書籍カテゴリー:臨床看護学

看護のための臨床検査
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看護のための臨床検査

1版

  • 西南女学院大学教授 浅野嘉延 著

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

  • B5判 194頁
  • 2015年2月 発行
  • ISBN978-4-525-50501-1

概要

第1章では,臨床検査に関する基礎知識を,看護師が実際に関係する内容を中心に解説.第2章では,検査ごとに異常値となる仕組みや疾患との関係を簡潔にまとめ,検査結果から患者の病態を把握するための指標となるようまとめた.第3章では,22症例を提示した.検査結果から症状や身体所見とあわせて,患者の病態を把握するトレーニングとなる.

序文

 現在の医療現場において,診断の確定,重症度の判断,治療効果の判定など,臨床経過のさまざまな段階で臨床検査は重要な役割を果たしています.医師とともにチーム医療の一翼を担う看護師は,個々の臨床検査の意味を知るだけでなく,患者から得た複数の検査結果から有意なものを選択し,患者の訴えや身体所見と関連づけて病態を把握する臨床力を養うことが大切です.
 本書は,看護師が検査結果から患者の病態を把握するために必要な知識をわかりやすく解説することを目的としました.過度に専門性の高い検査や,非常にまれな疾患との関連などは割愛し,日常診療で役立つ内容にポイントを絞っています.その反面,血液検査や尿検査だけでなく,生理検査(心電図など)や画像検査(X線など)についても日常診療で使用するものは幅広く取り上げました.
 Chapter 1では,臨床検査に関する基礎知識を,看護師が実際に関係する内容を中心に解説しています.本書の中心となるChapter 2では,検査項目ごとに異常値となる仕組みや主な疾患との関係を簡潔にまとめ,臨床現場で看護師が検査結果から患者の病態を把握するための指標となるように心がけました.また,カルテには医師や看護師が検査項目を略語(自己流の隠語)で記載することも多いため,使用頻度の高い略語も紹介しています.臨床現場で看護師が必要とする内容を過不足なく解説できたと自負しています.
 さらに,本書のユニークな点として,Chapter 3に22例の症例を提示しました.示された検査結果から,症状や身体所見とあわせて,患者の病態を把握するトレーニングを行ってみてください.実際の症例は,一人の患者に複数の疾患があることも多く,すべての検査結果が主たる疾患を指し示している訳ではないことを実感していただけると思います.なお,Chapter 3で提示した生理検査や画像検査は実際の患者データですが,症例の内容はすべて架空のものです.
 本書は,従来からある医師や検査技師を対象とした臨床検査のテキストを書き直すのではなく,看護師が検査結果から病態を把握する臨床力を養うという観点で,全編を書き下ろしたものです.看護学生の検査学や疾病学の教科書としてだけでなく,卒後の看護師も臨床現場に必携の一冊として活用していただければ幸いです.
 最後に,図表の使用を許可してくださいました先生方と,企画から出版まで御支援してくださいました南山堂編集部の石井裕之氏に深く感謝いたします.

2015年1月吉日
西南女学院大学保健福祉学部 浅野嘉延 

目次

Chapter 1 臨床現場で看護師に必要な検査に関する基礎知識
1 検査前の注意点
 1.検査とインフォームド・コンセント
 2.本人確認
 3.検査のための患者情報の聴取

2 日常診療で主に看護師が担当する検体採取と検査の実施
 1.尿の採取と保存
 2.尿の定性検査
 3.静脈血の採取と保存
 4.毛細管血の採取と血糖測定
 5.心電図の測定
 6.経皮的酸素飽和度の測定
 7.その他の検体の採取

3 検査結果の解析に必要な評価指標
 1.基準値
 2.パニック値
 3.感度と特異度
 4.検査の精度管理

4 臨床検査の進め方



Chapter 2 臨床現場で看護師が活用する検査の意味とデータの読み方
1 検査項目の全体像

2 糞尿検査
 1.尿検査
  ●尿の定性検査
  ●尿沈渣
 2.便検査
  ●便潜血反応(免疫法)

3 血液検査
 1.血球検査
  ●赤血球(RBC)
  ●白血球(WBC)
  ●血小板(PLT)
 2.凝固線溶系検査
  ●プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
  ●フィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)
  ●その他の検査
3.輸血関連検査
  ●血液型
  ●交差適合試験

4 血液生化学検査
 1.酵 素
  ●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST),アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
  ●γグルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)
  ●アルカリホスファターゼ(ALP)
  ●乳酸脱水素酵素(LD,LDH)
  ●アミラーゼ
  ●クレアチンキナーゼ(CK,CPK)
  ●その他の検査
 2.血清タンパク
  ●総タンパク(TP),タンパク分画
  ●免疫グロブリン(Ig)
 3.窒素化合物
  ●血中尿素窒素(BUN)
  ●クレアチニン(Cr)
  ●クレアチニンクリアランス(Ccr)
  ●尿酸(UA)
  ●アンモニア
 4.糖 質
  ●血糖
  ●75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)
  ●糖化ヘモグロビン(HbA1c)
  ●その他の検査
 5.脂質・胆汁
  ●コレステロール(Ch)
  ●トリグリセリド(TG)
  ●ビリルビン
  ●インドシアニングリーン(ICG)検査
 6.電解質
  ●ナトリウム(Na)
  ●カリウム(K)
  ●カルシウム(Ca),リン(P)
  ●血清鉄(Fe),フェリチン

5 免疫血清学検査
 1.炎症マーカー
  ●C反応性タンパク(CRP)
  ●赤沈(ESR,赤血球沈降速度)
 2.自己抗体
  ●リウマトイド因子(RF)
  ●抗核抗体(ANA)
  ●その他の検査
 3.アレルギー検査
  ●総IgE,特異的IgE抗体

6 内分泌検査
 1.甲状腺・副甲状腺
  ●甲状腺ホルモン(freeT3,freeT4),甲状腺刺激ホルモン(TSH)
  ●副甲状腺ホルモン(PTH)
 2.副 腎
  ●コルチゾール,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
  ●アルドステロン
  ●その他の検査
 3.下垂体,その他
  ●抗利尿ホルモン(ADH)
  ●その他の検査

7 腫瘍マーカー
 1.総 論
 2.各 論
  ●αフェトプロテイン(AFP)
  ●癌胎児性抗原(CEA)
  ●糖鎖抗原19-9(CA19-9)
  ●前立腺特異抗原(PSA)
  ●その他の検査

8 感染症検査
 1.細菌検査
  ●塗抹検査,培養検査
  ●結核の診断に特有な検査
  ●ヘリコバクター・ピロリ菌の検査
  ●迅速検査
 2.ウイルス検査
  ●肝炎ウイルス検査
  ●HIV感染検査
  ●ウイルス感染症の抗体検査
  ●迅速検査

9 穿刺液や生検による検査 
 1.総 論
 2.各 論
  ●動脈血ガス分析
  ●骨髄の検査
  ●脳脊髄液の検査
  ●胸水・腹水の検査
  ●細胞診,病理検査

10 生理検査
 1.総 論
 2.各 論
  ●心電図(ECG)
  ●肺機能検査
  ●その他の検査

11 画像検査
 1.総 論
 2.各 論
  ●頭頸部(CT検査,MRI検査,超音波検査)
  ●胸部(X線検査,CT検査)
  ●腹部(超音波検査,X線検査,CT検査,MRI検査)
  ●心臓(超音波検査,CT検査,心臓カテーテル検査)
  ●消化管(造影検査,内視鏡検査)
  ●その他の検査



Chapter 3 症例で学ぶ,検査データから病態を把握するポイント
  ●case1〜22

付:各種検査の代表的な基準値