書籍カテゴリー:臨床看護学|小児科学

母乳育児支援講座
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Breastfeeding for a medical profession
母乳育児支援講座

1版

  • 昭和大学医学部小児科准教授 水野克己 著
  • 昭和大学医学部小児科研究生 水野紀子 著

定価:4,536円(本体4,200円+税8%)

  • AB判 346頁
  • 2011年10月 発行
  • ISBN978-4-525-50331-4

概要

母乳育児支援を行う医療従事者の多くは,妊娠〜出産・退院まで期間での関わりが多く,また重要である.本書ではこの期間に必要なコアとなる知識を簡潔にまとめ,1ヵ月で理解できるように編集した.
項目毎にある確認テストを行うことで,理解度を測ることもできる.図表やコラムも満載し,今までにないテキストを目指した.

症例から学ぶ 母乳育児支援セミナー 2日間コース

序文

 医療者であれば誰もが「母親は自分が出産した児を母乳で育てるのがベストである」と考えるであろう.母乳で育てることにより得られる多くの利点を考えると,医療者がしっかりと母乳育児をサポートできることが求められる.しかし,母乳で育てる母親をサポートするための系統的な医学教育はなく,同僚や先輩の経験に基づく知識と,自分の経験から得た知識を用いてサポートしているのが現状の母乳育児支援であろう.
 この経験から得た知識(experience based)だけでは,いろいろな母乳育児の問題を抱える母親と児に「どんな問題でも解決できる」と自信を持って接することが難しい場合がある.医学は生理学,生化学,解剖学,そして病態生理から薬理学,微生物学といった診療の基礎となる「基礎医学」のもとに成り立っている.これらの基礎医学を習得後さらにエビデンスに基づいた医学(evidence based medicine,EBM)が加わって,初めて「どんな問題でも大丈夫,解決できる」と確信が持てるのであろう(もちろん100%には到達しないのだが…).
 母乳育児支援において,これら基礎医学を学習する場や教材が少ないため,どうしても経験重視の問題解決になってしまっている.授乳中の乳房は種の保存において大変重要な臓器である.筆者は以前から,医療者が改めて母乳育児を基礎医学から学習するために役立つものを作り上げたいと考えていた.今回,南山堂さんのご尽力のもと,母乳育児,母親と児の生理,母乳で育つ児の基礎医学を自己学習でき,読者自身がこれまで積み上げてきた経験に基づく知識を整理できる書ができ上がったと自負している.基礎から知識を見直すことで,母乳育児中の親子と周囲の人々に対し自信を持ってサポートができることを願って序文とする.

平成23年9月吉日
水野 克己・紀 子

目次

母乳育児支援講座
第 1日目:乳房の解剖
第 2日目:母乳分泌の生理
第 3日目:母乳の生化学1:母乳の構成成分
第 4日目:母乳の生化学2:免疫物質・アレルギー物質
第 5日目:母乳の生化学3:構成成分の変化
第 6日目:早期接触と母乳育児─出生直後のskin to skin contact
第 7日目:新生児の黄疸
第 8日目:新生児の低血糖─母乳で育っている児を中心に
第 9日目:生後早期の体重減少と高張性脱水
第10日目:哺乳のしくみ
第11日目:(前半)補足の医学的適応と種類・量・方法
     (後半)補足の減らし方とフォローアップの方法
第12日目:うまく吸着できないときの対応(陥没乳頭・扁平乳頭)
第13日目:授乳姿勢と乳房の含ませ方─ポジショニングとラッチオン─
第14日目:乳房の緊満,乳腺炎,乳汁分泌過多
第15日目:乳頭痛と乳頭損傷
第16日目:母乳不足感と母乳摂取不足,母乳分泌不全
第17日目:帝王切開と無痛分娩の母乳育児
第18日目:Late Preterm(ちょっと早く生まれた)児の授乳と多胎の授乳
第19日目:早産児の母乳育児支援
第20日目:(前半)退院前に伝えておきたいこと
     (後半)2週間健診のすすめ
卒業テスト

* 母乳育児支援 Q&A
●妊娠中の母乳育児の準備
 Q:おっぱいの大きさと母乳の量って関係するの?
 Q:母乳ってどうやって作られるの?
 Q:乳汁生成の第2段階になって母乳がたくさん出るようになれば,もう出なくなる心配はないのでしょうか
 Q:母乳はミルクと同じ?/Q:母乳は生きている?
 Q:1歳を過ぎたら母乳の栄養や免疫はなくなるの?
 Q:カンガルーケアを安全に行う方法って?
● 新生児の生理学
 Q:赤ちゃんが黄色いのは私の母乳がよくない?
 Q:黄疸の治療にはどんなものがありますか?
 Q:黄疸の光線療法って何?治療中には母乳はあげられないの?
 Q:黄疸のために粉ミルクは必要?
 Q:低血糖って何が悪いの?
 Q:体重が減っていたらやっぱりミルクを足さなければダメ?
 Q:哺乳ビンだとゴクゴクよく飲む!?
● 補 足
 Q:補足は糖水よりも人工乳のほうがいいの!?─習慣的な補足の見直し
 Q:補足はどのように減らしたらいいの?
● 乳頭・乳房について
 Q:乳頭の形によって授乳が困難になる?
 Q:おっぱいにうまく吸い付いてくれない
 Q:授乳中のお母さんの発熱で注意することは?
 Q:おっぱいが痛くて思うように授乳できない
● 母乳不足感と母乳摂取不足,母乳分泌不全
 Q:赤ちゃんが泣く=おっぱいが足りない?(母乳不足と不足感)
●特別なケアが必要な場合
 Q:帝王切開で出産しても母乳はあげられるの?
 Q:ちょっと早く生まれた赤ちゃんの母乳育児って?
 Q:双子でも母乳育児はできる?
 Q:予定日よりも早く出産すると母乳は出ない?
●退院から1ヵ月までのフォローアップ
 Q:産後1ヵ月の母乳育児率の低下を防ぐには?
 Q:退院後のお母さんの不安を軽減するには?
● おまけのQ&A:退院〜生後1ヵ月までの心配事
 Q1:吐乳
 Q2:便の色
 Q3:湯冷ましは必要?
 Q4:鼻づまり
 Q5:歯科治療
 Q6:きょうだいと感染
 Q7:おしゃぶりは必要?
 Q8:おっぱいを頻繁に欲しがる

* 解答のページ
 exerciseの解答
 卒業テストの解答と難解問題の解説

* 索 引