書籍カテゴリー:臨床看護学|医学・医療一般

保健指導が楽しくなる!医療コーチングレッスン
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保健指導が楽しくなる!医療コーチングレッスン

1版

  • オフィス Serendipity代表取締役 鱸 伸子 著
  • いとうびわ 著
  • 国際統合医療教育センター所長 柳澤厚生 著

定価:1,728円(本体1,600円+税8%)

  • B5判 153頁
  • 2010年11月 発行
  • ISBN978-4-525-50521-9

概要

コーチング式保健指導の入門書! マンガ・イラストをふんだんに盛り込み,わかりやすさを追求.各項目ごとに「解説により流れを理解→失敗症例をマンガで提示→その症例についてどうすればよかったかを会話例で示し知識を整理」という構成に統一し,一読するだけでコーチングの技術を理解できる.保健指導を行うすべての医療従事者必読の一冊.

序文

 本書は,「相手が自ら自身の健康について考え,決断をし,行動を起こす」というコーチングコミュニケーションを取り入れた保健指導法をわかりやすく解説した実践書です.2010年8月,厚生労働省から「平成20年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況について」が発表されました.それによれば,2008年4月から開始した,いわゆる「メタボ健診」の特定保険指導の対象となった19.8%のうち,指導を最後まで受けた人の割合はたった7.8%にすぎませんでした.これは当初の目標の45%を大きく下回ったと言われています.国保保有者には社保保有者と比べて強制力がなく,自己管理にゆだねられることもその大きな要因であると考えられています.そして,何よりも大きな問題は,メタボ健診対象者の多くが「自分はメタボだ」という自覚がないことです.指導者は「何とか生活習慣を改善させよう」と日々多大な努力で奮闘なさっていることでしょう.
 本書は,2007年4月から2010年3月まで株式会社 法研の『へるすあっぷ21』にて「~保健指導が楽しくなる~ コーチング・エッセンス」(2007年度,2008年度)および「保健師ヤスコのコーチング・スタディ」(2009年度)として連載されたものをまとめ,新たに書き下ろしたものです.この連載は,3年もの間多くの読者の方に愛され,読者アンケートNo.1に輝くほど人気をいただいたということで,単行本として南山堂から出版する運びとなりました.
 本書の特徴は,コーチング式保健指導を実践するときに必要なコーチングの基本スキル,5つの基本ステップ,タイプ別にみるコミュニケーションのコツ,電話でのフォローの仕方やカルテの書き方など読者が保健指導をするときに使うことができるプラスαのスキルを,会話事例やイラストを交えてわかりやすく解説している点にあります.そのため,本書は保健指導や運動指導に携わるすべての指導者の方々やそれを目指す学生まで,幅広い年齢・ポジションの方にお勧めできます.筆者らは,本書を通じて,読者にとっての保健指導がよりやりがいのある楽しい仕事になることを願っています.
 本書を出版するにあたり,連載時から筆者らのわがままを忍耐強く聴いてくださり,多くのサポートをしてくださった法研の石田裕子女史,西 一彦氏,星野篤子女史,そして単行本化をご快諾いただき出版に向けて力強くサポートしてくださった南山堂の山田留奈女史,宇津木菜緒女史に心からの謝辞をおくります.

2010年10月
鱸 伸子・いとうびわ・柳澤厚生

目次

第1ステージ コーチングの基本スキルを学ぼう
 レッスン1 自ら考え、決断し、行動を促すコーチング
  コーチングの基本
   ①相手に主導権をもたせる
   ②相手の考えを促す
   ③相手と信頼関係を築く
 レッスン2 相手の話を傾聴する
  傾聴のポイント
   ①相手の話をさえぎらない
   ②共感をもってリアクションする
   ③沈黙してもじっと待つ
   ④相手の言葉を繰り返す
  コラム 時間を宣言する
  Let’s Try! 話すよりも「聴く」ことを意識しよう
 レッスン3 相手を承認する
  承認のポイント
   ①相手に合わせてほめる
   ②気持ちを言葉で伝える
   ③気にかけていることを伝える
   ④相手を主役にする
  コラム 究極の承認「叱る」
  Let’s Try!「あなたを認めていますよ」と意識的に伝えよう
 レッスン4 コーチング式質問のスキル
  質問のポイント
   ①拡大質問と限定質問を使い分ける
   ②複数の答えを求める
   ③答えをひとつに絞り込む
   ④詰問・誘導尋問をしない
  コラム 質問のコツ
  Let’s Try! コーチング式「質問」で相手のやる気を引き出そう
 レッスン5 相手の行動につながる提案を
  提案のポイント
   ①信頼関係を築いてから提案する
   ②最初に「おことわり」を入れる
   ③選ぶのは相手自身だと伝える
   ④シンプルで具体的な提案をする
   ⑤提案は一度にひとつだけ
  コラム タイプ別提案のしかた
  Let’s Try! 相手が受け入れたくなる「提案」をしよう


第2ステージ 5つの基本ステップをはじめよう
 レッスン6 5つの基本ステップ
  基本ステップ
   ①ゴールと現状を明確に
   ②障害・強みを知る
   ③戦略を練る
   ④サポートする
   ⑤決断を促す
 レッスン7 ステップ① ゴールと現状を明確に
  ゴール設定のポイント
   ①まず相手の現状を把握する
   ②相手から問題点を引き出す
   ③数値・期限を具体的に決める
   ④実現可能なゴールにする
   ⑤達成後のイメージを共有する
  Let’s Try! 相手が目指したくなるゴールを引き出そう
 レッスン8 ステップ② 障害・強みを知る
  障害・強みを知るためのポイント
   ①障害・強みを質問で引き出す
   ②障害・強みは行動への第一歩
   ③「障害」を聴き出すコツ
   ④「強み」を聴き出すコツ
  Let’s Try! 「障害」と「強み」を質問で明らかにしよう
 レッスン9 ステップ③ 戦略を練る
  戦略のポイント
   ①相手を主役にして考えを引き出す
   ②複数の答えに順番をつける
   ③内容を具体的に落とし込む
   ④最後にまとめる
  Let’s Try! 相手の考えに基づいた戦略を練ろう
 レッスン10 ステップ④ サポートする ⑤ 決断を促す
  サポートのポイント
   ①相手が「してほしいこと」を聴き出す
   ②あなたが「できること」を示す
   ③応援するのもサポートのひとつ
  決断のポイント
   ①ゴールや戦略を再確認する
   ②決意の言葉を促す
  Let’s Try! よきサポーターとなって相手の背中を押そう


第3ステージ タイプ別コーチングにチャレンジしよう
 レッスン11 4つのタイプを見極めよう
  相手のタイプを見極めるポイント
  タイプ判別チェック
  4つのタイプ別特徴
 レッスン12 タイプ別攻略法① コントローラータイプ
  コントローラーとの接し方
   ①相手をコントロールしない
   ②相手に選択権を与える
   ③相手のやり方を否定しない
   ④結論から率直に話す
   ⑤「あなたは特別」と伝える
  Let’s Try! 親分肌のコントローラー攻略法
 レッスン13 タイプ別攻略法② プロモータータイプ
  プロモーターとの接し方
   ①相手の自主性やアイデアを尊重する
   ②話を脱線させない
   ③楽しいイメージをもたせる
   ④思い切りほめてその気にさせる
  Let’s Try! 社交的なプロモーター攻略法
 レッスン14 タイプ別攻略法③ アナライザータイプ
  アナライザーとの接し方
   ①ゴールや戦略を具体的に決める
   ②データを十分に提供する
   ③沈黙しても急かさない
   ④納得しているか配慮して信頼関係を築く
   ⑤ほめ言葉よりも事実を伝える
  Let’s Try! 完全主義のアナライザー攻略法
 レッスン15 タイプ別攻略法④ サポータータイプ
  サポーターとの接し方
   ①「人のため」を動機づけにする
   ②役に立っていることをほめる
   ③あなたの気持ちを伝える
   ④相手の本心を聴き出す
   ⑤NOと言える環境をつくる
   ⑥メンタルケアに留意する
  Let’s Try! 世話好きなサポーター攻略法


第4ステージ プラスαのスキルを磨こう
 レッスン16 面談前の環境づくり
  環境設定のポイント
   ①面談前は用事を中断する
   ②話しやすい位置に座ってもらう
   ③自分の服装に配慮する
   ④相手に合わせてリアクションする
  面談前に見てみよう 5つのチェックポイント
 レッスン17 電話・FAX・メールでの継続フォロー
  電話によるフォローのポイント
   ①事前に日時を決めておく
   ②最初に所要時間を告げる
   ③テーマを絞り込んでシンプルに話す
   ④見えない分、傾聴して感情を読みとる
   ⑤次回の宿題を決める
  FAX・メールによるフォロー
  Let’s Try! 電話で継続を促そう
 レッスン18 アンカリングのスキルで途中経過を見直す
  アンカリングのポイント
   ①現在の到達点を明確にする
   ②うまくいかない原因をつきとめる
   ③ゴールや戦略を見直す
  Let’s Try! アンカリングで相手のやる気を取り戻そう
 レッスン19 5分間のクイック・コーチング
  クイック・コーチングのポイント
   ①時間を共有する
   ②テーマをひとつに絞り込む
   ③プロセスを省略する
   ④行動に焦点をあてた質問をする
  Let’s Try! クイック・コーチングで結論を導こう
 レッスン20 コーチング式カルテの書き方
  コーチング式カルテのメリット
  カルテのフォーマット例
  カルテの記入例

ボーナスステージ
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