める,あるいは研究の途中で,研究デザインを含め精神科脳画像研究の基本を学んでいただくことができる入門書となっていると思う.また,本書は日々更新される新たな研究成果よりも,すでに安定した研究手法の理念や実践方法の解説に重点をおいた.もちろん,脳画像技術そのものは,日進月歩であり,今後新たな技術や解析法の開発によって本書も改訂を進めることができればと考えている.
最後に,本書の企画・編集に当たって多数の意見をいただいた横浜市立大学精神医学教室画像研究チームの皆さん,本書の企画・編集・出版にご尽力いただいた南山堂編集部の皆さんにお礼を述べたい.


2008年4月
横浜市立大学大学院医学研究科精神医学部門
平安良雄





目次

脳画像と精神疾患 ― overview

I.脳画像検査の実際
 A.検査機器・システム
  1.sMRI-ROI
  2.sMRI-VBM
  3.sMRI-DTI
  4.MRS
  5.fMRI
  6.PET
  7.SPECT
  8.NIRS
 B.検査手順(被験者への説明・同意,検査の実際)と倫理
  1.臨床研究の手順
  2.守秘義務
  3.被験者への対応

II.脳画像検査から病態を探る
 A.形態変化が表すもの
  1.Structural MRI
  2.拡散テンソル画像
 B.機能変化が表すもの
  1.機能変化の生理学的意義について
  2.機能変化の心理学的意義:単一グループ解析の場合
  3.機能変化の心理学的意義:複数グループ解析の場合
  4.機能変化が表すもの
 C.遺伝子との関連について
  1.精神障害の脆弱性遺伝子
  2.精神障害に用いられる脳画像
  3.脳画像と遺伝子の関連の概念
  4.脳画像と遺伝子の関連の実際
 D.疾患ごとの病態検査 ―わかっていること・注目されていること
  1.統合失調症
  2.気分障害
  3.強迫性障害およびパニック障害
  4.摂食障害
  5.アルツハイマー型認知症
  6.自閉症
  7.AD/HD
  8.PTSD

III.脳画像検査の臨床応用
 A.新たな診断技術の必要性
 B.生物学的指標としての脳画像診断
 C.統合失調症への臨床応用の試み
  1.関心領域法による検討
  2.VBMによる検討
 D.今後の課題

索 引