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カテゴリー: 癌・腫瘍学  |  東洋医学

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JASCCがん支持医療ガイドシリーズ

がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド

1版

日本がんサポーティブケア学会 監修
日本がんサポーティブケア学会 漢方部会 編集

定価

4,400(本体 4,000円 +税10%)


  • B5判  233頁
  • 2020年11月 発行
  • ISBN 978-4-525-42371-1

がんサポーティブケアで漢方を使いこなすための一冊!

がん診療において出現するさまざまな症状に対して漢方を活用するために,漢方やがんサポーティブケアに関する基礎知識をふまえながら,それらの症状に対する漢方の使用法や主要な漢方製剤について,症例・エビデンスを交えながら解説.がんサポーティブケアに漢方を取り入れたいと考える医療者必携の一冊.

  • 序文
  • 目次
序文
「がんサポーティブケアのための漢方活用ガイド」発刊を記念して

 がん治療における支持・緩和医療の普及は,社会的なニーズが高いにもかかわらず,その実践が難しい医療だと思います.外科手術や放射線療法等のように治療標的とゴールが単純ではなく,薬物療法の有害事象に対する支持医療,またはがんに随伴する症状,がん治療後の後遺症,社会的な支援等を目的とし,いわば身体と心の症状緩和を提供する医療と考えます.したがって,多職種の医療者が同じ目標に向かって患者を支援する必要があり,関わる医療者が共通の目的意識をもってチームで診療にあたる必要があります.そのチーム作りに欠かせない人材の育成には専門職の垣根を超えた協力が必要です.
 さて,日本がんサポーティブケア学会(Japanese Association of Supportive Care in Cancer ; JASCC)では,「JASCC がん支持医療ガイドシリーズ」を発刊しており,このほど漢方部会の編集により本書ができ上がりました.総論では,漢方医学と西洋医学との共通点と相違点がよく理解できます.また各論では,患者の病状を中心に診断を進めていき,的確な漢方薬の処方ができるように解説されていると感心しました.また,漢方は高齢者にみられるポリファーマシーの問題点を解決できる糸口となるかもしれません.欧米のがん臨床研究でも漢方薬を用いた研究も盛んであり,鍼灸をはじめとする東洋医学への関心も高いと思います.編集に関わられた諸先生方のご努力に,感謝と尊敬の念を覚えます.
 補完・代替医療,あるいは統合医療と呼ばれる医療も確立されており,欧米のがん専門病院でも統合医療の外来が整備されています.一方,わが国の医学の歴史は,あらゆる分野で欧米文化を吸収するために,医学界でも西洋医学は科学的根拠に基づいた医療とされ,東洋医学は科学的根拠より経験を重視する古い医学として扱われたような気がします.つまり証を中心とした,患者との対話を重視し,処方を決定する医学は古いと考えられていました.Evidence-based medicine(EBM)の代表が西洋医学であり,Narrative based medicine(NBM)が東洋医学と誤解され,東洋医学の重要性が忘れられていたのではないかと危惧します.しかし,EBM とNBM は対立するものではなく,互いに補完するものです.近年,漢方医学は最近の研究から科学的な解析が加えられ,EBM においても漢方医学の評価が高まっています.すなわち西洋医学と補完する医学として漢方医学を考慮すべきと思います.
 がん医療において,患者の満足度が高い“患者中心の医療”は不可欠のものです.漢方医学の診療と並行してがん医療を行うことで,患者の真のニーズに答えられると信じております.

2020年8月
日本がんサポーティブケア学会 理事長
佐伯俊昭
目次
本書について

カテゴリー1 総論
1.漢方概論
2.がん医療で漢方に期待されること―歴史から学ぶ医師たちの心意気
3.がん診療における漢方診療の目的
4.漢方の一般的副作用・注意事項
5.漢方用語の解説
6.がん政策と漢方の現状
7.がんサポーティブケアの問題点と漢方の意義

カテゴリー2 各論(症候編)
1.全身倦怠感・疲労感
2.食欲不振・体重減少
3.口内炎
4.味覚障害
5.悪心・嘔吐
6.下痢
7.便秘
8.末梢神経障害
9.皮膚・爪障害
10.血球減少
11.更年期障害様症状

カテゴリー3 各論(処方編)
1.十全大補湯
2.補中益気湯
3.人参養栄湯
4.六君子湯
5.芍薬甘草湯
6.牛車腎気丸・八味地黄丸
7.半夏瀉心湯
8.大建中湯
9.抑肝散
10.麦門冬湯
11.五苓散
12.加味帰脾湯

Column
漢方医学の特徴「異病同治」とは?―漢方薬がポリファーマシーを解消できる理由
漢方薬でがんサポーティブケア! 続けるコツは?
顎骨壊死による疼痛に立効散が著効した症例
医療用漢方製剤の奥深いはなし① 生薬配合比の違い―葛根湯
こんなときの漢方薬―漢方薬の得意と苦手
保険診療で使えるわが国の漢方薬
「未病を治す」漢方薬の力
民間薬と漢方薬の違い
医療用漢方製剤の奥深いはなし② 生薬の種類の違い―白朮と蒼朮
漢方医学の学習に役立つ資料等

索引
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