書籍カテゴリー:臨床看護学|精神医学/心身医学

こんなときどうする? 疾患別にみるこころの看護
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こんなときどうする? 疾患別にみるこころの看護

1版

  • 正史会 大和病院 池田 健 著

定価:2,052円(本体1,900円+税8%)

  • B5判 126頁
  • 2006年8月 発行
  • ISBN978-4-525-50241-6
  • ISBN4-525-50241-X

概要

臨床経験豊富な精神科医が,患者さんの対応・言動の背景にある「こころと関連の深い身体疾患」を各科毎に取り上げ,患者さんの精神的症状が疾患によるものなのか,治療によるものなのかを解説.また,24の症例を通して,具体的なこころのケアの方法や看護上のポイントを学べる.困った患者さんへの対処法や医療者自身のメンタルケアについても述べた.

序文

医師として臨床現場に身をおいている私は,看護師という職業の重要さと大変さを日頃から痛感している.その一方でわれわれが考えている以上に医師よりも看護師の方がはるかに患者さんとの距離は近く,ずいぶんと助けられているということをついつい忘れている.浅学非才の身であるにもかかわらず本書の執筆に取り組んだ最大の理由は,良きパートナーである看護師さんたちへのささやかな恩返しができないかということであった.特にこの本は卒後数年の無限の可能性を秘めた若手の看護師さんを第一の読者対象としている.
医療過誤が大きな社会問題となっている現在,看護の重要性,特に全人的な看護観,すなわち「疾患に気をとらわれずに個々人の心理に焦点をあてた看護」を行うことはますます重要になっている.ともすれば,管理的・防衛的になりがちな医療現場においてあたたかい看護を行うことは難しい.これを打開する一つの方策として,今こそ精神科における理論や概念を精神科の専門家以外の方々に噛み砕いて説明することが大切だと考える.なぜなら本書で紹介した多くの理論が精神科医以外のスタッフとの語らいの中から生まれてきたものであり,これを還元することが現場で役立つに違いないと考えたからである.この本が,理想と現実のギャップに悩む医療関係者にとって少しでも助けになれば望外の喜びである.
(注:本書にあげた事例は個人情報保護のためにすべて大きく修正を加えている.また,モデルとなった事例に関してはご本人及びご家族より掲載の同意を得ている.また最近では治療を受ける人を患者様と呼ぶ傾向もあるようだが,やや慇懃無礼ではないかという個人的な考えから患者さんに統一した)

2006年6月   池田 健

目次

1章 なぜ今,看護に「こころのケア」が必要なのか
2章 こころと関連の深い身体疾患
I.内科系の科
 内科的なアプローチの特徴
 看護における情報収集の重要性
 情報がこころのケアに役立つ例
  A.循環器内科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  B.呼吸器内科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  C.消化器内科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  D.膠原病内科
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   2.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  E.内分泌内科
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
  F.神経内科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  G.腎臓内科
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   2.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  H.小児科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
  I.皮膚科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
II.外科系の科
 外科的なアプローチの特徴
 手術適応の拡大による外科看護の重要性の変化
  A.心血管外科
   1.病気や手術により精神的変化をきたしやすいもの
  B.呼吸器外科
   1.診断や手術により精神的変化をきたしやすいもの
   2.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  C.消化器外科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  D.脳神経外科
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
  E.小児外科
   1.病気や手術により精神的変化をきたしやすいもの
  F.整形外科・リハビリテーション科  37
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   2.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  G.産婦人科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
  H.泌尿器科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  I.眼 科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  J.耳鼻咽喉科
   1.病気の原因や悪化にこころが関係しているもの
   2.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
   3.治療により精神的変化をきたしやすいもの
  K.口腔外科(形成外科)
   1.病気そのものが精神的変化をきたしやすいもの
3章 事例から学ぶ「臨床看護で必要なメンタルケア」
I.内科系の科
  A.循環器内科
   解答例,必要なケア,看護の対応
  B.呼吸器内科
   解答例,看護上必要なこころがまえと法的倫理的な問題
  C.消化器内科
   解答例,終末期医療とその心理ケア,終末期に必要なケア
  D.膠原病内科
   解答例,必要なこころのケア,不安への対応,その他の精神症状への対応
  E.内分泌内科
   解答例,精神症状のアセスメントと必要なケア,気をつけたいうつ病の進行
  F.神経内科
   解答例,抗パーキンソン病薬の副作用
  G.小児科
   解答例,被虐待児症候群とその対応
  H.皮膚科
   家族の過干渉と巻き込まれすぎ,ストレスを強調しすぎることが逆にストレスになる,望ましいスタッフの対応
II.外科系の科
  A.心血管外科
   解答例,手術前後の看護計画とこころのケアについて
  B.呼吸器外科
   解答例,肺ガンの手術適応,看護上のポイント
  C.消化器外科
   直腸ガンとその予後,ストーマ造設の際の指導とそのサポート,性的な問題の取り扱いについて
  D.脳神経外科
   クリティカルパスとは?,考えられる心理状況とそのケア,クリティカルパス・EBM・NBM・テーラーメイド医療
  E.小児外科
   解答例,原始的な防衛機制と分離個体化理論,具体的な対応
  F.整形外科・リハビリテーション科
   解答例,具体的な対応例,看護と家族の役割
  G.産婦人科
   すべての科に必要とされる自殺の評価と予防,自殺の危険因子と具体的な対応
  H.腎・泌尿器科
   解説と対応例
  I.眼科
   VDT症候群とその背景,中年期の迷いとうつについて,セルフケアとそのサポート,VDT症候群のケア
  J.耳鼻咽喉科
   職業上の都合で起きた疾患への対応,患者さんの自己決定権と医療スタッフのかかわり
  K.口腔外科(形成外科)
   退行と発達段階について,精神性的な発達とその理解,具体的な対応
4章 対応の難しい患者さんへのケア
  A.対応の難しい患者さんへの共通した理解と対応
  B.ほとんど話さず被害的になる人
   解説と対応例,沈黙するということ,被害的な言動の考え方と対応
  C.態度の大きい人
   解説と対応例,横柄さの裏側にあるもの,具体的な工夫
  D.スタッフに命令する人
   いわゆるSpecial Patient(特別な患者さん)とその対応,心理的な因子と対応例,いくつかの留意したい点
  E.おおげさな人
   おおげさな患者さんの心理的な特徴,身体表現性障害と疾病利得,心理的因子と具体的な対応
  F.こだわりの強い人
   確認行為など強迫的な行為が多い人の心理と対応,望ましい対応例
5章 あなた自身のメンタルケア
  A.看護師のストレス
  B.男性看護師さんへのメッセージ
  C.具体的なストレス解消法
   1.上手な休みの利用法
   2.健康な防衛機制を利用する
   3.精神的に危険なサインについて知っておこう
   4.精神的に追い詰められた時の望ましい対応・望ましくない対応
参考文献
看護に役立つ国家試験既出問題
索引

レッスン
 レッスン1 近代看護学の母.ナイチンゲールの実像
 レッスン2 ナイチンゲール以降の看護学の歩み
 レッスン3 防衛機制
 レッスン4 心理検査
 レッスン5 躁うつ病 その1〜種類と主な症状
 レッスン6 躁うつ病 その2〜うつ病と性格
 レッスン7 統合失調症 その1〜病名の変更と主な症状
 レッスン8 統合失調症 その2〜さまざまなタイプと疾患概念の確立
 レッスン9 統合失調症 その3〜統合失調症の近年説と軽症化
 レッスン10 統合失調症 その4〜陽性症状と陰性症状
 レッスン11 神経症〜さまよえる神経症概念