書籍カテゴリー:癌・腫瘍学

肺癌化学療法
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オンコロジークリニカルガイド
肺癌化学療法

1版

  • 日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 主任教授 弦間昭彦 編
  • 兵庫県立がんセンター呼吸器内科 部長 里内美弥子 編

定価:5,940円(本体5,500円+税8%)

  • B5判 432頁
  • 2014年12月 発行
  • ISBN978-4-525-42451-0

概要

肺癌のKey Drugsやエビデンスレベルの高い薬物療法の最新知見をコンパクトに解説.また,国内外の大規模臨床試験や米国臨床腫瘍学会ASCOなどの情報も盛り込んだ.本分野の第一線で活躍する医師が要ポイントを体系的にわかりやすく整理.肺癌領域のプロフェッショナルを目指す医療従事者に必携の書.

序文

 癌治療の分野では,近年,分子生物学,製剤技術,医用工学などの進歩により,大きな進展がみられています.特に,肺癌治療の進歩は,ここ数年,その速度をあげ,日本肺癌学会発行の「肺癌診療ガイドライン」は,紙ベースの発行が現実的でなくなり,ネット環境で毎年改訂されている状況です.大きな変化は,なんといっても,薬物治療の分野で起こっており,生存期間の延長がもたらされています.


■肺癌化学療法に関するエビデンスの字引き
 肺癌化学療法の領域では,殺細胞性薬剤による従来型の治療から個別化治療への移行まで,無数のエビデンスが積み上げられてきた分野であります.したがって,これら多くのエビデンスがしっかりと意味付けられ整理された「字引き」を必要とする分野といえます.

■無作為化比較試験の解釈―得られているエビデンスの限界と問題点
 情報化社会では,情報の信頼度が常に問題となっています.特に,情報量の多い肺癌化学療法の領域では,情報の源である肺癌化学療法のエビデンスを正確に評価解釈することを必要とします.そのために,他に類をみない特徴的な項目立てを試みています.本書の第一の特徴は,このような肺癌化学療法の領域において,肺癌化学療法に関する無作為化比較試験の情報を気鋭のオピニオンリーダーに入念に検討し解釈していただくことで,現在得られているエビデンスの限界と問題点を明らかにしている点です.そして,わが国発のエビデンスが大きな役割を果たしている分野である利点を生かし,必要に応じ,その検討に対する研究者の意見をコラムとして加えました.研究者同士の解釈の違いを鮮明にすることも,また,意味のあることとなるでしょう.
 これは,「学会などのガイドラインでは作成し得ない大胆な構造化抄録」といえるかもしれません.

 本書は肺癌治療の現場で「専門医診療の実践」に役に立つ一冊になったと確信しております.正直なところ,想像をはるかに越えた内容の深さに,執筆者の方々には,ただただ感謝するばかりです.また本書は,専門医に限らず,肺癌診療に携わるすべての医療スタッフの皆様にとっても診療の理解を深める糸口になると考えます.本書が治療効果を適切に引き出す一助となれば幸いです.

2014年秋
日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野 主任教授 弦間昭彦
兵庫県立がんセンター 呼吸器内科長 里内美弥子

目次

第1章 肺癌薬物療法のための肺癌腫瘍学
 1 癌薬物療法の基礎理論
 2 次世代肺癌治療への生物学概説

第2章 肺癌化学療法のKey Drugs
 1 プラチナ製剤
 2 タキサン 
 3 トポイソメラーゼI阻害薬
 4 アムルビシン 
 5 ビンカアルカロイド 
 6 ゲムシタビン 
 7 ペメトレキセド
 8 DIF 
 9 EGFR 阻害薬
 10 ALK 阻害薬
 11 ベバシズマブ

第3章 肺癌化学療法における併用療法
 1 シスプラチン/イリノテカン 
 2 シスプラチン/エトポシド 
 3 シスプラチン/ドセタキセル 
 4 カルボプラチン/パクリタキセル(nab-パクリタキセル)
 5 シスプラチン/ゲムシタビン
 6 シスプラチン/ビノレルビン 
 7 シスプラチン/ペメトレキセド
 8 カルボプラチン/S-1
 9 シスプラチン/S-1
 10 カルボプラチン/パクリタキセル/ベバシズマブ

第4章 NSCLC術後化学療法
 1 NSCLC術後の治療戦略 
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   JLCRG(手術/術後UFT vs 手術単独)
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   IALT, ANITA, JBR.10

第5章 III期NSCLC
 1 III期NSCLCの治療戦略
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   FURUSE, WJTOG0105, OLCSG0007, JCOG0301
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   RTOG8808/ECOG4588, RTOG9410, HOG-LUN 01-24 

第6章 EGFR変異およびALK変異陰性の
  IV期NSCLC一次治療
 1 EGFR変異およびALK変異陰性の・期NSCLCの治療戦略
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   ・TAX-JP-301(CDDP/DTX vs CDDP/VDS)
   ・FACS(CDDP/CPT-11 vs CBDCA/PTX, CDDP/GEM, CDDP/VNR)
   ・LETS(CBDCA/S-1 vs CBDCA/PTX),CATS(CDDP/S-1 vs CDDP/DTX)
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   ・ECOG1594(CDDP/PTX vs CDDP/GEM vs CDDP/DTX vs CBDCA/PTX)
   ・JMBD(CDDP/PEM vs CDDP/GEM)
   ・PointBreak(CBDCA/PEM/BEV vs CBDCA/PTX/BEV)
   ・E4599(CBDCA/PTX/BEV vs CBDCA/PTX)
   ・PARAMOUNT 

第7章 IV期NSCLC二次治療
 1 二次治療の治療戦略
 2 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   TAX320, TAX317, JMEI, BR21, TAILOR

第8章 高齢者IV期NSCLC
 1 高齢者の治療戦略 
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   WJTOG9904, JCOG0207, JCOG0803/WJOG4307L
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   ELVIS, SICOG, MILES, IFCT0501
 4 PS不良


第9章 EGFR変異を有するIV期NSCLC
 1 EGFR変異を有するIV期NSCLCの治療戦略
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   ・NEJ002(GEF vs CBDCA/PTX),WJTOG3405(GEF vs CDDP/DTX)
   ・NEJ001  276
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   IPASS, OPTIMAL, EURTAC, LUX-Lung
 4 二次治療のEGFR-TKI同士の比較
   WJOG5108L(GEF vs ERL)

第10章 ALK変異を有するIV期NSCLC
 1 ALK変異を有するIV期NSCLCの治療戦略
 2 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   PROFILE1007, PROFILE1014

第11章 LD-SCLC
 1 LD-SCLCの治療戦略
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   JCOG9104(同時 vs 遂次 化学放射療法)
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   NCI Canada, CLGB8083, Jeremic

第12章 ED-SCLC
 1 ED-SCLCの治療戦略  
 2 わが国における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   JCOG9511, JCOG9702, JCOG0509 
 3 海外における標準治療にかかわる大規模無作為化比較試験の意味と問題点
   Hanna, Lara, Zatloukal 
 4 再発SCLC 

第13章 現在進行中の大規模無作為化比較試験
 1 進行NSCLC 
 2 術後補助化学療法 

第14章 肺癌化学療法における副作用対策
 1 血液毒性
 2 消化器毒性 
 3 神経毒性 
 4 皮膚毒性 
 5 呼吸器毒性 
 6 循環器

第15章 肺癌患者の緩和医療
 肺癌患者における緩和医療とその技術

第16章 肺癌の個別化治療
 肺癌の個別化治療の現状と将来