書籍カテゴリー:臨床看護学|小児科学

母乳育児支援コミュニケーション術
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Breastfeeding for a medical profession
お母さんも支援者も自信がつく
母乳育児支援コミュニケーション術

1版

  • 国際認定ラクテーション・コンサルタント 本郷寛子 著
  • 国際認定ラクテーション・コンサルタント 新井基子 著
  • 国際認定ラクテーション・コンサルタント 五十嵐祐子 著

定価:3,456円(本体3,200円+税8%)

  • B5判 214頁
  • 2012年7月 発行
  • ISBN978-4-525-50341-3

概要

待望の書籍完成!!本書は,地域で働く助産師と病院勤務の助産師がナビゲーター役に助けられながら,母親にわかりやすいことばで母乳育児支援ができるようになる過程をマンガ・イラスト・ナレーションで展開.読者はページを追いながら登場人物と一緒にコミュニケーション・スキルを使った支援を体験でき,仕事への自信がつく一冊.

症例から学ぶ 母乳育児支援セミナー 2日間コース

序文

 本書は、母乳育児支援にとって不可欠なコミュニケーション・スキルについて、マンガを使ってわかりやすく解説した実践ガイドです。
 日本では、21世紀になって「健やか親子21」といったヘルスプロモーションの考え方を基盤とした行動計画が始動し、大きく4つの分野における目標が定められました。そのうちの2つの分野(「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援」と「子どもの安らかな発達の促進と育児不安の軽減」)に母乳育児の目標が入れられ、行動計画の期間が2010年までから、2014年までに延長されました。出産後1か月時の母乳育児の割合を、2000年の調査時の44・8%から60%に増加させることを目標に掲げてあります。
 2007年には、「授乳・離乳の支援ガイド」が策定されました。その基本的考え方は、従来の「管理」「指導」型から「支援」へと変わっています。
 「授乳期および離乳期は母子の健康にとって極めて重要な時期にあり、母子の愛着形成や子どもの心の発達が大きな課題になっている状況においては、授乳・離乳の支援にあたって、親子双方にとって、慣れない授乳、慣れない離乳食を体験していく過程をどう支援していくかという育児支援の視点を重視する」姿勢が基盤にあります。
 この策定の目的の1つは、基本的事項の共有化により「継続的で一貫した」支援ができるようになることです。「産科施設、小児科施設、保健所・市町村保健センターなどの保健医療機関に所属する多職種が適切な支援のあり方について共有化する基本的事項を提示することにより、妊娠中から退院後、さらに離乳食の開始に至るまで、継続的で一貫した支援の推進を図っていく」ことが大切です。
 また、保健医療従事者が授乳の支援に関する基本的考え方を理解し、支援を進めるための基本的事項を「授乳の支援を進める5つのポイント」として提示しており、この中で、母乳育児の支援を進めるポイントをあわせて提示しています。
 さらに、財団法人母子衛生研究会からは、「授乳・離乳の支援ガイド 実践の手引き」(母子保健事業団)が出されました。その中でも、コミュニケーション・スキルを使って母親を温かく受容しその選択を尊重する支援の方法が推奨されています。とはいえ、もっと具体的な場面で、どのように対処すればいいのか、基本から母乳育児支援に関するコミュニケーション・スキルを学べるような書籍が今までほとんどありませんでした。
 現在地方自治体で行われている乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の訪問スタッフには、愛育班員、母子保健推進員、児童委員、子育て経験者等を幅広く登用することがすすめられています。このことからも、母乳育児を支援するためのコミュニケーション・スキルは、保健医療者だけではなくより多くの方々に必要とされているともいえます。
 なお、内容に関して医学監修をしていただきました新生児科医で国際認定ラクテーション・コンサルタントでもある大山牧子先生(神奈川県立こども医療センター新生児科)に、この場を借りて深く感謝いたします。
 本書が幅広い層の読者に愛読され、お母さんたちが自信をもって子育てができるように支援するために活用されることを願ってやみません。

2012年6月
著者を代表して
本郷 寛子

目次

Step0 母乳育児支援ってなんで必要なの?

Step1 母乳育児支援の基本を学ぶ
1 そもそも母乳ってどんな液体?
* 赤ちゃんにいつもぴったり
* 変化する母乳
* 母乳の栄養素
2 母乳育児の重要性
* 赤ちゃんにとって
* お母さんにとって
* 家庭・社会にとって
3 母乳が作られる構造と仕組み
* 授乳に関与する乳房の構造
* 母乳分泌の仕組み
* 乳房緊満 佐藤さんの乳房の変化は?
* おっぱい工場見学ツアーへようこそ
4 母乳育児を応援するために
* 母乳育児成功のための10ヵ条
* 母乳代用品のマーケティングに関する国際基準
5 母乳で育つ子どもの成長・発達
* 母乳で育つ子どもの成長パターン
6 赤ちゃんがおっぱいを飲みとる仕組み
* 授乳は赤ちゃんとお母さんの共同作業
* おっぱいを飲みとるためにしていること
* 授乳姿勢
7 直接授乳のアセスメント
* 授乳の観察をしようとお母さんに話しかけるとき
* 何を観察するか
8 直接授乳を支援する
* お母さん自身ができるように支援する
* お母さんが座って授乳するとき
* お母さんの乳房から飲むために赤ちゃんが必要としていること
* 乳房への吸着が難しい赤ちゃん

Step2 母乳育児カウンセリング
1 どうすればお母さんの不安は解消するの?〜エモーショナル・サポートの大切さ〜
* 言葉によるコミュニケーション
2 コミュニケーション・スキルの基本〜コミュニケーションには二通りある〜
* 非言語のコミュニケーション
3 カウンセリングの基本技術〜お母さんの話に耳を傾け,相手を知るためのコミュニケーション〜
* 共感することの大切さ
* お母さんがもっと話せるように促すスキル
* お母さんに共感する
* 質問する 〜閉じられた質問と開いた質問〜
* お母さんに自信を持たせながら支援をするスキル
* お母さんに必要な情報を提供する
* フォローアップと継続的支援の手配
4 カウンセリングの実際〜田中さんと馬場さんの会話例〜

Step3 具体的な支援
1 母乳不足感
* 1か月健診に来たお母さんに応対する安西さん
* 直接授乳のアセスメントの重要性
* お母さんが母乳が足りないと思う理由(自信不足・母乳不足感)
* 母乳摂取不足なのか自信不足なのかのアセスメント
* コミュニケーション・スキルを適切に使った例
* チャートでチェック:母乳不足?
* 気配りのある言葉かけ
2 母乳分泌過多
* チャートでチェック:母乳分泌過多?
* コミュニケーション・スキルを適切に使った例
3 乳管閉塞と乳腺炎と腫瘍
* 乳管閉塞・乳腺炎の対処方法
* お母さんが不適切な情報に振り回されないために
4 離乳食と母乳
* 離乳準備食は不要?
* 授乳・離乳の支援ガイド(「改定 離乳の基本」との違い)
* 離乳食を食べない
* 離乳食の開始
* 食べさせるための工夫
* 手づかみ食べ
5 そろそろ卒乳?
* 1歳前後
* 保育所での冷凍母乳の取り扱い
* 1歳半頃
* お母さんがやめたいと言ったときの話し合いのポイント
* お母さんの感情に耳を傾ける
* お母さんの話に耳を傾けて要約する
さまざまな「卒乳」の方法
* 部分的卒乳
* 急激な卒乳(いわゆる断乳)
* 計画的卒乳
* 自然卒乳
* 周りの人々への対処
* お母さんが「母乳をやめること」を選択した場合

ボーナスStep スタッフとのコミュニケーション
* スタッフとのコミュニケーションのヒント

Column 災害時だからこそ,安心して母乳育児ができるように支援することが大切
Column 母乳の生産量と赤ちゃんが飲む量
Column らくらく寄りかかりおっぱいタイム
Column 乳房〜女性にとってプライベートな場所〜
Column カウンセリングとコミュニケーション・スキル
Column 受容と共感の「スイッチ」を入れる?
Column 母乳育児カウンセリング〜受け止める,そしてお母さんの選択を見守る〜
Column 白斑
Column 母乳はいつまで